2021/08/23 ( 更新日 : 2021/09/09 )

睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは? 症状、検査の方法、治し方について

症状
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「いびきがうるさい」「呼吸が止まってた」などと、誰かから指摘されたことはありますか? いびきをかいている方の中には、睡眠中に無呼吸状態に陥っている方が多くおられます。これは睡眠時無呼吸症候群(SAS)と呼ばれ、体に蓄積的なダメージを与えるものです。この記事の中では、慢性的ないびきが持つ危険性について、詳しくご説明いたします。
目次

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睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは?

睡眠時無呼吸症候群(SAS:Sleep Apnea Syndrome)は、眠っているときに呼吸が一時的に止まる病気です。
これは「いびき」として日常的によくみられるものですが、1時間に10秒以上呼吸が止まる回数が5回を超えた場合、この症候群である可能性があります。

睡眠中に呼吸が停止すると、臓器や血管には大きな負担がかかります。しかしながら、睡眠中に自分の呼吸が止まっていることに気づくのは難しく、多くの方が無自覚なままです。
家族やパートナーが指摘してくれればいいですが、一人暮らしをしている方は中々気づきにくいため、症状を見過ごす一因となっているようです。

兆候としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 日中の眠気が強い
  • 車の運転中でも眠りそうになる
  • いつも頭が重い。体が疲れやすい
  • 夜間に何度もトイレに起きる
  • 寝ているときに足がつる など

いびきが無呼吸の前兆?

いびきをかいているとき、舌の根に当たる部分が空気の通り道を狭くしているために、音が発生します。これが何度も続いたのちに、音が止まる瞬間があると思いますが、このとき完全に空気の流れが閉ざされており、無呼吸の状態になっています。

無呼吸の状態は危険なので、体は無意識に眠りを浅くして、舌の根を持ち上げることで、呼吸を再開させます。

そしてまた「いびき」→「無呼吸」という順番で、夜眠っているときにこのサイクルを何回も何回もくり返します。

このサイクルを続けていると、睡眠中は体に酸素が足りない状態になるため、血中の酸素濃度が低くなってしまいます。それはつまり、臓器や血管にダメージが溜まっていることを意味するのです。

睡眠は1日に6、7時間以上行われますが、毎日の睡眠中にほんの少しずつダメージが溜まっていくと、いずれは大きな疾患となって目に見えるかたちで異常が現れます。

生活に起きる障害

具体的な生活上の障害としては、以下のことが挙げられます。

眠気による集中力低下

睡眠をしっかり取ったつもりでも、実際は眠りが浅いため、日中に強烈な眠気に襲われます。
車の運転などをする際は特に危険が伴いますし、大切な会議中などでも眠気を抑えられないことがあるため、仕事に支障が出る方も多いです。

合併症

睡眠時無呼吸症候群では、以下のような合併症が見られます。

◇健常者と比較したときの合併症比率

 

睡眠時無呼吸によって、血中の酸素濃度が突然低下すると、血圧を上昇させて血管に大きな負担になります。
高血圧、心臓の問題、肝臓の問題、糖尿病など、体にはさまざまなかたちで問題が現れることは、ぜひ知っておきましょう。

睡眠時無呼吸症候群の検査

睡眠時無呼吸症候群が疑われるときには、以下のような検査の流れで診断・治療が行われます。

※1時間当たりの無呼吸および低呼吸の回数を AHI(Apnea Hypopnea Index)といいます。

PSG検査は「眠りの深さ」「呼吸の状態」「心臓や血管への負担」を調べるものです。

睡眠時無呼吸症候群の治療法

睡眠時無呼吸症候群へのアプローチには「すぐに効果が出る治療」と「生活習慣改善」があります。

①すぐ効果が出る治療

症状の重さに応じて有効な治療は変わってきます。

◇睡眠時無呼吸症候群の重症度と治療方法

     
表1 腫瘍の発生部位と症状
症状 AHIの値 治療法
軽症5 ≦ AHI < 15 減量、節酒、うつ伏せ寝
中等症 15 ≦ AHI < 30 マウスピースなど
重症 30 ≦ AHI CPAP治療

AHI(Apnea Hypopnea Index)=無呼吸低呼吸指数

CPAP(シーパップ)

睡眠時に鼻マスクを装着して、呼吸に合わせて空気圧を与える装置を使います。
気道を開くように作用するため、いびきや無呼吸をほぼ完全に解消。
治療を始めるとすぐに効果がでますが、病状によって1~3回/月の受診が必要となります。

マウスピース

就寝中にマウスピースを装着して、気道を広く保ち、いびきや無呼吸の発生を防ぐ治療方法。マウスピースを作り慣れている、専門の歯科医院で作成することをおすすめいたします。

②生活習慣改善

ダイエット

減量を行うことが、睡眠時無呼吸症候群の根本的な解決につながります。糖質の多い食事を減らして、運動量を増やすことがとても重要です。
無理に急激な運動をする必要はなく、1日の中で歩く機会(例えばエスカレーターになるべく乗らないなど)を心がけるのがおすすめ。

横向きに眠る

仰向けで眠ると舌根や軟口蓋の落ち込みで喉がつぶされてしまいます。横向きに眠るように心がけましょう。

寝酒をやめる

眠る前にお酒を飲むと、いびきや無呼吸がひどくなることが多いです。
飲酒は就寝の4時間前までにしましょう。

まとめ|リスクを減らす行動が必要

いびきはあまりに身近な現象のため、多くの人がこの将来大きな疾患につながるかもしれないリスクを見落としてしまいがち。
もし生活の中でやけに眠気がひどいと感じたり、誰かにいびきのことを指摘されたりしたときには、一度検査を受けてみるといいかもしれません。

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監修医 知久 正明 (ちく・まさあき)

メディカルチェックスタジオ東京銀座クリニック院長・医学博士
病気になる前に治すという『未病』を理念に掲げていきます。循環器内科分野では心臓病だけでなく血管病まで診られる最新の医療機器を備えたバスキュラーラボで、『病気より患者さんを診る』を基本として診療しています。

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