2022/03/17 ( 更新日 : 2022/07/28 )

タバコを吸うことで発症する可能性がある病気とは? 依存度チェックも収録!

生活習慣
呼吸器
この記事は約8分で読めます
健康のために禁煙しようと思っても、「1本だけなら…」とついついタバコに手を伸ばしてしまうことはありませんか? タバコには麻薬と同程度の依存性があるため、止めようと思ってもなかなか止められないものです。今回は、なぜ1本だけでも喫煙すべきではないのか、喫煙によりどのような病気になる可能性があるかなどを紹介します。
目次

どうして禁煙できないの? タバコに依存してしまう理由

禁煙しようと思ってもできないのは、依存性が原因です。
少しの間、禁煙に成功していた方でも「タバコを長く止められているから1本くらい…」と気がゆるんでいるときや、お酒を飲んでいるときなどについつい吸ってしまう方が多いでしょう。
また、近くで吸っている方がいると吸いたくなってしまうこともあります。

タバコに強い依存性があるのは、ニコチンが原因です。
ニコチンを摂取することでドーパミンが分泌されるため、喫煙によって心が落ち着くと感じる方もいるでしょう。

「タバコを吸うと安心する」というように、喫煙が毎日のルーティンとなり心理的に依存している方も少なくありません
身体的にも心理的にも依存した状態を作り上げるため、なかなか禁煙できないのです。

タバコによる健康被害

2017年に世界保健機関(WHO)が発表したデータによると、タバコが原因で亡くなる方は、世界中でなんと約700万人にものぼります。
日本だけで見ると、毎年12~13万人亡くなっている計算です。
たとえ喫煙本数が少なかったとしても、喫煙者は非喫煙者と比べて確実にがんや死亡リスクが上昇します。

紙タバコ

紙タバコとは、一般に販売されている火をつけて吸うタイプのタバコです。
昔からあるタバコのため、吸っている本人だけでなく周囲で煙を吸ってしまった方の健康を損ねる可能性もあります。

受動喫煙を起こしやすいため、健康被害が大きいタバコです。
タバコの煙には、ニコチンや、一酸化炭素をはじめとして、7000種類以上の物質が含まれています。
有害物質として認定されている成分はその中でも数百種類あり、そのうちの約70種類が発がん性物質であることが明らかになっています。

加熱式タバコ

加熱式タバコとは、火を使わずタバコの葉を加熱して蒸気となったエアロゾルを発生させるものです。なんとなく体によさそうなイメージがありますが、ニコチンによる体への影響は紙タバコと変わりません

発がん性物質のホルムアルデヒドや劇物のアクロレイン、刺激性のあるベンズアルデヒドなどが含まれているため、これらによる健康被害が考えられます。

紙タバコよりも有害物質が少ないと謳われていることもありますが、健康被害も少なくなっているのかについてはまだ不明です。

電子タバコ

電子タバコは、装置やカートリッジ内にある液体を電気で加熱し、蒸気のエアロゾルを発生させるものです。
こちらはタバコ葉を使用していないため、ニコチンは含まれていません。

電子タバコに含まれている成分は食品添加物としては安全性が高いものです。
しかし現在のところ、電子タバコとして吸引する安全性はわかっていません。そのため、健康被害が起こる可能性はゼロとは言い切れない部分があります。

禁煙グッズのひとつとして電子タバコを選択される方もいますが、できれば電子タバコを使わず禁煙したいものです。

喫煙が引き起こす主な病気

喫煙は驚くほど体にさまざまな害をもたらします。とくに影響を受けやすいのが、のどや肺への影響です。
喫煙本数が多ければ多いほど、のどや肺への負担は大きくなります。ここでは喫煙が大きく関係している主な病気を3つ紹介しましょう。

