2024/02/08 ( 公開日 : 2024/02/08 )

つらい気持ちやストレスを和らげる「認知行動療法」とは?セルフで実践できる方法も解説!

編集部コラム
ストレス メンタルヘルス 認知行動療法
この記事は約8分で読めます
つらい気持ちが続いている。ストレスにさらされていてしんどい。そんなお悩みはありませんか? そこで今回は、つらい気持ちやストレスの軽減に効果があり、さまざまな心の病気の治療にも用いられる「認知行動療法」について解説します。 「療法」というと、専門的で難しいイメージがあるかもしれませんが、実はセルフでも実践しやすいことが、認知行動療法の特徴です。日常生活におけるさまざまな困りごとの解決に、本記事をお役立てください。
目次

認知行動療法とは?

認知行動療法(Cognitive Behavior Therapy: CBT)とは、日常生活で起きているさまざまな困りごとやストレスを整理し、認知や行動に働きかけることで、気持ちをラクにする心理療法です。
認知と行動とは、それぞれ以下のようなものを指します。

認知 考え、信念、記憶、イメージ
行動 振る舞い、活動、習慣 など

認知行動療法では、自分の問題がどのような悪循環によって続いているのかを理解し、その悪循環を生む思考のクセや行動パターンを変容させていきます。
日常のストレスや悲しみ、不安などのさまざまな負の感情を緩和させるのに効果的なため、最近ではビジネスやスポーツ、教育などの領域でも取り入れられている考え方です。

つらい気持ちを生じさせる原因、自動思考とスキーマ

認知行動療法で扱う「認知(=考え)」は、「自動思考」と「スキーマ」に分けられます。それぞれについて見ていきましょう。

「自動思考」とは、ストレスを感じるできごとがあったときに頭にパッと浮かぶ考えやイメージのことです。
例を挙げてみましょう。

状況 友人に食事の誘いのメールを送ったが、しばらく返信がない。

こうした状況で、「嫌われているのかな」と不安に思う人もいれば、「なんで無視するんだ」と怒りを感じる人、「忙しいんだろうな」と特に何も感じない人もいます。
同じ出来事や状況でも人によって感じ方が違うのは、自動思考が影響しているからです。
私たちの感情に影響を及ぼすのは出来事や状況そのものではなく、考えがフィルターのような役割を果たすことでさまざまな感情が生じます。

人によって自動思考が異なるのは、その背景にある「スキーマ」が大きく影響しています。
スキーマは幼少期の経験や環境によって形成され、その人の中に当たり前に存在する価値観のようなものです。

例に挙げた状況において、自動思考で「嫌われている」と考えてしまう場合は、背景に「自分には価値がない」などといったスキーマが存在している可能性があります。

認知行動療法では、こうした自分の思考のクセに気づき、特定のパターン以外の考えを探すことで、物事を柔軟に捉えて行動できるようになることを目指します。

セルフ認知行動療法のやり方

認知行動療法には、さまざまな技法があります。ここからは、自分ひとりでも実践しやすいセルフ認知行動療法のやり方をご紹介していきます。
セルフ認知行動療法におすすめの技法は以下の3つです。

  • ・行動活性化
  • ・認知再構成法(コラム法)
  • ・リラクセーション法


セルフ認知行動療法は、さまざまな手段で実践することができます。
ここからは、セルフ認知行動療法のやり方をご説明します。興味のある方はぜひ取り組んでみてください。

セルフ認知行動療法①行動活性化

行動活性化は、気分と行動の関係性に着目したアプローチです。気分と行動はお互い影響を与え合っています。

たとえば、ポジティブな気持ちのときは、社交的な場に出向きたくなったり、遠出をしたくなったりすることが多いと思います。一方、憂うつな気持ちのときは、人と会いたくなくなってしまったり、思うように体が動かないと感じたりすることもあるはずです。このように、気分の良し悪しによって、行動は大きく影響を受けます。

反対に、行動が気分に影響を与えることもあります。例えば、憂うつな気分のとき、家にこもっているとより落ち込みが強くなったことがあるかもしれません。逆に、少しでも動いてみると、意外と新しい発見があってそれが自信に繋がることもあります。

このように、気分と行動は互いに影響を及ぼし合っており、且つ、気分よりも行動の方が自分の力で変化させやすいと言われています。

行動活性化では思い切って行動パターンを変え、元気が出たり楽しさを感じられたりするような行動を増やすことで、落ち込みに繋がるネガティブな認知を修正し、本来の自分を取り戻していくことを目指します。

大切なのは、まず行動してみること。それができたら「試すことができたからOK」と自分を認めてあげましょう。さらに記録をつけることで、どんな行動が自分の気分に変化をもたらすのかを見つけることができます。ポジティブな気持ちになれる行動を続けることで、憂うつな気持ちが和らぎます。


以前は外出を避けていた人でも、思い切って行動してみると「外出は楽しい」と思えるようになることがあります。それは行動活性化が進んでいる証拠です。

体が重いときや、なんとなく憂うつなときは、無理のない範囲で「ルーティーン」に設定した行動に取り組んでみてくださいね。

セルフ認知行動療法②認知再構成法(コラム法)

認知再構成法とは、気持ちが動揺したときに瞬間的に頭に浮かぶ自動思考に着目し、自分の思考のパターンに対して別の見方を探すことで、考え方の幅を広げていく方法です。
認知行動療法の中でも、自動思考に直接アプローチし、自分を苦しめる過度にネガティブな思考から抜け出すのに役立ちます。
実践する際には、「コラム法」と呼ばれるワークシートを使って、落ち込んだり不安になったりしたときの自分の考えや感情を書き出します。

コラム法には、「3コラム法」「5コラム法」「7コラム法」の3つの種類があります。それぞれ質問事項の数が異なるため、ご自身の好みや使いやすさに応じて活用してみてください。

ここでは、全ての項目を網羅している「7コラム法」について、やり方を見てみましょう。

  • 1.【できごと】気持ちが動いたときに起きたできごとを書き出す
  • 2.【感情】沸き起こった感情を一言で表し、数字でその強さを示す
  • 3.【考え】そのとき頭の中にパッと思い浮かんだ考え(自動思考)を書く
  • 4.【根拠】その考えを裏づける事実(根拠)を探す
  • 5.【反証】その考えと矛盾する事実(反証)を探す
  • 6.【別の考え】根拠と反証をふまえて、3で書いたものとは別の考えを見つける
  • 7.【その後の感情】別の考えを見つけたことで起きた感情の変化を示す


不安を感じたときに記録を続けることで、自分の思考のクセを知り、考えの幅を広げて物事を柔軟に捉える力を育てることができます。

もっとも手軽にできる「3コラム法」で、自分の考え方のパターンを掴むところから始め、質問の数が少ないほうが書きやすい場合は「5コラム法」、いきなり他の考えを見つけるのが難しいと感じる場合は「7コラム法」と使い分けるのがおすすめです。

セルフ認知行動療法③リラクセーション法

リラクセーション法は、体と心が互いに影響し合う仕組み(心身相関)を利用し、体をゆるめていくことで、ストレスによって生じる心への影響(ストレス反応)を緩和する方法です。呼吸法、自律訓練法、漸進的筋弛緩法など、さまざまな種類があります。

練習を続けていくことで、慢性的な緊張・不安をゆるめ、リラックスを貯めていくことができます。

まずは一日に一回、寝る前のリラクセーションを習慣化し、体から心の緊張に働きかけてみましょう。

記事についてお気づきの点がございましたら、
編集部までご連絡いただけますと幸いです。

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