慢性硬膜下血腫について知っておきたいこと　治る認知症って何？

軽度の外傷などで、硬膜の下に出血が起こり、血腫の周囲に被膜が形成されます。

被膜は硬膜に近い側を外膜といい、くも膜に近い側を内膜といいます。
ちなみにこれらの被膜ができる機序はまだ完全には明らかになってはいません。

血管が多い外膜の側でくり返し出血したり、浸透圧の関係で、血腫が徐々に増大していきます。

アルコール多飲者や高齢者、肝臓疾患がある方、血液透析をしている方に多いといわれていますが、若年の方や頭部外傷を受けたことがない方も発生することはあります。

受傷は壁に少し頭をぶつけたなど軽度であることが多いですが、頭蓋内の血腫が増大すると以下のような症状が現れます。

頭部を壁や柱に接触することで起こることが多いですが、特にこうした衝撃を受けなくても血腫ができることもあります。
また、急性硬膜下血腫から慢性化する場合もあります。

高齢者で性格がいきなり変わってしまったり、もの忘れが激しくなってしまうと認知症かもと諦めてしまいがちですが、慢性硬膜下血腫が原因となっている一時的な認知障害なら処置を行うことでもとの状態に戻すことができます。

「治る認知症」という呼び方もされていますので、気になる方はCTやMRIを使った検査を一度受診してもいいかもしれません。