2022/12/15 ( 公開日 : 2022/12/15 )

立ち上がったときに頭がぐらっとするのはなぜ? 立ちくらみ、脳貧血とは?

症状
めまい 自律神経
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立ちくらみに隠れている病気

立ちくらみに隠れている病気は、具体的には以下のようなものです。

動脈硬化が関連した疾患(脳・心疾患)

動脈硬化が進むことで、不整脈、心不全、脳梗塞などが起こり、体に立ちくらみとして異変が出ることもあります。

脳に流れこむ血液量は、心拍出量の1/5から1/6ほどの量にもなるといわれていますので、動脈硬化が原因で血液の流れが滞ってしまうと、脳は容易に血液が足りない状態に陥ってしまうのです。

糖尿病神経障害

糖尿病の合併症で、発症の頻度が高いとされているのが神経障害です。
内臓の働きを調整する自律神経が障害されてしまうと、胃もたれ、便秘、下痢などと共に、立ちくらみが起こることがあります。

また糖尿病神経障害では足先に症状がでやすいことも知られており、以下のような症状がでている場合には早めに病院へ行く必要があります。

・足や足の指がほてる、もしくは冷たく感じる
・足に虫が這っている、もしくは紙を貼ったような感覚がある
・安静時や睡眠中に足が攣る
・足の裏や指先が痺れる
・まるで砂利のうえを歩いているような感覚がする など

熱中症

熱中症でも、めまいや立ちくらみなどはよくみられます。

筋肉は体の中で水分を蓄える役割をしていますが、高齢者は筋肉量が減っています。
それゆえに若い偏り熱中症を起こしやすくなります。

また夏場に多くニュースになる熱中症ですが、冬場でも厚着をして部屋を暖かくしていると、体からは水分が不足した状態になります。
喉の渇きを感じるまえに、水分補給を行うように心がけましょう。

パーキンソン病(高齢者の場合)

高齢者の100人に1人が発症するといわれるパーキンソン病は、動作が遅くなったり、手足が小刻みに震えたり、筋肉が固くなるという症状があらわれます。
脳貧血が起き、立ちくらみがすることもあります。

パーキンソン病では、発症の初期からみられる症状として以下のものがありますので、こうした異変がでているかどうかにも注意しましょう。

・動きが素早くできない
・歩くときに足がでにくい(すくみ足)
・話し方に抑揚がなくなり、声が小さくなる
・書く文字が小さくなる など

薬の副作用で起こる立ちくらみ

降圧剤を服用している方は、薬が原因で立ちくらみを起こしやすくなります。

特に薬の服用を始めたときに起こりやすいといわれています。
頻繁に立ちくらみやめまいが起こるときには、薬の量を調整してもらう必要があります。

立ちくらみを予防するには?

自律神経である交感神経と副交感神経が乱れていると、立ちくらみは多く起こります。
すぐにできる予防策としては、以下のようなものがあります。

  • 規則正しい生活リズムを作って、自律神経のバランスを整える
  • なるべく日常の中で運動して、新陳代謝が落ちないようにする
  • 起床時は横になっている状態から急に起き上がらず、ゆっくりとした動作で起きる

加齢とともに代謝が落ち、不規則な生活で自律神経のバランスが悪くなると、立ちくらみなどの症状が現れます。

現代はさまざまな娯楽商品やコンテンツがあり、食事面でも砂糖や塩が多すぎるお菓子、脂肪分が多い外食などに取り囲まれています。
自分の生活習慣を乱すものには、中毒性があることを理解して、少しずつそのようなものと距離を取ることで体は次第に変化します

夜更かししない、ジャンクフードを食べる回数制限をもうける、なるべく階段で昇り降りするなど、日常のすこしずつの変化が立ちくらみ予防になりますので、ぜひ今日から生活に変化をつけてみてはいかがでしょう。

記事についてお気づきの点がございましたら、
編集部までご連絡いただけますと幸いです。

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監修医 知久 正明 (ちく・まさあき)
メディカルチェックスタジオ東京銀座クリニック院長・医学博士

病気になる前に治すという『未病』を理念に掲げていきます。循環器内科分野では心臓病だけでなく血管病まで診られる最新の医療機器を備えたバスキュラーラボで、『病気より患者さんを診る』を基本として診療しています。

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