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2025/04/10 ( 公開日 : 2025/04/10 )
声がれが続くのは要注意?知らないと怖い病気のサインと対策

声がかすれる原因
声がかすれる原因には、声帯の使い過ぎや風邪、感染症、喫煙や飲酒、加齢、職業環境などがあります。これらの要因が声帯に負担をかけることで、声が正常に出にくくなり、かすれることが多いです。
声帯の使い過ぎ
声帯の使い過ぎは、声がかすれる原因の一つです。例えば、頻繁に大声を出すことや長時間にわたる電話応対、声を張り上げてのスピーチなどが該当します。これらの活動は声帯に過剰な負担をかけ、声帯の炎症や浮腫を引き起こすことがあります。特に職業で声を頻繁に使う方はリスクが高いです。休息を取らずに声を酷使し続けると、声帯結節やポリープといった深刻な症状を引き起こす可能性があります。声の使い過ぎを防ぐためには、定期的に声を休める時間を設けたり、正しい発声方法を学んだりすることが重要です。
風邪や感染症
風邪や感染症も声がかすれる原因となることがあります。風邪や感染症による喉頭炎や扁桃炎などによって、声がかすれたり、出にくくなったりします。特に喉頭炎は、ウイルスや細菌が喉の奥に感染して炎症を引き起こし、声がかすれる原因となることが多いです。これらの症状は、適切な治療を受ければ改善できますが、放置すれば慢性化する可能性もあります。風邪や感染症の予防には、手洗いやうがいの徹底、体調管理が大切です。
喫煙や飲酒の影響
喫煙や飲酒も声がかすれる原因です。タバコの煙には、声帯にダメージを与える化学物質が多数含まれています。喫煙者は、煙によって声帯が乾燥しやすいうえに、喉の粘膜が煙によって炎症を起こした結果、正常な働きを保てなくなるため、声のかすれが常態化しやすいです。また、アルコールの過剰摂取により、喉の粘膜が炎症を起こし声がかれやすくなります。これらのリスクを軽減するためには、禁煙や節度ある飲酒が推奨されます。
加齢による影響
加齢も声がかすれる原因の一つです。年齢を重ねることで、声帯が薄くなり、弾力性が失われることで、声を出す際に必要な振動がうまくできなくなり、声がかすれます。また、加齢とともに喉の筋力も低下し、声を出すための機能が衰えていきます。加齢による変化は避けられませんが、適切なケアで予防ができます。例えば、喉の筋力を維持するための発声練習や、定期的に水分を摂取して喉の乾燥を防ぐことが有効です。特にシニア層の方は、これらの習慣を日常生活に取り入れることで、声かすれの予防に役立ちます。
職業環境(声を酷使する仕事)
職業環境も声がかすれる原因となります。特定の職業では、日常的に大きな声を出すことが求められます。例えば、教師やコールセンターのスタッフ、接客業、舞台俳優や歌手などは声帯に常に負担がかかり、炎症や疲労が蓄積しやすいです。特に、適切な発声方法を学ばずに自己流で声を出し続けると、声帯結節やポリープを引き起こしやすくなります。職業環境による声のかすれを防ぐためには、正しい発声技術を習得することや、業務中に定期的な休憩を取ることが重要です。また、声を出し過ぎたときには、無理をせずに休息を取ることも大切です。
一時的な声のかすれと慢性的な声のかすれ
声のかすれには一時的なものと慢性的なものがあります。一時的な声のかすれは、風邪や感染症、声の使い過ぎなどが原因で、数日から数週間で自然に回復します。この場合、喉を休め、水分をたっぷり摂ることが効果的です。
しかし、慢性的な声のかすれは、数週間以上続くことがあるため注意が必要です。この場合、喫煙や長期間の声帯の酷使、加齢、ポリープや結節が関与していることが多いです。また、喉頭がんなどの深刻な病気のサインである可能性もあります。
慢性的な声のかすれが続く場合には、早めに医師の診察を受けることが重要です。特に、声のかすれと共に喉の痛みや飲み込みにくさ、異物感がある場合は、専門医の診断が必要です。
