2021/04/27 ( 更新日 : 2022/01/13 )

脳ドックとはなにか? 検査内容、わかる病気や疾患、かかる費用と時間について

検査
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脳の病気は、仕事やプライベートに大きな影響を与えます。脳梗塞や脳出血を発症してしまうと、もとの生活には戻れない方も多いです。しかし日本では、まだまだ定期的な脳ドックをしている方が少ないのが現状。脳ドックは未病段階(病気になる前)の状態を把握することができ、早期発見、早期治療のために有用な検査です。この記事では、脳ドックの検査内容や見つかる疾患、受診をおすすめする人についてご紹介いたします。
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目次

脳ドックとは? 検査したらなにがわかるの?

脳ドックは、おもにMRI(磁気共鳴画像診断装置)による画像診断をもちいて、脳実質の構造や、脳や頸部の血管の状態を把握し、脳疾患の有無を評価する検査です。

入院せずに行える健康診断のひとつですが、人間ドックではわからなかった部分を精密かつ手軽に検査することができるため、日本国内でも要介護や死亡につながる脳疾患を未然に予防する目的で多くの方が利用されています。

人間ドックはカラダ全体を調べるのに対して、脳ドックは首から上部分を集中的に検査することができます。

体の中でも、脳や心臓に障害が起きた場合には致命傷となることが多いです。
自分だけの力で生活が送れる期間を「健康寿命」と呼びますが、平均寿命が年々伸びつづける中、健康寿命はまだまだ伸び悩んでいます。
脳ドックは「未病」段階からの予防医療であり、年を追うごとに受診される方が増えています。

脳ドックが必要な理由

脳ドックが必要とされる理由は、大きく2点あります。

・脳血管疾患が日本人の死因で上位
・脳疾患の後遺症

脳血管疾患が日本人の死因で上位

日本人の死因を順位別に見たとき、脳血管疾患は10万2856人で第4位に位置付けています(令和2年度)。
脳血管疾患を発症すると、寝たきりになるなどして介護率が上がってしまいますし、血管性認知症の予備軍となることも問題視されています。

脳ドックによって重大な脳疾患のリスクを発見することができれば、これらを未然に防げる可能性が上がります。

脳疾患の後遺症を避ける

脳卒中を発症した方が労働者の場合、職場に復帰する方の割合は全体でみても50〜60%程度と試算されています。
また、職場に戻ることができた場合にも、後遺症の程度によってはもとと同じ業務に付けないことも多いです。それに加えて発症からリハビリ期間を経て復職までは、短くても発症から3~6ヶ月。長い場合は1年〜1年半ほどかかります。
一度でも脳卒中になることは、職業キャリア的にも転機となる場合が多いのが現状であることは知っておきましょう。

脳ドックを受けた方が良い人

高血圧や糖尿病は脳疾患発症のリスクと相関関係があるため、これまでに受けた健康診断で悪い数値・評価が出ている方は、とくに注意が必要です。

脳ドックをおすすめする人のプロフィール

  • 脳ドックを受診したことがない
  • 高血圧、糖尿病、脂質異常、動脈硬化の診断を受けたことがある
  • 過度の飲酒、喫煙習慣がある
  • ご家族の中で脳の病気にかかった方がいる

まだ一度も脳ドックを受けたことがない方には受診をおすすめいたします。遺伝に関係した予期せぬ発見があるかもしれませんし、自分の脳を一度診断しておくと、10年後20年後にもし脳の病気が発見されたときにも非常に有用な情報となります。

健康な状態の脳の画像は、未来にも役立つ資産となることは知っておきましょう。

脳ドックの検査内容と発見できる病気

脳ドックは、頭部MRI、MRA、頸部MRAの検査を行い、主に脳血管の破裂リスクとなる脳動脈瘤・脳の血管が詰まる脳梗塞、そして脳腫瘍などの自覚症状のない異常箇所を調べます。

MRI検査・MRA検査でも多くのことがわかりますが、それと様々な検査を組み合わせて問題を探ります。

表1 検査での発見症例
検査名 なにを調べるの? 発見できる症例
頭部MRI検査 脳実質(おもに大脳・小脳・脳幹・脊髄のこと)の萎縮や、異常をきたしている部分があるかどうかを調査。 脳萎縮、脳梗塞、白質病変、血管周囲腔拡大、脳腫瘍、脳微小出血など
頭部・頸部MRA検査 動脈に関連する異常。動脈が閉じてしまっている部分があるかどうか。 動脈瘤、動脈解離、血管狭窄、血管屈曲・蛇行、血管閉塞、脳血管奇形など
頸動脈エコー検査 頸動脈(首にある太い動脈のこと)の動脈硬化の具合。 動脈硬化など
心電図 不整脈、虚血性心疾患(血液が心臓に行き渡ってない状態)があるかどうか。 不整脈、心筋虚血など
ABI検査 両手両足の血圧を同時に測ることで動脈硬化が起こっているか調べる。 動脈硬化など
血液検査 血液に含まれている細胞や酵素、抗体などの数値。 高脂血症、糖尿病など

