膵臓がん（膵がん・すい臓がん）とは？　症状、検査方法、生存率などについて解説

膵臓は胃の後ろにある長さ20センチほどの臓器です。

おもな機能としては以下のものがあります。

膵臓で発生するがんの約9割が膵管から発生します。
発見される場合には、多くがすでに腫瘤（こぶ、固まりのこと）になっているケースが多いです。

膵臓がんのおもな症状は以下です。

しかしながら、膵臓がんは早期には症状が現れないことがよく知られており、どれも症状が進行した後でわかるものです。

たとえば十二指腸に近い膵頭部にがんが発生した場合には、皮膚や白目が黄色くなる現象や、尿の色が褐色になる現象が起こります。
こうした現象が起きるのは、胆汁の流れ道である胆管をがんが圧迫するなどして胆汁の流れが障害されるためです。

反対に膵体尾部にがんが発生した場合には、腹痛や背部痛が起こることがあります。
これはがんが神経節に浸潤するためにおきます。

膵臓がんの原因として考えられるものは以下です。

さらに注意したいのは、膵管内乳頭粘液性腫瘍（IPMN）と呼ばれるものです。
これは嚢胞性腫瘍と呼ばれる病気ですが、がん化することでもよく知られています。

もし検診でIPMNを指摘された場合には、がん化していないか定期的に画像検査で経過観察をしていく必要があります。

膵臓がんは自覚症状が現れにくく、症状が現れてからの発見ではすでに進行していることが多いがんです。
「地域がん登録における5年生存率」では、膵臓がんは突出して他の部位のがんよりも生存率が低いです。

膵臓がんのリスクは40代から現れはじめ、年齢を重ねるにしたがって増えていきます。男性の方が女性よりも患者数はやや多い傾向にあります。

がん死亡数の順位でも、2020年では男性で4位、女性で3位となっています。

膵臓がんが進行すると、生存率は急激に下がってしまうため、検診で早期に発見することが重要です。