COPD

COPDとは、慢性閉塞性肺疾患のことです。
COPDになる大きな原因は喫煙と言われています。有害な物質を長期にわたって吸い込み続けることで、気管が炎症を起こして肺胞が破壊されたり、気道に炎症がおきる疾患です。
症状が進行すると酸素の吸入が必要な状態になります。

肺胞が破壊されることで酸素を取り込んだり二酸化炭素を排出したりする機能が低下するために平地歩行でも息切れが強くなったり、慢性の気道炎症により風邪ではないのに痰が絡んだような咳が出ることが特徴です。
年齢のせいかと思い、病院を受診しない方も少なくありません

肺がん

喫煙している方はそうでない方と比べて男性で4.4倍、女性で2.8倍も肺がんのリスクが高まります
気管支や肺胞の細胞ががん化したもので、咳や痰が出たり、痰に血が混ざったりといった症状が代表的でしょう。
発見が遅れると重篤化して命に関わる病気です。

喫煙以外には、アスベストや大気汚染なども関係しています。

肺がんに初期症状はあるの? 肺がんの種類、予防、治療方法などについても解説します!

日本の死因ランキングの中で1位は「悪性腫瘍(がん)」です。その中でも「肺がん」が最も多いとされています。肺がんは初期の段階で気づきにくい上、危険性の高い病気になっています。この記事では、そんな肺がんの非小細胞がん/小細胞がんのちがいや、予防方法・治療方法について解説いたします。

脳血管疾患、心血管疾患

タバコの煙に含まれるニコチンは血管の収縮、血圧の上昇、心拍数の上昇をもたらし、一酸化炭素は血液中にある酸素の運搬を阻害します。

つまりタバコを吸うことで血管が詰まりやすい状態になり、動脈硬化が促進されてしまうのです。
動脈硬化や血栓形成は、脳血管疾患や心血管疾患が発症する主要な原因となることは知っておきましょう。

脳卒中とは? 初期症状を確認する際のFASTは覚えておきましょう!

命に関わる病気として、「脳卒中」があります。脳の血管が破れたり、血管が詰まることで起こり「脳血管障害」とも呼ばれます。令和2年(2020年)の人口動態統計によると、日本人全体の死因の4番目に位置し、約7.5%の方がこの病気で亡くなっています。記事内では脳卒中の原因や治療、対策など予防につなげるヒントなどをお伝えします。

心筋梗塞の治療方法にはどんなものがある? 発症に至る原因や診断方法も解説!

心筋梗塞はなぜ起こるのか、どのようにすれば予防ができるのか。もしも心筋梗塞の方を見かけたときには何ができるのか。死因の上位にもくる心筋梗塞について、正しく知って正しい予防を心がけましょう。この記事の中では、心筋梗塞の押さえておきたい基本をご紹介いたします。

禁煙のメリット

禁煙には多くのメリットがあります。まず、タバコを吸わないとイライラしたり不安になったりという依存状態から抜け出すことが可能です。
暇があればタバコのことを考えてしまう状態から抜け出せます。
喫煙による咳や痰の絡みも軽減するでしょう。

受動喫煙によって家族に健康被害を与えてしまうことありません。
喫煙はビタミンCを大量に消費したり活性酸素を産生したりすることから、禁煙によって肌の状態がよくなることも考えられます。

タバコの依存度チェック

どれくらいタバコに依存しているかは、依存度テストを行うことでわかります。合計点によって依存度がわかるので、ぜひ一度試してみてください。

質問1

起床してからタバコを吸うまでの時間はどれくらいですか?

・5分以内…3点
・6~30分…2点
・31~60分…1点
・60分以降…0点

質問2

禁煙と書かれている場所で禁煙することに対して、つらいと感じますか?

・はい…1点
・いいえ…0点

質問3

どちらのタイミングで禁煙するのがよりつらいですか?

・朝一に吸う最初の1本…1点
・その他のタイミングで吸う1本…0点

質問4

1日に喫煙する本数は何本ですか?

