2022/07/20 ( 公開日 : 2021/06/17 )
コロナウイルスの後遺症とは? 長期化する理由と炎症反応の仕組みについて
コロナウイルス後遺症はどんなものが?
コロナウイルスに感染した患者の中には、長く続く後遺症に悩まされている方が多くおられます。
まだ新しい疾病のため割合で明確に測るのが難しい面もありますが、一説にはコロナウイルスに感染の後、陰性になってから3ヶ月が過ぎても5〜10パーセントほどの方になんらかの症状が残っているようです。
また、発症当初にはなかった症状も、時間が経つと見られることもあります。
主な後遺症としては、以下のものが挙げられます。
- 倦怠感・気だるさ
- においや味の感じにくさ(味覚障害)
- 思考、考えることの難しさ
- 咳・喉の違和感
- 呼吸の難しさ
- 脱毛
- 体の痛み
- 脳機能の低下
- 微熱(断続的に続く場合もある) など
後遺症の診断方法はある?
コロナウイルスに関しては、重傷者を増やさないための対応がメインで行われています。後遺症に関しては、どうしても対応が後回しになるため、まだそこまで知見が溜まっていません。
しかし、メカニズムは一部明らかになっています。
よって、体に現れている症状や、ウイルス感染から継続していた症状、またウイルス感染前に元々持っていた疾患を手がかりとして、後遺症かどうかを診断していきます。
なぜコロナの後遺症は長引くの?
炎症反応が後遺症の原因
コロナウイルスは人体のさまざまな部分に影響を及ぼしますが、特に肺や血管の内側にある受容体(細胞の外からやってくるものを選択的に受け入れるタンパク質のこと)にくっ付くことが知られています。
ですから、肺はもとより、心臓や脳など様々な器官が強い影響を受けます。
ウイルスに感染すると体内では炎症反応が起こるわけですが、それに伴うかたちで「サイトカイン」という化学物質が産まれます。
免疫細胞は異物が体内に侵入してくると、炎症性のサイトカインを誘導することで生体の炎症を促します。
しかしコロナウイルスに感染した場合には、この炎症性サイトカインが過剰に分泌されることになり、体内で炎症が発生するのです。
コロナウイルスの影響が長期化するのは「体内の恒常性を維持しようとして、体の免疫がずっとウイルスと戦い続けているから」と言っても過言ではありません。
感染後に無症状だった方にも影響あり
また、上記のプロセスによって血液が固まりやすくなり、血栓が発生することがあります。
血栓によって臓器へと血液が供給されにくくなると、臓器にはダメージが蓄積されることにつながります。
コロナウイルスに感染した初期は症状が軽かったとしても、50日後・100日後に異変が起こることもあるわけです。
ですから入院せずに済んだ方でも、肺・心臓・完動脈・脳などに影響を受けている可能性は十分に考えられます。
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