くも膜下出血に初期症状はある? 突然始まった頭痛には要注意!
くも膜下出血は、脳出血のひとつです。 発症すると死亡する確率が高いのが特徴の病気で、その確率は約50%にも及びます。 回復したときでも後遺症が残る場合が多く、再出血が起こるとさらなる生命の危機に晒されます。 この記事では、くも膜下出血を避けるための予防策や、よくみられる前触れ症状についてご紹介いたします。こわい / こわくない頭痛の分類|脳卒中の兆候は頭痛からわかる?
こわい頭痛? こわくない頭痛?
頭痛には2種類あります。
それがこわい頭痛と、こわくない頭痛です。
こわくない頭痛は、一般的に慢性頭痛と呼ばれるものです。
気圧によって頭が痛くなったり、ストレスや肩こりで頭が痛くなったり。
こうしたものが「こわくない頭痛」に分類されます。
こわくない頭痛は原因こそ明確ではないですが、緊急に対応が必要なものではありません。
こわい頭痛は身体で起こっている異常が痛みとなって頭にあらわれているものです。
くも膜下出血などは、こわい頭痛を起こす要因として最もよく知られています。
こうした頭痛については、身体の異常が生死にも関与しますので、すぐに対応する必要があります。
こわくない頭痛の種類(片頭痛・緊張型頭痛・群発頭痛)

「こわくない頭痛」には大きく3種類あります。
片頭痛
症状:
こめかみから目にかけて痛む。片側のみに発生(両側に広がることもある)。
原因:
脳の血管が急激に拡張して起こる。血管が三叉神経を刺激している。
対処:
①暗くて静かな場所で横になる
②冷やす、押さえる
③内服治療する
緊張型頭痛
症状:
ハチマキで後頭部を締めつけているような痛み。後頭部から首筋が重たく、苦しい(片頭痛ほど日常に影響しない)。
原因:
ストレス、疲労で筋肉が緊張。筋肉に老廃物が溜まって起こる。
対処:
①温めたり、こりをほぐしたりする(マッサージ、蒸しタオル、半身浴)
②気分転換をする
群発頭痛
症状:
片目の奥が抉られるように痛む。片目の周りにひどい痛みが走る。1~2か月の間、ほぼ毎日起きる。
原因:
メカニズムはまだ解明されていない。
対処:
①スマトリプタンを皮下注射する(鎮痛剤などは効果がない)
②高濃度酸素を吸入する
こわい頭痛の種類(くも膜下出血・脳腫瘍・急性硬膜下血腫)
「こわい頭痛」の特徴として、いままで感じたことのない痛みが出たり、次第に痛みが強くなっていったりするものがあります。
具体的な原因として、以下の症状がよく知られています。
くも膜下出血
症状:
経験したことがないほどの頭痛に襲われ、吐き気をもよおしたり、意識を失ったりすることもある。激しい頭痛は必ずしもあるわけではないため、注意が必要。
原因:
脳動脈瘤の破裂が原因となることが多い。
通常は専門病院で、厳重な降圧(血圧を下げる)管理のもと、カテーテルによるコイル治療や開頭によるクリッピング術が施されます。