脳ドックの費用目安と所要時間

脳ドックは、病院やクリニックによってコースを設けていることが多いです。
一般的な脳ドックを価格帯でコースに分けると、以下の2つがあります。

①費用2〜3万円程度

・MRI/MRA検査
・頸動脈エコー検査 など (診療機関による)

脳ドックではMRIとMRA検査を主としています。
MRI検査は脳のなか(脳実質)を調べるもので、MRA検査は脳や首の動脈を調べるものです。

脳ドックを初めて受けられる方には、おすすめの脳ドックです。

②費用4〜5万円程度

・MRI/MRA検査
・頸動脈エコー検査
・心電図検査
・ABI検査
・血液検査 など (診療機関による)

MRI/MRA検査のほかに、心臓の働きや血液の状態なども調べることが可能。
脳の病気は動脈硬化や血液のめぐりに関係しているため、血液成分の異常を検査することが有効です。

診断の結果が当日中に出るときには、医師から検査結果について、詳細な説明を受けることができます。
脳や首や動脈に関して、詳しく自分の状態を知りたい方におすすめの脳ドックです。

脳ドックにかかる時間

脳ドックにかかる時間は、受診する検査の数や受診先によって大きく異なります。
着替えを行ってから検査を順番に受診していくと、結果の説明を含めて2〜3時間かかることもあります。
最近では予約や受診結果の受け取りをオンラインでできる、当日は30分で受診が可能な脳ドックも登場しています。

脳ドック受診の流れ

脳ドックの受診は以下のようになります。

① 検査したい内容を決める
② 受診する病院を選ぶ
③ 脳ドックをオンライン/電話などで受診予約する
④ 予約した日時に来院して受付
⑤ 検査の説明を受ける
(MRI装置で行われる画像作成の障害になるものは外す。検査着に着替えることもあるが、私服で受診できることもある)
⑥ 受診
⑦ 結果を受け取る
(当日その場で受け取る場合と後日郵送などの場合がある)

基本的に、検査で撮影・測定したものは、後日「レポート」として受け取ることができます。医師の所見で早急に対処する必要がある問題が見つかった場合は、早期に処置が始まります。

また、予約や受け取りはオンラインで行える病院も増えていますので、平日に短時間で受診できることもあります。

脳ドックの注意点

脳ドックは治癒ではなく、病気を発見する目的で行われます。
受診時点での脳の状態を観察し、診断を行うものであると理解しましょう。

受診できないケース

脳ドックは磁気を使った検査を行うため、以下の場合には受診できない可能性があります。

  • 心臓のペースメーカーなど、体内に埋め込んでいる医療機器がある
  • タトゥー、刺青がある
  • アートメイクをしている
  • 閉所恐怖症
  • 妊娠中、妊娠している可能性がある

医師の確認が必要なケース

冠動脈ステント、脳動脈瘤クリップなどの金属異物を体内に持っている方は以前は受診ができないことが多かったですが、最近では受診できる機器もあります。
受診を予定している医院に確認してみましょう。

脳ドックを受診したら…

脳ドックでは、多くの方に脳の異変が見つかります。それは加齢による変化もありますが、自分の脳が年齢を重ねて縮んでいたり、血液のめぐりの悪い場所が見つかったりもします。 脳は一度悪くなった部分でも状態がよくなる方もおられますし、生活習慣を見直すことで症状の進行を遅らせることができます。

もしも異常や病気が見つかったら

異常が見つかったときには、経過観察をするか治療を受けるか医師に相談しましょう。
経過観察をする際には、どんな症状が出たら再診を受けるべきかなど、気になる点は確認することが必要。
次回の検査の時期を決めておきましょう。

過度に心配するのは体にもよくありません。
納得できるまで、医師とよく話すことが大切です。

問題がなかった場合

問題がなかった場合にも、数年に一度は脳ドックの受診をおすすめいたします。
軽度の変異があった場合や、血管リスクが高い方、家系に脳疾患になった人が多い方、年齢が高い方(とくに50代以降)は毎年受診されてもいいかもしれません。

定期的な脳ドックで命に関わる脳の病気を予防しよう

発症してからでは手遅れになる疾患も、脳ドックなら早期に発見でき、発症を防ぐことができる可能性があります。
脳の健康診断に当たる脳ドックは、検査の目的や検査に割ける時間からコースを選べるので、忙しい方でも手軽に受けていただけます。

定期的な脳の検診が、プライベートや仕事上でもっとも大きな障害のひとつになりかねない脳疾患を防ぐ鍵です。脳や心臓など、問題が起きると死や介護に直結する臓器に対するケアを手厚く行いましょう。

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監修医 知久 正明 (ちく・まさあき)

メディカルチェックスタジオ東京銀座クリニック院長・医学博士
病気になる前に治すという『未病』を理念に掲げていきます。循環器内科分野では心臓病だけでなく血管病まで診られる最新の医療機器を備えたバスキュラーラボで、『病気より患者さんを診る』を基本として診療しています。

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