2021/12/06 ( 更新日 : 2021/12/17 )

加熱式タバコ・電子タバコによる健康被害はあるの? 研究データが少ない電子タバコには未知のリスクも

生活習慣
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国内では分煙・禁煙が進みました。さらに従来の紙タバコから加熱式タバコや電子タバコにシフトする人が増加傾向にあります。しかし加熱式タバコや電子タバコは健康への影響やさまざまなリスクがあります。この記事では、具体的な加熱式タバコと電子タバコの健康への影響をご紹介いたします。
目次

加熱式タバコとは?

従来の紙タバコは、タバコ葉を燃やして吸う仕組みであることに対して、加熱式タバコはタバコ葉を燃やさずに加熱することによって、エアロゾルを発生させるものです。
エアロゾルとは、固体や液体、気体の微小な粒子の混合体を言います。エアロゾルにはさまざまな化学物質が含まれています

紙タバコと比較して、含まれた化学物質が少ないものもあれば、同じくらいのもの、もしくは紙タバコよりも多く含まれているものも存在しています。
まだ世に出てから長くないため、安全性は化学的に証明されていません。加熱式タバコによる喫煙はなるべく避けるのが無難です。

健康への影響

加熱式タバコの健康への影響は

・ニコチンによる従来のタバコと同じ健康被害
・新たに考えられる健康被害

の2パターンにわけられます。

加熱式タバコにもニコチンは含まれています。加熱式タバコに含まれるニコチンの量は、紙タバコと比較して50%程度とされています。しかし、ニコチンによる依存を生み出すのには十分な量です。
紙タバコよりも、視覚的な煙の量や消費している感覚が乏しいため、かえって喫煙量が増えてしまうケースも考えられます。
クリーンなイメージで喫煙している方もしくは喫煙を考えている方は、もう一度見直すようにしましょう。

ニコチンによる従来のタバコと同じ健康被害

代表的なものとして

  • 肺がん
  • 心筋梗塞・脳卒中リスクの上昇
  • 呼吸器疾患や喘息
  • 肺気腫の悪化
  • 腹部大動脈瘤

などがあります。

紙タバコの副流煙と同様に、エアロゾルには受動喫煙のリスクがあります。煙量が少なくなっても、化学物質の含まれたエアロゾルは、他人の体内に入り込みます

特に、妊婦の受動喫煙については、低体重児や、妊娠期間に対して小さい胎児の出産、早産につながる可能性があることを知っておかなければいけません。
子どもの受動喫煙については、中耳炎や感染症、乳幼児突然死症候群(SIDS)などを引き起こす可能性があるため、子どもがいる方は特に注意が必要です。

新たに考えられる健康被害

化学物質の吸引が人体に影響を与える可能性があることを説明します。

・ホルムアルデヒド…発がん性物質
・アクロレイン…劇物
・ベンズアルデビド…香辛料などに使われる刺激物質

上記に記載したのは、加熱式タバコに微量に含まれているとされる科学物質の代表的なものです。また、上記以外にも「プロピレングリコール」や「グリセロール」という化学物質も含まれています。
これらは、経口摂取であれば毒性は低いとされています。しかし、加熱式タバコではエアロゾルとなり、さらには高濃度に発生したという報告があります。

紙タバコと比較すると、有害物質の発生量に違いがあり、新たな健康被害も考えられます。まだ長期的なリスクについては、科学的な証明がされていませんが「新しいリスク」について懸念は持っておいて良いと思います。

その他のリスク

国内で禁煙が進んでいますが、加熱式タバコの普及によって、喫煙者数の減少の妨げになっています。また、タバコの使用状況として、紙タバコとの併用で加熱式タバコを使用する人もいる状況です。

どちらの有害物質も、体内に取り入れることによって長期的に新たな健康被害が出てくることも否定することができないところが実情です。

近年、加熱式タバコに関連する研究も多くなされているため、今後もチェックしていく必要があります。

電子タバコとは?

装置内や専用カートリッジ内の液体(リキッド)を電気で加熱して、エアロゾルを発生させる仕組みになっています。電子タバコは加熱式タバコとは異なり、紙タバコは使用されていません。フレーバーを楽しむものとなっています。

日本国内では、ニコチンを含む電子タバコが医薬品医療機器等法(薬機法)にて、禁止されています。そのため、ニコチンを含む電子タバコは現在販売されていません。

世界でも、電子タバコが禁止となっているところは多いですが、電子タバコよりも加熱式タバコの方が、有害だという考え方が多いようです。それにより、加熱式タバコの規制も広まりつつあります。

健康への影響

電子タバコの成分について、食品添加物としても広く使われている「プロピレングリコール」「植物性グリセリン」などが、含まれている化学物質としてメインのものになっています。

どちらとも毒性はかなり低いとされており、食品添加物としては安全性が高い物質になります。しかし、電子タバコでの使用による安全性は保証されていないため、今後とも健康被害が起こる可能性はゼロではありません。

実際に起きたアメリカの事例として

  • 肺障害
  • びまん性肺胞障害
  • 急性好酸球性肺炎
  • 過敏性肺臓炎
  • 巨細胞性間質性肺炎
  • リポイド肺炎

など、実際に電子タバコが原因で発症した病気があります。
発症の原因となる物質は、まだ断定することができていません。
アメリカではニコチン入り電子タバコの販売が許可されていることも原因となっています。

その他のリスク

① 未成年でも購入し使用できる製品のため、混同してタバコ製品に対するハードルが下がる可能性がある。しかし、販売店やメーカーによっては、未成年の購入をNGとしているところが多い。

② 国内の場合、タバコとしての販売許可が不要なため、製品として安全性が不十分なものが流通する可能性がある。

③ 国内の場合、アメリカからの輸入品などで違法にニコチン入りの電子タバコが流通する可能性がある。

④ 違法薬物などの吸引器具として悪用される可能性がある。

このように電子タバコは間接的にも健康をおびやかす可能性を持っています。

加熱式タバコ・電子タバコには命に関わる疾患を引き起こすリスクや未知のリスクが潜んでいる

加熱式タバコ、電子タバコともに健康への悪影響がある可能性は分かってもらえたと思います。
まだ科学的に実証されていないため、適正な治療や重症度が測れないこともあるリスクもあります。リスクをしっかり理解した上で、使用するようにしましょう。

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監修医 知久 正明 (ちく・まさあき)

メディカルチェックスタジオ東京銀座クリニック院長・医学博士
病気になる前に治すという『未病』を理念に掲げていきます。循環器内科分野では心臓病だけでなく血管病まで診られる最新の医療機器を備えたバスキュラーラボで、『病気より患者さんを診る』を基本として診療しています。

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