2021/11/29 ( 更新日 : 2021/12/16 )

心筋梗塞ってどんな病気? 原因、症状、応急処置方法などについても解説

症状
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心筋梗塞はなぜ起こるのか、どのようにすれば予防ができるのか。もしも心筋梗塞の方を見かけたときには何ができるのか。死因の上位にもくる心筋梗塞について、正しく知って正しい予防を心がけましょう。この記事の中では、心筋梗塞の押さえておきたい基本をご紹介いたします。
目次

心筋梗塞とは?

心臓を動かす筋肉へは、冠動脈が酸素と栄養を供給しています。
その血液が通る血管(冠動脈)がなんらかの原因で狭くなることや、詰まることで起こる病気を「虚血性心疾患」とよびます。
心臓に十分な血液が通っていない状態です。

血液が通わなくなって酸素の供給がなくなってしまうと、最終的には心臓の筋肉が酸欠で死んでしまいます。
細胞が死んでしまった状態を「梗塞」と言い、心臓で起これば「心筋梗塞」とよばれます。

死因の上位にもなる重大な病気のひとつで、一刻を争う事態であることを覚えておきましょう。

心筋梗塞の主な原因

動脈には勢いよく血液が流れていて、微小な成分が衝突してもなるべく傷つかないような柔軟性があります。
傷がついてもすぐに修復されるのですが、あまりに傷をたくさん負ってしまうと、徐々に柔軟性が落ちてしまいます。

修復に使用されるコレステロールが余計に溜まってしまうことも原因のひとつです。
また血圧が高ければ、それだけ勢いよく血液が流れるために血管が傷つきやすくなってしまいます。

こうして血管の柔軟性が落ちた状態になっていくことを「動脈硬化」といいます。
心筋梗塞の原因としてはもっとも一般的ですが、日々の生活で予防もしやすいです。
ぜひ日常生活を見直して、心筋梗塞の予防につなげましょう。

心筋梗塞の症状

多くみられる症状としては胸や背中の強烈な痛みが挙げられます。
心臓の機能低下により、血液がうまく巡らない状態で、顔面蒼白や意識混濁などの症状もあります。

心筋梗塞の場所や大きさによっては痛みが出ないことや、肩や歯が痛む(関連痛)などの症状が出る場合もあります。

心筋梗塞の診断方法

心臓に重大なことが起こった場合には、さまざまな検査を行ったうえで心筋梗塞の診断へとつなげます。
他の心臓疾患などと治療方法が異なることもあり、しっかりと鑑別をする必要があるのです。
そのために用いられる、一般的な検査方法についてご紹介します。

心電図検査

心臓は上から下へ電気が流れることで一定のリズムを保っています。
ところが心筋梗塞が起こった場所では細胞が死んでしまっているので、正常に電気を伝えることができません。
そのため心電図検査の波形には心筋梗塞に特徴的な波形が描かれます。
おおまかな心筋梗塞の場所を推測することもできます。

血液検査

一般的にオーダーされる血液検査の中では、CK(クレアチンキナーゼ)やLDH(乳酸脱水素酵素)など、細胞の破壊にともなって上昇する項目を参考にします。
心筋梗塞を疑う場合には「心筋マーカー」という心筋梗塞に特化した測定を行います。

胸部X線検査

胸部に放射線を照射して撮影をする画像診断です。
肺など心臓のまわりにある臓器が心臓に対して影響を及ぼしていないか確認するためにも用いられます。
角度を変えて複数枚の写真を撮ることがあります。

心エコー検査

みぞおちのあたりから超音波をあてて、跳ね返ってきた音波を画像化する検査です。
心筋梗塞によって壊死した心臓の筋肉の場所を特定できます。

心筋シンチグラム検査

心筋に多く集まる性質のある医薬品(放射性医薬品)を投与して、その放射線量を特殊なカメラで撮影します。
被ばくのリスクはCT検査などと同程度ですが、心筋梗塞の場所や範囲などを詳しく調べることができます。

冠動脈造影検査

足の付け根などの血管からカテーテルという細い管を入れて、冠動脈に「造影剤」とよばれる薬を注入します。
その状態でX線撮影をすると造影剤が強調されて写るので、どの血管にどの程度の狭窄があるかが確認できます。
もしも心筋梗塞が見つかった場合には、そのままカテーテル治療に進むことができる利点もあります。

