2022/05/12 ( 更新日 : 2022/05/13 )

女性特有のがん(子宮がん・卵巣がん)とはなにか? 症状、原因、診断方法について解説いたします!

症状
がん 検診
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代表的な女性特有のがんとして、子宮(頸部・体部)と卵巣にできるがんがあります。子宮がんや卵巣がんは原因も発症ピークの年代も異なっているのはご存知ですか? 記事の中では、20代の方から60代以上の方まで、知っておいて欲しい女性特有のがんについて詳しくまとめています。
目次

子宮/卵巣がんについて

子宮と卵巣は女性の生殖器の主要な構成要素で、女性ホルモンの分泌、卵子の生成、妊娠、出産など女性特有の働きを担っています。
女性器のがんを理解するためには、子宮頸部(子宮下部に当たる筒状部分)、子宮体部(子宮上部に当たる袋状部分)、卵巣の3箇所に分けて考える必要があります。

子宮頸がん

子宮頸がんは、子宮の入り口に発生するがんです。このがんはおもにヒトパピローマウイルス(HPV)が感染することで発生するもので、女性生殖器の中では子宮体がんについで発生頻度が多いとされています。
近年20〜30代で発症が増えており、30代後半が発症のピークとされています。

子宮体がん

子宮体がんは、子宮の内側の子宮内膜から発生するタイプのがんです。
内膜は生理で剥がれ落ちることで変わっていくため、生理がある年代での発生は少ないです。
生理が終わった、50〜60歳代でもっとも多くなります

卵巣がん

卵巣がんは、卵巣に発生するがんです。
卵巣がんは発生する場所によって、上皮性・胚細胞性・性索間質性などの分類がありますが、9割以上が上皮性のがんです。
また卵巣に発生する腫瘍には、良性、悪性、その中間に当たる境界悪性のものがあります。
卵巣に腫瘍が見つかったからといって、すべてが卵巣がんとは限らないです。

年齢別にみると、卵巣がんは40歳代から増加し始め、50〜60歳代でピークを迎えます。

子宮/卵巣がんに症状はある?

子宮頸がんの症状

子宮頸がんは、がんになる前の状態(異形成といわれる)を何年も経てから、がんになります。
この異形成の時期では、症状として出るものはありません

子宮頸がんとなっても初期に症状が出現することはありません。
子宮頸がんが進行すると、月経中ではないときや性交時の出血、濃い茶色や膿(うみ)のようなおりものが増える、水っぽいおりものや粘液が多く出ることがあります。
この状態からさらに進行した場合には、下腹部や腰に痛みが出て、尿や便に血が混じることもあります。

子宮体がんの症状

子宮体がんで自覚症状として最も多いのは不正性器出血(月経以外の性器からの出血)です。
閉経後あるいは更年期に出血がある場合は特に注意が必要となります。肥満傾向で若いときに月経不順があった場合なども注意が必要です。

子宮体がんも進行した場合は子宮頸部や卵巣に浸潤することがありますので、子宮頸がんや卵巣がんでみられるような症状をきたす場合もあります。

卵巣がんの症状

初期の段階では自覚症状はほとんどありません。
下腹部のしこりなどに違和感を覚えて受診した結果、がんが見つかることがあります。
大量腹水をきっかけに見つかることもあり、その場合は腹部圧迫感や膨満感、食欲減退などが起こります。
腫瘍が大きければ、捻転や破裂を起こし強い下腹痛をきたすことがあります。

がんが進行した場合には、卵巣腫瘍が膀胱や直腸と一塊となり、頻尿や便秘が起きたり、足がむくんだりすることもあります。

子宮/卵巣がんの原因は?