・31本以上…3点
・21~30本…2点
・11~20本…1点
・10本以下…0点

質問5

起床して数時間以内にほかの時間帯より多く喫煙していますか?

・はい…1点
・いいえ…0点

質問6

体調が悪く寝込んでいるときも喫煙しますか?

・はい…1点
・いいえ…0点

表1 タバコ依存度と合計点の関係
合計点 依存度
0~3 低い
4~6 中程度
7~10 高い

禁煙を成功させるにはどうすればいいの?

禁煙が失敗する理由はなんでしょうか?

  • 吸わないとストレスがたまるから
  • 喫煙によるコミュニケーションがあるから
  • タバコをやめると太るから
  • 1本くらい大丈夫だと思ってしまう

人によって理由はいろいろあるかと思います。ストレスがたまる方は、スポーツをしたり趣味を持ったりするのが効果的です。

コミュニケーションの輪から外れるのが不安な方は、代わりの場でコミュニケーションを取ってみてはいかがでしょうか。
たとえば給湯室や食堂などがあります。

タバコをやめると太るという方は、口寂しくなったときに何かを食べるのではなく、体を動かしてみてください。
「1本くらい大丈夫…」と手が伸びてしまう方は「この1本で禁煙がムダになるかもしれない」と考えてみてはいかがでしょう。

自力での禁煙が無理なら禁煙治療も視野に入れてみましょう

ニコチンの依存性は高いため、自力で禁煙するのは難しいものです。
「1本くらい」という気持ちは捨てて、タバコに手を伸ばさないようにしましょう。

もし自力での禁煙が難しいと感じるのなら、禁煙外来(*1)に通ったり禁煙パッチやガムなどを試したりしてみてください。
禁煙することで自分の体だけでなく、まわりにいる方の健康も守ることができます。

(*1)現在は禁煙治療に用いられるファイザー社の医療用医薬品「チャンピックス」が出荷停止の状態です。
供給再開は2022年の後半以降を見込んでいるようですが、それまでは多くの禁煙外来が中止されています。

参考:「チャンピックス錠 出荷保留に伴う供給のお詫びとお願い

この記事について

2022/03/17 (更新日:2022/07/28)

タバコを吸うことで発症する可能性がある病気とは? 依存度チェックも収録!

カテゴリ
キーワード

気になる方は、即日予約・受診可能です。
所要時間10分、検査は3分の「CT肺・心血管ドック」

まずは空き枠を確認してみる

監修医 知久 正明 (ちく・まさあき)

メディカルチェックスタジオ東京銀座クリニック院長・医学博士
病気になる前に治すという『未病』を理念に掲げていきます。循環器内科分野では心臓病だけでなく血管病まで診られる最新の医療機器を備えたバスキュラーラボで、『病気より患者さんを診る』を基本として診療しています。

こちらの記事もおすすめ

さまざまな検査の中身を詳しくまとめています

知っておきたい脳ドックの補助金・助成金制度 思っていたよりずっと安く受診できるってほんと?

脂肪肝はどうやって治せばいいの? 血液検査だと発見できない場合もあるってほんと!?

AST・ALT・γ-GTPなどの数値は大丈夫? 肝機能検査で重要な数値について解説!

あなたのからだに表れている異変の原因は?

夏に注意!ラクナ梗塞とは? 初期症状、診断に必要な検査、治療法などについて

新型コロナウイルスが脳卒中リスクに? 脳ドックで知っておきたい脳の健康状態

肺結核は空気感染するの? 長引く咳がある方は一度検査を受けてみましょう!

生活習慣の改善をコツコツ積み上げましょう!

ストレスで脳が萎縮するって本当? そのメカニズムと幸せホルモン「セロトニン」について解説

糖尿病でも食べていいお菓子ってあるの? 間食の仕方や注意点をご紹介

加熱式タバコ・電子タバコによる健康被害はあるの? 研究データが少ない電子タバコには未知のリスクも

記事を探す