心筋梗塞の治療方法

心筋梗塞は命に関わる大きな病気ですが、早期発見や適切な処置によって治療へとつなげることができるともいえます。
ここでは代表的な心筋梗塞の治療についてご紹介。

ステント手術

ステントは中空網目状の医療機器で、内側から血管を広げた状態で固定することができます。
太ももなどの血管から冠動脈にカテーテルを通し、狭くなった部分でバルーンを膨らませてステントを留置します。

バイパス手術

詰まってしまった血管を迂回するようにバイパスを作る治療法です。
手足の血管などを用いて縫い合わせる手術を行うことが一般的ですが、将来的には人工血管が利用できるように研究が進んでいます。

薬物治療

心筋梗塞の程度によっては、薬物による治療を行うこともあります。
「ベータ遮断薬」「硝酸薬」「アルファ遮断薬」「長時間作用型硝酸薬」の4種類が主に用いられます。

心筋梗塞の応急処置方法

心筋梗塞で亡くなる方の割合でいうと、約50%の方が発症から1時間以内に命を落としてしまいます
多くの場合では、心臓の電気信号がちぐはぐになって、心臓がうまく動かなくなること(心室細動)が原因となります。
逆にいうと心筋梗塞の発生からすぐに処置ができれば、それだけ助かることがあるともいえるのです。

心臓マッサージ(胸骨圧迫)

両手を患者さんの胸骨の上に重ねて、肘を伸ばして手首からの力がしっかりと伝わる体勢を取ります。
1分間に100回~120回のペースで、胸が5センチほど沈むくらいの強い力で押します。
この処置によって、心臓が失ったポンプ機能を補助することにつながります。

AEDを使用する

「自動体外式除細動器」とよばれる医療機器で、ショッピングモールやデパートなどにも多く設置されています。
自動的に心電図を解析し、電気の刺激を与えて心臓の電気の流れを整える方法です。

救急車が到着するまでの時間に、素早くこれらの救命処置が施されるかによっても救命率は大きく変わってきます
消防署や公的機関でも救命措置の講座などが多く開催されています。
みなさまができる命を救うための方法です。ぜひそうした講座も利用しましょう。

心筋梗塞の予防法

心臓の血管の状態は生活習慣によってリスクが変動することが知られています。
とくに肥満傾向の方は高血圧や脂質異常症、糖尿病などの高リスク要素を多く罹患がちです。過度な肥満は是正が勧められます。

他にも日常生活で気を付ける点があります。

食事を見直す

塩分の多い食事は高血圧につながりやすいため、過度な食塩接種は控えましょう
また油分の多い食事や炭水化物の多い食事のかたよりも心筋梗塞のリスクといえます。
野菜もしっかりと摂り、バランスのよい食生活へと見直しましょう。

適度な運動をする

ウォーキングやジョギングなどの、軽い運動を習慣づけることも大切です。
30分程度の有酸素運動を週に3日ほど行うことで、筋力低下の予防にも期待ができます。
しっかりと水分補給をして、楽しく運動ができる習慣は生活の質の向上にもつながるでしょう。

禁煙する

タバコに含まれる成分は血管を収縮させるため、心筋梗塞のリスクを上昇させてしまいます。
他のさまざまな病気のリスクともなりますので禁煙をしましょう。

定期的に検診を受ける

採血、頸動脈エコー、心エコーなど、定期的に検診を受けることで、ご自身の体の状態を確認することが大切です。

病気の早期発見だけではなく、生活習慣の乱れの改善、重大な病気の予防など、受診によって得られる健康への意識向上にも期待ができます。
ぜひ定期的な受診をおすすめします。

気になる方は、即日予約・受診可能です。
所要時間10分、検査は3分の「CT肺・心血管ドック」

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監修医 伊藤 晴紀(いとう・はるき)

メディカルチェックスタジオ新宿クリニック・医学博士
同じ病気でも、患者様ひとりひとり治療方針は違ってきます。それぞれの生活やバックグラウンドに合った医療を提供できるよう心がけております。
患者様が健康で長生きできるよう、診断・治療だけでなく、最新の医療知識を織り交ぜながら診察しております。

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