2021/11/04 ( 更新日 : 2021/11/22 )

咳が止まらないのはどうして? 3週間以上続く咳は風邪ではない可能性も!

生活習慣
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咳は誰もが経験したことがあると思います。咳というのは気道に侵入した異物を追い出すために起こる身体の防御反応です。しかし、長引く咳がある場合は病院を受診した方が良いかもしれません。この記事では、咳のメカニズムやなぜ長引くと病院を受診するべきなのかを解説していきます。
目次

咳が出る仕組み

気道にある粘膜へのさまざまな刺激が引き金となり咳をします。
粘膜には、「咳受容体」と呼ばれるものがあり、刺激が加わることによって受容体を通し、咳中枢のある「延髄」に情報が伝わることで咳の反射が起こります。

例えば、辛いものを食べたときにむせるのは、辛み成分が粘膜を刺激をするためです。

咳の種類

咳は、全く痰を含まないか少しの痰を含む「乾性咳嗽(かんせいがいそう)」と、咳をする度に痰を含み痰を出すために咳をする「湿性咳嗽(しっせいがいそう)」に分かれます。
医師が診断をするためにも、どちらの咳なのかはひとつの材料になりますので把握しておきましょう。

乾性咳嗽(かんせいがいそう)

乾性咳嗽は、痰が含まれていても少量のため、「コンコン」「コホコホ」という乾いた音がします。
乾性咳嗽の原因は喘息、アトピー性咳嗽などさまざまですが、後にご紹介する「慢性咳嗽」になる病気で特に多く見られます。

湿性咳嗽(しっせいがいそう)

湿性咳嗽は痰を多く含むため「ゴホンゴホン」「ゲホゲホ」「ゼロゼロ」という濁った音がします。
原因としては、副鼻腔気管支症候群や慢性気管支炎、気管支喘息などがあります。
あまり長引かないウイルスや細菌により起こる病気で、多く見られます。

咳が止まらない原因

咳が止まらない原因として、慢性的に気道の粘膜が炎症を起こしている可能性があります。

炎症で咳が出るときの主な原因は以下の3つ

①ウイルスや細菌などの感染症
②アレルギーを引き起こす物質
③タバコなどの有害物質

これらの異物を排除するとともに、損傷した組織を修復しようとする反応が「炎症」として現れます。
そして、体の外に出すために「咳」をするのです。

ウイルスや細菌などの感染症

いわゆる「風邪」の原因のほとんどはウイルス感染で起こります。気道の粘膜が炎症を起こすことで咳が出ます。
しかし、風邪のように軽いものではなく肺炎をも引き起こすようなサイトメガロウイルスやインフルエンザウイルスなどもあります。

アレルギーを引き起こす物質

ダニやハウスダスト、カビなどのアレルギーにより発症することが多いです。過剰な免疫の反応で、部位に障害をきたしてしまいます。
原因不明なものも多いため、特定が難しいこともあります。
主な病気として、気管支喘息、過敏性肺炎、好酸球性肺炎などがあります。

タバコなどの有害物質

タバコや粉塵、化学物質など人体にとって有害な物質を長期間吸い込んだことが原因で気道や肺が慢性的に炎症を起こしてしまいます。有名なのはタバコが主な原因で起こる慢性閉塞性肺疾患(COPD)です。
タバコには発がん物質を約70個も含まれていると言われているため、他の病気の原因にもなります。

3週間以上続く咳は風邪ではない可能性も!

日本呼吸器学会「咳嗽に関するガイドライン(第2版)」より、咳が出る症状が3週間未満の場合は急性咳嗽、3~8週間の場合は遷延性咳嗽、8週間以上の場合は慢性咳嗽に分類されています。

風邪のようなウイルス性の場合、免疫機能により自然と緩和していきます。
しかし緩和していかず、3週間以上続く咳は風邪ではない可能性があります
できるだけ早く病院で受診しましょう。

咳のセルフチェック

咳が止まらない日が続いた場合は風邪以外の病気が原因の場合があります。 以下のチェック項目で、セルフチェックしてみましょう!

  • 熱はないが、咳や痰の症状がずっと続いている
  • 長年タバコを吸っている
  • 夜間に咳が出て眠れない
  • 咳がひどくなっている
  • 痰に血が混ざっている
  • 湯気、エアコンの風、冷たい空気などに反応して咳が出る
  • 咳が出るとなかなか止まらず、出ない時は全くでない
  • 息をする時にぜいぜい、ヒューヒューする
  • 風邪になるといつも咳が長引いてしまう

チェック項目がひとつでもあれば、風邪以外の病気の可能性があるので呼吸器専門医を受診しましょう。

病院での診断方法

・咳の種類(乾性咳嗽か湿性咳嗽か)
・持続時間
・咳が出る時間帯(夜間や早朝など)とその時どのくらい続くのか
・喘鳴、発熱、呼吸困難、血痰、胸痛、体重減少などといった病歴がないか

以上のような問診にて、ある程度どのような病気かを絞り込みます。

その後、胸部聴診、画像検査、喀痰検査、血液検査や呼吸機能検査、気管支鏡検査などを含めて総合的に診断していきます。

長引く咳の治療方法

ウイルス性の単なる風邪の場合は自然と直ります。
しかし、それ以外による咳以外の場合は治療法がさまざまのため、一概には言えません。
基本的に、問診や検査から得た情報で判断し、効果的だと思われる内服薬の処方を行い1~2週間程度効果を見ます。
その上で喫煙などの生活習慣が原因となっている場合は生活指導も取り入れます。

長引く咳への対策

咳は、呼吸に関わる筋肉や骨に負担もかかり、止まらない場合は睡眠や食事にも影響するため体力と精神が消耗していきます。

病気によって病態も違うため、自分でできる対策も医師の指示に従うことが一番です。
しかし、どうしても咳が続き苦しいという場合の対処法をこれからご紹介していきます。

体を温める

寒冷刺激によって咳が誘発される場合があります。寒い場所にいて咳が出る場合は室温を上げるようにしましょう。

湿度をコントロールする

乾燥によって咳が誘発される場合があります。乾燥した場所にいて咳が出る場合は加湿して湿度をあげるようにしましょう。

咳が止まらない状態が続いたら呼吸器内科を受診しよう

咳は軽い風邪を引いた時にも起こる症状のため、あまり気にしない人も多いかもしれません。
しかし、咳が止まらない状態が長期間続く場合は、風邪が原因ではない可能性もあります。一度、呼吸器内科を受診してするようにしましょう。

気になる方は、即日予約・受診可能です。
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監修医 伊藤 晴紀
(いとう・はるき)

メディカルチェックスタジオ新宿クリニック・医学博士
同じ病気でも、患者様ひとりひとり治療方針は違ってきます。それぞれの生活やバックグラウンドに合った医療を提供できるよう心がけております。
患者様が健康で長生きできるよう、診断・治療だけでなく、最新の医療知識を織り交ぜながら診察しております。

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