脳腫瘍(のうしゅよう)
症状:
数週間、あるいは数か月にわたってひどくなる頭痛。手足のしびれや、目の見えにくさなど、身体の別の部分に異常が出ることもある。
原因:
脳に腫瘍ができることで、腫瘍が発生した場所およびその周囲がダメージを受ける。腫瘍ができる場所によって様々な影響が発生する。
脳腫瘍には脳の中で発生するもの(原発性)と、他の部位でできたがんが転移してできるもの(転移性)がある。朝に頭痛で目覚めるときなどは、大事をとって病院を受診することが推奨される。
脳腫瘍に初期症状はあるの? 頭痛、嘔吐、意識障害などには注意が必要です!
脳腫瘍は多くが良性のものですが、がんが転移したものや、神経膠腫(グリオーマ)と呼ばれるものは、悪性である確率が高いです。脳にできる腫瘍の分類や、体に出る症状、診断や治療について、この記事では詳しくご説明いたします。
急性硬膜下血腫(きゅうせいこうまくかけっしゅ)
症状:
頭部を打撲した後、短時間で意識障害や激しい頭痛、吐き気などがあらわれることが多い。
原因:
頭蓋骨の内側で脳を覆っている硬膜と脳の隙間に血が溜まって血腫ができる。
頭部を打撲したときには、その後問題なくても脳のCT検査を行う方が好ましいとされている。
脳梗塞でも頭痛は起こる?|意外と知らないリスク
脳梗塞は一般的には頭痛が伴わないことが多いとされていますが、実際には脳梗塞患者の約3割が頭痛を感じるというデータがあります。
脳梗塞の危険なサインとしては、片麻痺、言語障害、めまい、視野異常などがあります。これらの症状があらわれた場合は、ただちに医療機関を受診することが重要です。
セルフチェックとして、FASTチェックがあります。
F(Face) | 顔の片側が下がっている |
---|---|
A(Arms) | 片腕が上がらない |
S(Speech) | 言葉が出ない、またはろれつが回らない |
T(Time) | すぐに119番に連絡を |
こうした知識を持つことで、脳梗塞の早期発見や迅速な対応が可能となります。
こんな頭痛は要注意! 受診の目安チェックリスト
初めて経験する激しい頭痛に加えて、以下の症状を伴う場合はすぐに医療機関を受診することが重要です。
- 吐き気
- 嘔吐
- 片側の麻痺
- 意識障害
- 視野異常
これらの症状は脳疾患の前兆の可能性があるため、早急な対応が求められます。
さらに、外傷後に数日から数週間経ってあらわれる頭痛や、持病がある人に新たに頭痛があらわれる場合も注意が必要です。
症状が軽微であっても気になる場合は医師の診察を受けることをお勧めします。早期発見と適切な対処が、健康維持の鍵です。
「脈を打つけど痛くない」頭の違和感は大丈夫?
こめかみや側頭部がドクドクと脈打つように感じるけれど、痛みはない――。このような場合、原因は緊張による筋肉の圧迫や一時的な血管の拍動がほとんどです。例えば、長時間のデスクワークやストレスが原因となり、筋肉が緊張して血行が悪くなることがあります。
しかし、まれに動脈瘤や血管の異常が関与することもあります。そのため、以下の症状がある場合には注意が必要です。
- 脈を打つ感覚が続く
- 脈が強くなる
- 片側だけに脈を感じる
これらの症状が見られた場合には早期に医師の診断を受け、自分の健康状態を把握することが大切です。
CTやMRIでわかること|不安な人は脳ドックも選択肢
CTやMRIは、頭痛やその他の神経症状の原因を調べるために役立つ画像検査です。この検査により、脳内の出血、腫瘍、血管の異常、脳の委縮などを詳細に確認できます。例えば、くも膜下出血や脳腫瘍の初期段階でも、CTやMRIは問題の早期発見を手助けします。
自覚症状がない場合でも、不安があるならば脳ドックの利用は有効です。脳ドックでは、専門の医師による画像検査と詳細な診断が受けられるため、安心です。
加えて、定期的な検査を通じて自身の健康状態をチェックすることが重要です。より安心して生活を送るためにも、疑わしい症状がある場合はすぐに医療機関を受診し、頭痛外来での相談を検討してください。
まとめ|脳ドックで不安を解消

「こわい頭痛」と「こわくない頭痛」についてご紹介してきましたが、実際は頭痛に対して自分で「問題なし」と判断するのは難しいものです。
頭痛外来や脳ドックを受診すると、自分で思い込んでいた予測とは異なる結果が得られるかもしれません。
自分の頭痛を客観視するためにも、脳ドックを受診されてみてはいかがでしょう。
編集部までご連絡いただけますと幸いです。
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