日本における脳卒中の死亡者数・死亡率は? 40~64歳で介護が必要となる方の半数は脳卒中が原因
脳出血や脳梗塞のような脳血管疾患は、日本人の死因の上位にランクインしています。ところで、脳卒中で亡くなる方は年間でどれくらいいるのでしょうか。今回は脳卒中の患者数や死亡率、後遺症などを詳しく紹介します。脳卒中を予防するための方法もあわせて紹介しているので、こちらも参考にしてみてください。脳ドックとは何か? 検査の内容から受診をおすすめする方、費用、注意点まで解説
脳ドックをなぜ受けた方が良いの?
脳ドックの検査内容を知る前に、「近年なぜ脳ドックを受ける方が増えているか」を説明したいと思います。
脳疾患の多くは脳に血液を送る動脈が詰まったり、血管が破れて出血したりすることによって発症します。この原因になるのが、血管狭窄や脳動脈瘤の破裂などです。
ですがこれらの病変は、進行していても無症状であることが多いです。
その結果、脳疾患を発症した際には、患者は症状が突然起こったように感じます。
しかし実際は、長年の生活習慣の乱れなどによって、若い頃から身体に蓄積されているダメージと関係しています。
つまり脳疾患の予防対策は、長期的に考えていく必要があるのです。
脳疾患を発症した約3人に1人が死亡
脳疾患の発症者数は年間約30万人(2020年度)に上ります。
この年の脳疾患による死亡者数は10万2956人であることから、脳疾患を発症すると約3人に1人は命が助からないことになります。
脳卒中による死亡率については、以下の記事をご覧ください。
脳疾患を発症した約3人に1人に障害が残る
脳が損傷してしまうと、完全に元の状態に戻ることはありません。
約3人に1人は様々なレベルの障害が身体に残ってしまいます。
仕事面に焦点を当てて考えると、脳疾患の発症以前と同じ業務を行えなくなってしまう方も多いです。
さらに周囲に介護を頼る場合には、家族にも大きな影響が及びます。

脳卒中による影響や、介護による費用負担については以下の記事をご覧ください。
脳卒中で要介護になると時間・費用はどのくらいかかる? 逸失収入にも注意!
脳梗塞やくも膜下出血など、体に障害を残すことが多いとされる脳卒中を発症すると、どのくらいの費用がかかるのかご存知ですか? 脳卒中はがんなどよりも入院日数が増えることが多く、かかる費用も高額になりがちです。この記事の中では実際に介護を体験された方の統計から得られた情報をご紹介いたします。
脳疾患を発症させないことが重要
高い確率で死亡したり、後遺症が残ったりする脳疾患は、まずは発症させないことが何よりも大切です。
そして脳ドックは、この脳疾患リスクの早期発見・早期治療に役立ちます。

それでは、脳ドックの検査内容などを細かくみていきましょう。
脳ドックではどんな検査をするの?
脳ドックは、「脳卒中」や「くも膜下出血」といった、脳疾患リスクの早期発見のために行われる検診コースの総称です。
主にMRI(磁気共鳴画像診断)装置による画像診断で、脳実質(※脳の中身のこと)の構造や、頭部・頸部の血管の状態を把握します。
気になる項目がある場合は、頸動脈エコー、心電図、ABI検査、血液検査なども併せて受診する場合があります。
脳ドックでわかる病気
| 検査名 | なにを調べるの? | 発見できる症例 |
|---|---|---|
| 頭部MRI検査 | 脳実質(おもに大脳・小脳・脳幹・脊髄のこと)に異常をきたしている部分があるかどうか | 脳梗塞 白質病変 脳腫瘍 脳萎縮 脳微小出血 など |
| 頭部・頸部MRA検査 | 頭部と頸部の動脈に狭窄や拡張、瘤や奇形がないかどうか | 動脈瘤 動脈解離 血管狭窄 血管屈曲・蛇行 血管閉塞 脳血管奇形 など |
| 検査名 | なにを調べるの? | 発見できる症例 |
|---|---|---|
| 頸動脈エコー検査 | 頸部-頸動脈(首にある太い動脈のこと)の動脈硬化の状態 | 動脈硬化 など |
| 心電図 | 脳梗塞の原因になるような不整脈、虚血性心疾患(血液が心臓に行き渡ってない状態)があるかどうか | 不整脈 心筋虚血 など |
| ABI検査 | 両手両足の血圧を同時に測ることで下肢の動脈硬化の程度を調べる | 動脈硬化 血管年齢 など |
| 血液検査 | 血糖、脂質、肝機能、腎機能 など | 高脂血症 糖尿病 など |

