2021/11/16 ( 更新日 : 2021/11/22 )

血圧の正常値とは? 高血圧・低血圧の基準と血圧に関する基礎知識を学びましょう

症状
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20歳以上の国民のうちの、3〜4人に1人は高血圧であるといいます。また高血圧を完全に予防できれば、年間での国内の死者数も10万人減らすことができるといわれているため、健康について考える上では非常に重要な指標のひとつです。この記事の中では、血圧のメカニズムや、高血圧の原因についてご紹介いたします。
目次

血圧のメカニズム

心臓が収縮して血液を送るときの圧力を「収縮期血圧」、心臓に血液が戻り血管が広がるときの圧力を「拡張期血圧」と呼びます。血圧を測るとき前者は一般に「上の血圧」と言われ、後者は「下の血圧」と言われています。

血圧は心臓や血管に影響します。
例えば、水を出す「ホース」をつまむと水圧が強くなるので勢いよく飛び出します。この場合は蛇口にも負担をかけてしまいますので、血圧が高くなると心臓に負担が来るのと同じ状況になります。

また「風船」を膨らませるときに、硬ければ広がりにくく、より空気を入れるのに力を必要とします。このような状態も心臓に負担がかかり心血管疾患を引き起こしてしまいます。

血圧の測定方法

一般的には電子血圧計で測定します。

測定方法
・上腕に測定機能のあるカフ(腕帯)を巻き、動脈の拍動が触れる部位に矢印や〇印などを当てる。
・カフに空気を送り上腕を圧迫して動脈の血流を止める。
・カフの空気を少しずつ抜いて圧を下げていく際に、血管壁に生じる拍動の変化を計測する。
・最初に拍動があったときを最高血圧(収縮期血圧)、拍動が振れなくなったときを最低血圧(拡張期血圧)として計測されます。

正しい血圧の測り方

・カフはゆるすぎず、締めすぎない程度に
・肘を軽く伸ばす
・できるだけ衣服の上からは測らない
・測る時、腕は心臓と同じくらいの高さに
・寒さや暑さを感じない部屋で測る
・トイレを済ませてから測る
・リラックスした状態
・基本的にイスに座った状態
・毎回同じ腕で測る

以上のことが、血圧測定のポイントになります。

血圧の正常値

血圧の評価には病院で測定する「診察室血圧」と家庭などリラックスできる場所で測定する「診察室外血圧」の基準があります。
血圧は、緊張などのストレスの影響を受けて上がってしまう方もいるためです。

今回は診察室血圧をもとにして、正常な血圧を解説します。

血圧は「低血圧」「正常血圧」「正常高値血圧」「高値血圧」「高血圧」に分類されています。

正常血圧:120/80未満
正常高値血圧:120~129/80未満
高値血圧:130~139/80~89以上

※収縮期血圧(mmHg)/拡張期血圧(mmHg)

「正常血圧」と「正常高値血圧」は正常の範囲内の血圧値ですが、「高値血圧」は高血圧に近い状態であるといえます。
治療が必要となる場合があることは知っておきましょう。

高血圧の基準

上の血圧が140mmHg以上、下の血圧が90mmHg以上の場合に「高血圧」と診断されます。

また、先ほども紹介した診察室血圧よりも診察室外血圧の方が5mmHg低い数値を基準として設定されています。
そのため診察室外血圧で、上が135mmHg以上、下が85mmHg以上、診察室血圧で上が140mmHg以上、下が90mmHg以上の場合には高血圧となります。

診察室では基準値を超えていないのに、家で測ると診察外血圧の基準を越えていた場合は「仮面高血圧」と言って、この場合も高血圧に含まれますので、病院を受診することをおすすめします。

原因

高血圧は、「本態性高血圧」と「二次性高血圧」に分類されています。

本態性高血圧は、食塩の過剰摂取、肥満、飲酒、運動不足、ストレスや、遺伝的体質、環境などが組み合わさって起こると考えられ、明確な原因は不明なものを言います。
中でも、食塩の過剰摂取による肥満が大きな割合を占めていると考えられています。