声のかすれが続く場合に疑うべき病気
声のかすれが続く場合は、深刻な病気のサインである可能性があります。以下に、考えられる代表的な病気を紹介します。
喉頭炎
喉頭炎は喉頭部分の炎症を指し、急性および慢性のどちらの形態でも発生することがあります。一般的に、ウイルス感染症や細菌感染症が原因となり発症することが多いです。急性喉頭炎は突然発症し、喉の痛み、声のかすれ、発熱などの症状が出現します。治療には休養が重要で、喉を保護するために発声を控える、十分な水分補給、非ステロイド性抗炎症薬の使用などが推奨されます。慢性の場合は喫煙やアレルギーが原因となることが多く、長期間にわたる喉の負担が蓄積されて発症します。この場合、生活習慣の見直しが必要です。
声帯ポリープ
声帯ポリープは声帯の片側に小さな腫瘍ができる状態です。ポリープが形成されると、声がかすれたり、声を出すのが困難になったりします。多くの声帯ポリープは良性であり、原因としては過度な喉の使用、喫煙、アレルギー反応などが考えられます。ポリープの発生を防ぐためには、声帯の酷使を避けることが重要です。ポリープが見つかった場合、早期の段階で休養や非外科的治療によって症状が改善することが多いです。しかし、症状が重篤な場合や長期にわたる場合は、外科的治療が必要となることがあります。
声帯結節
声帯結節は声帯にポリープができる状態で、声の出し過ぎが主な原因です。一般的には歌手や教師、電話オペレーターなど、頻繁に大声を出す職業の人が罹りやすいとされています。声帯結節ができると、声がかすれたり、声を出すのが困難になることがあります。早期の段階では、声帯の酷使を避けることで自然に治る場合が多いです。また、話し方の訓練や専門家の指導を受けることも有効です。症状が改善しない場合や結節が大きくなる場合は、外科的な治療が検討されることがあります。
喉頭がん
喉頭がんは喉頭部分にできる悪性腫瘍です。喫煙や飲酒が主なリスク要因であり、男性に多く発症します。初期症状は、声のかすれや喉の違和感で、進行すると呼吸困難や飲み込み困難、血痰などが現れることがあります。喉頭がんの診断には内視鏡検査やCTスキャンなどが使用され、治療法としては放射線治療、化学療法、手術が一般的です。早期発見であれば治療効果が高まります。喉頭がん予防のためには、禁煙や飲酒の制限が重要です。
(参照元:耳鼻咽喉科・頭頸部外科が扱う代表的な病気)
声がかすれたときの対処法
声がかすれた際に早急に行うべき対策について、自己ケアや市販薬、医師の診断など具体的な方法を紹介します。
自己ケア
声がかすれたときに大切なのは喉を休めることです。声帯の酷使が原因である場合、無理に声を出し続けると症状が悪化する可能性があるため、声を出さない時間を作りましょう。水分補給も重要で、喉を潤すために水をこまめに飲むよう心がけます。飲む水は常温のものやぬるま湯が適しています。
さらに、乾燥した空気は喉に負担を掛けるため、加湿器を使用するのも効果的です。特に冬場は暖房で室内が乾燥しがちなので、適度な湿度を保つ工夫が必要です。また、蒸気を吸入することも喉を楽にする一助になります。お湯を張った洗面器に顔を近づけ、タオルを頭からかけて蒸気を吸い込む方法が手軽です。
喉に優しい食事を心がけ、刺激の強い食品や飲料は避けることも大切です。
市販薬の活用
市販薬には声のかすれを和らげるために役立つものが多くあります。例えば、トローチは喉の潤いを保つのに効果的です。また、喉スプレーも有用です。 市販の粘膜の炎症を抑える薬は一時的に喉の痛みや腫れを抑え、喉の違和感を軽減します。イブプロフェンやアセトアミノフェンを含むものがよく使われますが、これらは一時的な対処法であるため、長期間使用することは推奨されません。
その他にもビタミンCのサプリメントを摂取することで喉の回復を早めることが期待できます。ビタミンCは免疫力を高める作用があり、風邪や感染症からくる喉の不調に対して有効とされています。市販薬は便利ですが、使用する際には用法・用量をよく確認し、自分の症状に合ったものを選ぶことが重要です。