脳梗塞を予防・早期発見するための検査とは?
脳梗塞は突然発症し、対応が遅れると後遺症が残る可能性があります。そのため、早い段階で病気の兆候をつかみ、適切な対応を取ることが大切です。
脳ドックでは、脳梗塞を未然に防ぐために役立つ検査を受けられます。主な検査は以下の通りです。
- MRI(磁気共鳴画像法)
- MRA(磁気共鳴血管撮影法)
- 頸動脈エコー検査
MRI(磁気共鳴画像法)は、磁場と電波を使って脳の内部を立体的に撮影する検査です。脳の血管の異常から小さな梗塞まで詳細に写し出せるため、初期段階の脳梗塞を発見するのに役立ちます。
MRA(磁気共鳴血管撮影)は、MRIの仕組みを応用して脳血管を写し出す検査です。造影剤を使わずに血管の状態を評価できるため、動脈硬化による狭窄や閉塞の有無を詳しく調べられます。
MRIが「脳そのものの状態」を確認する検査であるのに対し、MRAは「血流の通り道(血管)」を重点的に調べる検査という違いがあります。
頸動脈エコー検査は、超音波を使って首の血管の動脈硬化の程度や血流を調べる検査です。プラーク(血管の壁にできるコレステロールの塊)や狭窄の有無を把握できます。
頸動脈は脳へつながる重要な血管であるため、その状態を確認することで脳梗塞の予防につながります。
検査の詳細は以下の記事をご覧ください。
MRA検査とは? MRA検査を発見できる病気や、受診するメリットについて
脳の病気は、自覚症状が出たときにはすでに進行していることも少なくありません。重症化を防ぐためには、定期的な検査による早期発見・早期治療が大切とされています。脳の状態を調べる方法の1つに「脳ドック」があり、脳の手術を行わずに脳の状態を知ることができます。この記事では脳ドックの検査の1つであるMRAについて解説します。
脳ドックはどんな人におすすめ?
脳ドックをおすすめする人のプロフィール
- 脳ドックを受診したことがない
- 高血圧、糖尿病、脂質異常、動脈硬化の診断を受けたことがある
- 過度の飲酒、喫煙習慣がある
- ご家族の中で脳の病気にかかった人がいる
こんな人にもおすすめ
- 頭痛など気になる症状がある
- 頭を頻繁に接触させるスポーツをしている
何歳から受けた方がいい?
脳疾患を発症する方は50〜60代から増え始めて、70代でピークを迎えます。
脳ドックでは若い方でも脳の異常が見つかることがあります。
30代でも脳の異常が見つかることがあるため、検討される方もいます。

脳ドックの受診頻度は?
異常な所見が見つからなければ、2〜3年に1度の受診をおすすめいたします。
以下の項目に該当する方は、より短期間(1〜2年)での受診が推奨されます。
・初回の脳ドックで軽度の異常所見があった
・血管リスク(高血圧症、脂質異常症、糖尿病、喫煙歴)を持っている
・親族に脳疾患になった人が多い
脳ドックにかかる費用や時間は?
費用
脳ドックで行われる項目は病院やクリニックごとに異なりますが、価格帯で大きく2つのコースに分けられます。
①費用2〜3万円程度
・MRI/MRA検査
・頸動脈エコー検査 など (診療機関による)
脳ドックでは、頭部MRI検査、頭部と頸部のMRA検査を主としています。
脳ドックを初めて受ける方におすすめのコースです。
②費用4〜5万円程度
・MRI/MRA検査
・頸動脈エコー検査
・心電図検査
・ABI検査
・血液検査 など (診療機関による)
MRI/MRA検査のほかに、心血管の状態なども調べられます。
脳疾患には、動脈硬化が関与することが多いので、血液検査で脂質や糖質に異常がないか評価することが有効とされています。
頭部・頸部だけでなく、心臓や身体のほかの部分を流れる血液の状態を知り、より詳しく脳疾患リスクを知りたい方におすすめのコースです。
知っておきたい脳ドックの補助金・助成金制度 思っていたよりずっと安く受診できるってほんと?
脳ドックは健康保険の対象外とされているため、費用は基本的に自己負担になります。しかしながら、所属している健康保険組合やお住まいの市区町村から補助金や助成金を受けられる場合があります。本記事では、脳ドック受診前に確認したい補助金、助成金の概要を解説します。
脳ドックは健康保険の対象外なので、費用は基本的に自己負担になります。しかしながら、所属している健康保険組合やお住まいの市区町村から補助金や助成金を受けられる場合があります。この記事の中では、脳ドックを受ける前に調べておきたい、補助金・助成金についてご紹介いたします。
時間
脳ドックは複数の検査を組み合わせて実施することが一般的なため、検査数が多ければ所要時間も長くなります。
受診施設やコースによって大きく異なりますが、30分〜3時間程度を見積もっておきましょう。
脳ドックを受ける際の注意点
脳ドックを受けない方がいい場合
脳ドックは磁気を使った検査を行うため、以下の場合には受診できない可能性があります。
- 心臓のペースメーカーなど、体内に医療機器を埋め込んでいる
- タトゥー、刺青がある
- アートメイクをしている
- 閉所恐怖症である
- 妊娠している、または妊娠している可能性がある
医師の確認が必要となる方
冠動脈ステントや脳動脈瘤クリップなどの金属異物を体内に入れている方については、以前は受診ができないことがありましたが、最近では受診できる場合もあります。
受診を予定している施設に確認してみましょう。
定期的な脳ドックで脳疾患を予防しましょう

脳ドックは脳疾患の早期発見、発症リスクの把握に役立ちます。
脳の健康診断に当たる脳ドックは検査の目的や検査にかかる時間からコースを選べるので、忙しい方でも手軽に受けていただけます。
定期的な脳の検診が重大な脳疾患を防ぐ鍵であり、クオリティオブライフ(生活の質の向上)に役立ちます。
脳ドック受けてみた! 各種メディアさま スマート脳ドック | 体験レポート
スマート脳ドックでは、一般的な健康診断では調べられることのない、脳の異常や病気を短時間でチェックできます。今回はスマート脳ドックの受診を考えている方のために、さまざまなメディアでご投稿された「体験レポート」記事をまとめてご紹介いたします。
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日本脳神経外科学会専門医
日本脳卒中学会専門医
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健康経営エキスパートアドバイザー
2011年福島県立医科大学医学部卒業。2013年福島県立医科大学脳神経外科学入局。星総合病院脳卒中センター長、福島県立医科大学脳神経外科学講座助教、青森新都市病院脳神経外科医長を歴任。2022年より東京予防クリニック院長として内科疾患、脳神経疾患、予防医療を中心に診療している。