2022/12/06 ( 公開日 : 2022/01/18 )
熱がないのに咳が出るのはなぜ? ぜんそく、気管支炎、COPDなど考えられる病気
熱はないのに咳が出る場合に考えられる病気
熱がない場合の咳の原因として、アレルギー性のものや、肺がんなどさまざまな原因が考えられます。
これから代表的な咳の症状を伴う病気をご紹介していきます。覚えのある症状の場合は一度病院を受診してみましょう。
ぜんそく(気管支ぜんそく)
■概要
アレルギー性の疾患で、アレルギー反応により気道が慢性的に炎症している状態です。
炎症の原因はさまざまで、チリダニやハウスダスト、ペットのフケ、カビなどのアレルギーなどがあり、原因物質が特定できない場合もあります。
■病態
アレルギー反応で、気道に炎症が続き、分泌物や肥厚(ひこう)することによって気道が狭くなります。
継続することで刺激に敏感になってしまいます。さらに発作的に気道は狭くなり、呼吸が苦しくなります。
主な症状と治療方法
■症状
・咳、喘鳴、呼吸困難
・狭くなった気管支で無理矢理呼吸しようとするため、《ぜーぜー》、《ひゅーひゅー》というぜんそく特有の音が出る
■治療
基本的には、ぜんそくでの気道の変化は元に戻るとされていますが、炎症がずっと続くと、気道が固く狭くなって戻らなくなり、治療が困難になることもあります。
主に、炎症を抑えるステロイド薬の吸入、気道を確保するための気管支拡張薬などを用います。
咳ぜんそく
■概要
気管支ぜんそくの一種で、咳だけが治まらない状態です。痰が出ない咳が慢性的に続いています。
■状態
気道の炎症が慢性的に続いており、さまざまな刺激によって気道が狭くなることで咳が出ます。
症状と治療方法
■症状
・発熱などの症状はない
・ホコリ、湯気、冷たい空気、香り、花粉などちょっとした刺激に敏感に反応して激しい咳が出る
・痰のない乾いた咳が続く
・ぜーぜー、ひゅーひゅーというぜんそく特有の音は出ない
■治療
原因となる物質を特定できないこともあります。咳ぜんそくの治療方針は基本的には気管支ぜんそくと同じです。
気道の炎症をおさえるためにステロイド薬を使い、気道の確保のために気管支拡張薬を用います。
症状の度合いによって治療の方法は変わります。
慢性気管支炎
■概要
慢性気管支炎は、気管支で慢性的に炎症を起こしている病態を指します。
慢性気管支炎と診断される時の例としては、「咳と痰が主に冬に3カ月以上ほぼ毎日続く状態が2年以上連続している」などがあります。
主に、COPDや肺気腫で起こります。
■病態
気管や気管支が慢性的(長期的)に炎症を起こしている状態。
炎症による分泌物や気管支の肥厚で狭窄を起こします。
症状と治療方法
■症状
・風邪のように1週間で治るということはあまりない
・粘り気の強い痰が絡まり、咳や痰が長期的に続く
■治療
喫煙者は禁煙を行うことは大前提。薬物治療として、痰の分泌を抑える「去痰薬」や気管支拡張薬などを投与します。
COPD(Chronic Obstructive Pulmonary Disease)
■概要
慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、ほとんどが喫煙習慣を背景に、中高年に発症する生活習慣病とされています。
喫煙指数(1日の喫煙本数×喫煙年数)が高く、50歳以上がハイリスクです。
■病態
さまざまな原因で気管支や肺を傷つけ、慢性的な炎症を引き起こしています。
タバコの煙には3000以上の化学物質が含まれており、そのタバコの煙が、酸素と二酸化炭素の交換を行う「肺胞」を破壊したり、気管支の炎症を起こします。
症状と治療方法
■症状
・身体を動かした時に息切れがする
・慢性的な咳や痰
・息苦しさ
■治療
COPDは治療を行っても、完治が困難な病気です。治療の目的は症状の緩和や改善が主になります。
禁煙は前提として、薬物療法や生活習慣の改善を行っていきます。
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