子宮/卵巣がんの原因としては、以下のものがあります。

がんの種類と原因
がんの種類 原因
子宮頸がん ほとんどがヒトパピローマウイルス(HPV)の感染が原因。性的接触により子宮頸部に感染する。HPVの型により進展のリスクや進行のスピードが異なる。
子宮体がん エストロゲン(子宮内膜を増殖させる)とプロゲステロン(子宮内膜の増殖を抑制する)という2つの女性ホルモンが関係。
バランスが崩れてエストロゲンが過剰になると発生するといわれている。
肥満、月経不順、排卵回数が多い(出産経験がない、初経が早い、閉経が遅い)などもリスク因子。
卵巣がん 直接的な原因は不明。
遺伝的な要因、肥満、排卵回数が多い、子宮内膜症もリスク因子。

子宮/卵巣がんの診断方法は?

子宮/卵巣のがんの診断には、触診・内診(直腸診)、細胞診、超音波検査、血液検査(腫瘍マーカー)、MRI検査などをおこないます。
確定診断をつけるためには、子宮頸部および子宮内膜の組織を採取して病理学的にがん細胞の有無を確認することが必要です。
卵巣組織はお腹をあけないと採取できないため、手術によって組織を採取する場合があります。その場合は診断と治療が同時となります。

触診、内診(直腸診)

子宮や卵巣の状態を腹部の触診や、腟から指を入れて調べる内診で確認します。
また、直腸や周囲に浸潤がないかを確認するために肛門から指を挿入する直腸診を行うことがあります。

細胞診

子宮頸部および子宮内膜を擦って細胞を採取し検査に提出して、良性か悪性かを判断します。卵巣は腹腔内からしか細胞を取ることができないため検診レベルでは細胞診を行うことはできません。
子宮頸部細胞診は、一定集団の死亡率減少効果があると証明されているため子宮頸がんのスクリーニングとしては非常に有効です。

超音波検査

子宮、卵巣を観察するために、腟や肛門に超音波器具を挿入して検査をおこないます。
性交経験がない場合はお腹から超音波検査をおこなう場合もありますが、検査の精度はやや落ちます。
子宮や卵巣の腫瘍性病変の有無、子宮内膜肥厚の有無を確認します。
また、卵巣腫瘍の性質、状態、大きさを調べたり、腫瘍と周囲臓器の位置関係を調べることもできます。

血液検査(腫瘍マーカー)

体内にがんが発生すると、通常はほぼみられない、そのがん特有の物質が血液や尿のなかに現れます。この物質を腫瘍マーカーといいます。
子宮/卵巣がんでは、CA125、CEA、CA19-9などを血液検査で測定します。
スクリーニング検査の中で簡単に行うことができるのがメリットです。

CA125は女性特有の疾患リスクに幅広く対応する腫瘍マーカーで、一般的に基準値は35U/ml以下とされてます。
CA125はエストロゲンによって生成が促されるため、生理時に上昇する性質があり、異常値まで上昇することもありますので、生理中の検査は避ける方がいいとされています。

MRI検査(画像検査)

MRIを用いた検査では、骨盤内の病巣を画像化して診断できます。
超音波検査よりも詳細に病変の大きさや広がり具合、周囲臓器との関係性がはっきりわかります

子宮がん、卵巣がん以外にも、子宮筋腫、子宮腺筋腫、子宮内膜症などの婦人科系の病気の発見にも役立ちます。
放射線は使わないため、被ばくの心配はありません。

定期的な検査で早期発見・早期治療を

子宮/卵巣がんは、初期の段階では症状がないことが多いです。
定期的な検査で早期発見することが大切。
早期に治療を開始すれば、がんの広がりが少ない状態で治療をすることができますので、体への負担も抑えることができます。

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監修医 叶谷 愛弓
(かなたに・あゆみ)

東京大学医学部附属病院 女性診療科・産科
助教、産婦人科専門医、医学博士

東京女子医科大学を卒業後、関東労災病院で初期研修。その後、東京大学産科婦人科学教室入局。長野こども病院、虎の門病院、東京警察病院などで修練を積んだのちに現在は東京大学医学部附属病院、女性診療科・産科の助教として勤務。専門は周産期。妊娠中のDHA(ω3脂肪酸)の意義に関する研究で学位を取得。

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