2022/05/11 ( 公開日 : 2022/02/04 )

脳卒中で要介護になると時間・費用はどのくらいかかる? 逸失収入にも注意!

編集部コラム
時間 脳卒中 費用
この記事は約6分で読めます
脳梗塞やくも膜下出血など、体に障害を残すことが多いとされる脳卒中を発症すると、どのくらいの費用がかかるのかご存知ですか? 脳卒中はがんなどよりも入院日数が増えることが多く、かかる費用も高額になりがちです。この記事の中では実際に介護を体験された方の統計から得られた情報をご紹介いたします。
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目次

脳卒中は発症させないことが重要

脳梗塞やくも膜下出血などの脳卒中は、発症すると高い確率で死亡、もしくは介護が必要となる障害が体に残ってしまいます。
その割合は、死亡する確率も3人に1人程度、障害が残る確率も3人に1人程度といわれています。
つまりこのことが意味しているのは、一度でも脳卒中を発症すると、無傷でもとのように仕事やプライベートを過ごせる方が3人に1人程度であるということです。

介護にかかる期間はどのくらい?

では、実際に脳卒中の発症によって要介護になられた方に、介護者はどの程度の費用と時間をかけているのでしょうか?

実際に介護をされた190人の方にアンケートを取ったところ、介護が続いた期間は以下のようになりました。

「1年以上5年未満(43.5%)」と回答した方が最多でした。以降は「1年未満(20.9%)」が続いています。
特出すべきは、全体の3割以上が5年以上の介護を行っている点でしょう。

では次に、実際に介護をされていた方は、1日にどのくらいの時間を介護にあてていたかを見てみましょう。

結果としては、「3時間未満(44.0%)」、「3時間以上6時間未満(25.7%)」が多い結果になりました。
こちらの結果では、6時間以上の介護を行っていた方が3割以上みられ、中には15時間以上と回答された方も全体の1割程度いました。

ニュースでも介護疲れの話がよく話題に上っています。
今回のアンケートでも、実際に長時間の介護を経験されている方が多くみられました。

介護にかかる費用はどのくらい?

では、次に介護にかかる費用面についてもみていきましょう。

かかる費用としては「100〜300万円未満(32.5%)」が最多でした。
続いて「100万円未満(25.7%)」となっています。
しかし無視できないのは、300万円以上の費用がかかっている方が全体の4割にのぼることです。

脳卒中の入院でかかる費用は?

脳卒中の初期には入院費がかかりますが、こちらは介護にかかる費用とは別途で必要な出費です。
脳卒中で入院する場合には、がんなどよりも入院日数が延びることが多いため、入院費も高額になります。

表1 生活習慣病と合併症
疾患名 1入院費用 推定の自己負担額
(3割負担)
胃がん 916,914円 275,074円
気管支・肺がん 853,115円 255,934円
脳梗塞 1,738,537円 521,561円
脳出血 2,449,730円 734,919円

※ 公益社団法人全日本病院協会「医療費」重症度別2020年10-12月分をもとに作成

脳卒中の入院費ががんなどの疾患の入院費より高くなる理由には、脳卒中ではリハビリで体の機能をもとに戻すプロセスが必要であることが関係しています。
リハビリが長引くことから入院日数が増え、最終的に負担する額も増加する傾向にあるのです。

また退院してからも、障害が残った場合には引き続きのリハビリも必要となります。
そして上記の表では入院に伴うこまかい費用(病院までの交通費、外食費、タオルや着替えなどの費用など)や、退院後に自宅で必要となる設備費なども含まれていません。
これらをさらに考慮すると、負担額も増えることが予想できます。

2025年以降は医療費が上昇?

日本の医療費は国民皆保険制度に支えられており、治療や薬にかかる自己負担額は抑えやすくなっています。
しかしながら、2025年には団塊の世代(1947~49年生まれの方)が後期高齢者になるため、医療費が急激に上昇するのではと予想されています。

この場合、表1の自己負担額よりも、さらに支出額が増えることが懸念されているのです。

記事についてお気づきの点がございましたら、
編集部までご連絡いただけますと幸いです。

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