医師に相談するべきタイミング
声のかすれが2週間以上続く場合は注意が必要です。単なる風邪や一時的な声の使い過ぎであれば、通常は短期間で改善しますが、長期にわたる場合は他の病気の可能性があります。
声が出ない、喉に強い痛みを感じる、喉に異物感がある場合にも早めの受診が必要です。これらの症状は、喉頭がんなどの重大な病気のサインである可能性があります。その他、風邪、声帯ポリープ、声帯結節、咽頭炎、扁桃炎、扁桃周囲膿瘍、急性喉頭蓋炎などでも同様の症状が見られることがあります。また、喉の腫れや呼吸困難を感じた場合、喉頭炎やアレルギー反応などの緊急の状態であることが考えられるため、すぐに医師に相談しましょう。
声のかすれを予防するための方法
声のかすれを予防するためには、日常生活においてさまざまな工夫が必要です。以下にいくつかの具体的な方法を紹介します。
定期的な喉の休憩
定期的な喉の休憩は、声のかすれ予防に非常に重要です。特に職業上、声をよく使う方や長時間大声を出す方は、声帯に負担がかかりやすいです。休憩を取ることで声帯の疲労を和らげます。
例えば、1時間大声を出したら10分間休むというように、適度なインターバルを設けると良いでしょう。会話を控えることで、声帯をリラックスさせられます。
声帯の疲労が蓄積しないようにする習慣を身につけましょう。
喫煙・飲酒の制限
喫煙や飲酒は声帯に多大な負担をかけ、声がかすれる原因となるため、喫煙や飲酒を制限しましょう。禁煙や飲酒の量の調整を行うことで、声がかすれるリスクを大幅に減らすことができるでしょう。
また、禁煙や節酒は、喉頭癌などの深刻な病気のリスクも減少させます。
適切な水分補給
適切な水分補給は、声がかすれるのを防ぐために不可欠です。声帯が乾燥すると声がかすれやすくなるため、十分な水分を摂り、喉を潤しましょう。 1日の水分摂取量の目安は、おおよそ1.5リットル程度と言われています。特に喉をよく使う仕事に従事している人や、湿度の低い環境にいることが多い人はこまめな水分補給を心掛けましょう。また、アルコールやカフェインを含む飲み物は喉の乾燥を促進し、炎症を助長するため適度な摂取にとどめましょう。
予防のための水分補給の際にも、常温の水が最適です。喉を潤すことで声のかすれを防ぎ、声帯の健康を維持できます。
声の出し方を学ぶ
正しい声の出し方を学ぶことは、声がかすれるのを防ぐために非常に有効です。特に声を使う仕事に従事している方や、大きな声を出す機会が多い方は、正しい発声法を身につけることで声帯の負担を軽減できます。
まずは、腹式呼吸を練習しましょう。お腹の筋肉を使って呼吸をする方法で、喉に負担をかけずに声を出せます。次に、喉を絞めないようにすることが大切です。無理に大きな声を出そうとすると喉に負担がかかりやすいため、自然な声の出し方を心掛けましょう。
また、発声の練習を定期的に行えば、声帯を鍛えられるため、プロのボイストレーナーから指導を受けるのも一つの方法です。正しい発声法を身につけ、喉の健康を維持しましょう。
まとめ:声のかすれが続く場合は、早めの受診を!
声のかすれが続く場合、風邪や喉の使い過ぎだけではなく、もっと深刻な健康問題が隠れている可能性があります。喉頭炎や声帯ポリープ、さらには喉頭がんなどの病気が原因であることも考えられるため、早めの受診が重要です。声のかすれを放置すると、症状が悪化し長期的な喉の健康に支障をきたすことがあるため、セルフケアや市販薬で改善が見られない場合は、専門の医師に相談することをおすすめします。
また、日常生活において声の使い過ぎを控える、十分な水分補給を行う、喫煙・飲酒を控えるなど、喉の健康を維持するためのケアも欠かさないようにしましょう。
編集部までご連絡いただけますと幸いです。
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