狭心症ってどんな病気? 生活習慣を見直すことと、定期的な検査が予防の鍵
食生活の欧米化と高齢化社会にともない狭心症をはじめとした虚血性心疾患の患者数が増加傾向にあります。狭心症では心臓への血液が減ることで、胸の苦しさや動悸などの症状が感じられる方が多いです。この記事では、狭心症についてわかりやすくまとめ、狭心症にまつわる検査や治療について解説していきます。2023/12/20 ( 公開日 : 2022/11/11 )
冠動脈石灰化とは? 所見が出たら放置するのは危険です!

冠動脈石灰化とは?
石灰化について
血管は外側から外膜、中膜、内膜という順番で3層構造になっています。

血管に傷が付いて固くなることを動脈硬化といいますが、血管にカルシウムが沈着することは石灰化といいます。
血管が石灰化をしていくと、本来持っている弾力がなくなって硬くなり、血流によるダメージをさらに受けやすくなります。
冠動脈について
心臓はからだ全身に血液を送るポンプの役目があり、大量の酸素と栄養が必要です。
この人体にとってもっとも大切な臓器のひとつである心臓自体を栄養する血管のことを冠動脈といいます。

この冠動脈に石灰化が起こることで、心臓への血液の供給が滞り、血流が減少すると虚血性心疾患につながります。
石灰化が起こりやすいのはどんな人?
以下の方は石灰化が進行している可能性がありますので、注意が必要となります。
- 喫煙
- 糖尿病
- 腎臓病
これらが最大のリスクです。
また、
・高血圧
・脂質異常症
・肥満(内臓脂肪型)
なども原因となります。
喫煙との関係
喫煙習慣がある方は、習慣がない方にくらべてからだ全体で石灰化が進んでいます。
生涯の喫煙量が多ければ多いほど動脈硬化は進行しますので、喫煙量を減らす、もしくは禁煙をおすすめします。
電子タバコならOKと考える方もいるかもしれませんが、タバコの葉を燻らせて出た煙を吸っている以上、ほとんど同じようなリスクがあると考えられるのではないでしょうか。
糖尿病との関係
糖尿病の方は、血管の中膜にさまざまな影響が起こっています。
最近の研究では中膜の血管平滑筋細胞が石灰化を阻害する因子を分泌することもわかってきていますので、中膜が傷ついていると、よりカルシウムが沈着しやすくなってしまいます。
このことから糖尿病の方は、とくに石灰化に対して注意が必要であるといえるでしょう。
慢性腎臓病の方が透析治療になるまえに心不全などで亡くなるのも、上記のことが体で起きているからです。
腎臓病との関係
慢性腎臓病の原因となる糖尿病や高血圧は動脈硬化を進行させます。
腎臓は体内のさまざまな物質の量を調整する機能がありますが、腎機能が低下すると血中にはさまざまな物質が異常な量に増えてしまい、その影響で血管が傷つけられると考えられています。
特にリンが血中に増えるとカルシウムと結びつき、血管に沈着しやすくなります。
また腎機能低下によって水分と塩分が充分に排出できないことも、血液の循環量を増やすことにつながります。
血液をからだ全体に送り出すポンプの役割をしている心臓には、つねに負担がかかってしまうため、心不全などにつながります。
どんな疾患を引き起こす?
狭心症
冠動脈の動脈硬化により血流が低下すると、運動時や階段の昇降時などに心臓に十分な血液が供給されなくなり、胸が痛くなったり、締めつけられるような圧迫感が現れます。
静かにしていると発作は一時的におさまりますが、心筋梗塞の前触れであることもあり注意が必要です。
▷詳しくはこちらでも解説しています

心筋梗塞
狭心症は冠動脈の狭窄で引き起こされますが、心筋梗塞は冠動脈が完全に閉塞して心臓の筋肉に血液が届かず壊死してしまいますので、生命に危険が及びます。
左胸の強い痛み、圧迫感、締めつけられる感覚が数十分つづく場合には、すぐに救急車を呼ぶ必要があります。
▷詳しくはこちらでも解説しています

心筋梗塞を予防するには何をすべき? 症状や診断方法についても解説します!
心筋梗塞はなぜ起こるのか、どのようにすれば予防ができるのか。もしも心筋梗塞の方を見かけたときには何ができるのか。死因の上位にもくる心筋梗塞について、正しく知って正しい予防を心がけましょう。この記事の中では、心筋梗塞の押さえておきたい基本をご紹介いたします。CTドックで異常が見つかったら放置しないようにしましょう

禁煙や食生活・運動食習慣の改善などで、冠動脈石灰化を進行させないことができます。
もしCTドックで冠動脈の石灰化が見つかった場合には、放置しないで循環器内科を受診しましょう。
編集部までご連絡いただけますと幸いです。
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気になる方は、即日予約・受診可能です。
所要時間10分、検査は3分の
「胸部CT肺ドック」

病気になる前に治すという『未病』を理念に掲げていきます。循環器内科分野では心臓病だけでなく血管病まで診られる最新の医療機器を備えたバスキュラーラボで、『病気より患者さんを診る』を基本として診療しています。
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