二次性高血圧は、甲状腺や副腎などの特定の病気が原因となっている高血圧のことです。
高血圧値ではないものの、病気によって定期的な血圧の測定や治療を勧められるケースもあります。

リスク

高血圧のリスクについて

・脳出血
・脳梗塞
・くも膜下出血
・狭心症
・心筋梗塞

など、高血圧が原因となって起きる可能性のある病気は数多く存在します。
どれも命の危険がある病気で、高血圧でのメリットはありません。

高血圧は「動脈硬化」を招きやすくします。動脈硬化とは、さまざまな原因で血管が硬くなったり、血管の内腔が詰まりやすくなる状態のことです。高血圧が持続することで、動脈硬化をより進めてしまい、あらゆる臓器(脳、腎臓、肝臓など)の障害を起こしかねません。

改善方法

高血圧の改善には基本として

  • 食生活の見直し
  • 適度な運動
  • 生活習慣の改善

が必要です。

具体的には、以下のことを考えてみましょう。

食生活の見直しの場合

・塩分を調整した食事を取る(一日摂取基準=6g程度)
・野菜・果物をたくさん食べる
・満腹まで食べず、腹八分目に抑える
・飲酒を控える

適度な運動

・ウォーキング
・水泳
・サイクリング

生活習慣の改善

・規則正しく十分な睡眠
・過度に働きストレスをためない
・たばこを控える

低血圧の基準

低血圧については明確な定義はありません。一般的には収縮期血圧が100mmHg未満の場合に低血圧と診断されることが多いです。自身の平均的な血圧とも比較をされます。
病的な低血圧の場合、高血圧と同様に危険を伴うため、早めに病院を受診することが大切になります。

原因

低血圧の原因として

・本態性
・起立性
・神経性
・心臓病
・内分泌の異常
・末期のがん
・胃腸疾患による栄養不良

などが考えられます。

ケガによる大出血や、降圧剤、向精神薬などの薬の作用でも低血圧を起こす可能性はあります。
また、体質的な低血圧のケースもあり、症状がなければ特に問題ありません。問題なのは、急に血圧が下がってしまうケースです。それによって、脳梗塞などのリスクを高めてしまいます。

リスク

血圧が低過ぎると、全身に十分な血液が供給されず細胞が酸素や栄養素を十分に受け取ることができなくなります
それによりめまいや立ちくらみ、朝起きられないといった症状がある場合、日常生活に支障をきたす可能性があります。

他にも不安感、不眠、といった精神的な症状が生じる場合もあるため対策が必要です。病気を疑う場合はすぐに医師の診断を受けることをおすすめします。

改善方法

主な低血圧の改善方法として、

・6-8時間の質の良い睡眠
・適度な運動(有酸素運動+ストレッチなど)
・水分補給を行う

などがあります。

十分な睡眠や適度な運動は、血圧調節を行うホルモンや臓器などの機能を維持・改善が期待できます。また、水分補給を行うことで血液量を増やし、血圧を上げることが可能です。
さらにカフェインの含まれた飲み物を摂ることで、交感神経を活性化して血圧を上げる可能性があるため、おすすめします。

健康習慣として定期的な血圧測定を行おう

血圧測定は自宅でも簡単に行うことができます。定期的に測り、できれば記録しておくことで変化を確認することが大切です。

血圧測定器の購入が難しい場合は、定期的に受ける人間ドックや健康診断で、血圧の数値を確認が必要になります。日々の血圧管理で、自身の体の状態を把握し病気の予防を行いましょう。

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監修医 知久 正明 (ちく・まさあき)

メディカルチェックスタジオ東京銀座クリニック院長・医学博士
病気になる前に治すという『未病』を理念に掲げていきます。循環器内科分野では心臓病だけでなく血管病まで診られる最新の医療機器を備えたバスキュラーラボで、『病気より患者さんを診る』を基本として診療しています。

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