健康面でのリスク管理はできていますか? 知久先生にインタビュー
今回は、メディカルチェックスタジオ東京銀座クリニックの知久正明先生にお話を伺いました。2023/02/07 ( 公開日 : 2023/02/07 )
健診と検診の違いは? 家系に多い病気が気になる方は自分でリスク管理を!

健診と検診の違いは?
新年度には会社から「けんしん」を受けてください、といわれることは多いかと思います。
この「けんしん」という言葉には、「健診」と「検診」があるのをご存知でしょうか?
健診は文字をみてわかるとおり「健康診断」のことで、自分の健康状態を確認して病気の予防をすることを目的としています。
これに対して「検診」というのは、特定の病気を発見するために行う検査のことです。
一般に年齢が上がれば上がるほど、体は長年の生活習慣の乱れや不摂生によって病気を発症しやすくなります。

検診の中でも「がん検診」はもっとも知られていますので、受けようかどうか迷ったことがある方も多いのではないでしょうか。
体の異常に気づくための「健診」
健康診断はみなさん学校でも職場でも受けているでしょう。
健康診断でも多く受けられているものは「一般健康診断」と、「特定健康診断」のふたつです。
一般健康診断(一般検診、定期検診)とは?
一般健康診断は、国が事業者に対して労働者に年一回の定期健康診断への受診を義務づけているものです。(※「労働安全衛生法」に基づいた健診です)。
目的としては、おもに健康状態の維持と、早期に病気を発見することが挙げられます。
◇検査項目
身体検査
血液検査
胸部X線
尿検査 など
労働者を新たに雇うときにも、年に一度の健康診断の受診(もしくは以前の職場で受けた健康診断結果の提出)をすることが必要とされています。
費用としては無料もしくは低額で、検査項目も少なく1時間程度ですべてが終了します。
特定健康診断(一般検診、定期検診)とは?
特定健康診断は2008年からできた健診で、メタボリック症候群やその予備軍と呼ばれるような方を減少させることを目的としてスタートしました。
対象者は40〜74歳の方で、厚生労働省の統計によれば2020年度の受診者数は2,900万人程度です。
特定健康診断はメタボリックシンドロームに焦点を当てた健診で、糖尿病などの生活習慣病を予防する保健指導が必要な方を見つけ出すために実施されています。
通称で「メタボ健診」とも呼ばれているのはそのためです。
◇検査項目
身体検査(腹囲の測定)
血圧測定
血液検査
問診(薬や喫煙、食事や運動について)
特定健診によって生活習慣病を発症する可能性が高い、なおかつ生活習慣を改善することで予防できると判断された場合には、特定保健指導を専門のスタッフから受けることができます。
男性は腹囲が85cm以上で女性は90cm以上、さらに「高血糖」「脂質異常」「高血圧」になっているかどうかを鑑みて、それぞれのリスクに対しての保健指導が行われます。
🗒 メモ
特定保健指導では「動機付け支援」と「積極的支援」がありますが、どちらも各人のライフスタイルにあった目標を立てて、実行に移せるように保健師の方などが手伝いをしてくれます。
具体的には個別面談やグループ学習ののちに、電話などで生活習慣を改善できているかをフォローアップするという形となることが多いです。
未病のうちに気づくための「検診」
検診は特定の病気を発見するために行うものですが、ここでは対策型がん検診と任意型がん検診についてご説明いたします。
対策型がん検診
対策型がん検診には、胃がん、肺がん、大腸がん、子宮頸がん、乳がんがあり、早期発見を目的として自治体が一定の年齢範囲の方に向けて検査を推奨しているものです。
自己負担額は400〜1,000円程度になることが多いです。
任意型がん検診、人間ドック、脳ドック
未病(まだ病気になっていないけれど、それに近づきつつある状態)の段階で、早期発見・早期治療をする目的での、任意の健康診断を代表するのが、人間ドックです。
人間ドックではこれまで説明してきました、一般検診や特定健診の内容を踏まえたうえで、さらにCTやMRI装置を使って、より詳しい画像検査を行います。
男性/女性特有の病気の検査、心臓の検査、脳の検査(脳ドック)など、多くの検査があります。


膵臓がん(膵がん・すい臓がん)とは? 症状、検査方法、生存率などについて解説
膵臓がん(膵がん)は症状が出にくく、早期発見することが難しいとされるがんです。進行する速度は早く、がんが発見された場合には治療ができないケースも多いがんです。膵臓がんを早期発見するには定期的な検診が必要です。この記事の中では膵臓がんの特徴や、発見するための検査について解説いたします。
前立腺がんとは? 症状、原因、検査方法、見つかった時にどうすればいいかを解説!
前立腺がんは尿や精液の通り道である前立腺にできるがんです。進行すると排尿状態に影響を与えたり、リンパ節や他の臓器に転移を起こして生活の質に影響を及ぼし、場合によっては命に関わります。しかし早期発見・早期治療を行うことで根治することもできます。この記事の中では前立腺がんで現れる症状や発見のための検査方法を解説いたします。
子宮/卵巣のがんは初期症状がない? 若いうちから定期的な検診をすすめる理由
代表的な女性特有のがんとして、子宮(頸部・体部)と卵巣にできるがんがあります。子宮がんや卵巣がんは原因も発症ピークの年代も異なっているのはご存知ですか? 記事の中では、20代の方から60代以上の方まで、知っておいて欲しい女性特有のがんについて詳しくまとめています。家族や親戚に多い病気には要注意

遺伝的に家族や親戚の方に多い病気、というものはあると思います。
対策型がん検診は日本国民全員にとって、最大公約数的に価値が高いとされているために、現在は5種類用意されています。
もしご自身の家系として多いがんや疾患が、対策型がん検診でも対象になっていない場合には、任意型の検診を受けることをおすすめいたします。
編集部までご連絡いただけますと幸いです。
ご意見はこちら
気になる方は、即日予約・受診可能です。
30分での脳ドック検査「スマート脳ドック」

24年間の病院勤務ののち、スマート脳ドック立ち上げのためにスマートスキャンに参画。医療データ読影部兼、メディカルチェックスタジオ新宿・銀座にて技師として勤務中。
「受診者さま目線を大切にして、日々の業務に努めて参ります。」
こちらの記事もおすすめ

知っておきたい脳ドックの補助金・助成金制度 思っていたよりずっと安く受診できるってほんと?

脳ドック受けてみた! 各種メディアさま スマート脳ドック | 体験レポート

頭部MRI検査で副作用は出る? 造影剤を使用する際のリスクについても説明

こわい/こわくない頭痛とは? 脳梗塞は頭痛を感じないってほんと? 知っておきたい頭痛の分類

がんは遺伝する? 遺伝しやすいがんの種類や予防方法について解説

頭のたんこぶって大丈夫?! 頭痛や吐き気を引き起こす頭部外傷とは?

話題のオートミールは健康にいいの? 栄養素や種類についても解説!

歳をとっても脳の若さを保つには? スーパーエイジャーから学ぶ習慣

寝不足はどんなリスクがあるの? 睡眠がもたらす脳の影響について解説!

健康面でのリスク管理はできていますか? 知久先生にインタビュー

中小企業の経営者が恐れている病気は? 脳ドックを受けたことがある人はどのくらい?

つらい気持ちやストレスを和らげる「認知行動療法」とは?セルフで実践できる方法も解説!