2022/09/20 ( 公開日 : 2022/09/20 )

めまいで頭がふらつく、ふわふわする際に注意したいこと

症状
めまい 初期症状 脳梗塞
この記事は約5分で読めます
めまいが起きる際には、さまざまな原因があります。その中でも耳を原因としたものと、脳を原因としたものが多いといわれています。めまいだけではなく他の症状も一緒に現れているときには、すぐにでも救急車を呼んだ方がいいこともありますので、めまいに悩んでいる方にはぜひ一読して欲しい内容になっています。
目次

めまいが起こる原因は?

めまいとは、自分が動いていないのに周囲が動いているように感じる現象のことですが、体のどこが原因となっているかによって危険性は異なります。

東海大学医学部付属病院耳鼻咽喉科の調査によると、めまいの原因はもっとも多いのが耳が関係しているもので61%、次に脳が原因のもので14%、その他心因性や原因不明の方が25%という数値が出ています。

危険なめまいとは?

耳が原因となるめまいと脳が原因となるめまいとでは、意識の状態や感じ方が異なるといわれています。

耳が原因のめまい

耳から生じるめまいでは、めまい以外に耳の症状が併発することが多いです。
例えば、耳鳴り、難聴、耳閉感が挙げられます。
また運動障害や感覚障害を伴わない場合も、耳由来の可能性が高いです。
めまいの時間は比較的短いことが多いです。

脳が原因のめまい

脳由来のめまいの場合は耳鳴り、難聴、耳閉感は併発しにくいです。
継続時間も耳由来より長期に渡ることが多く、数日続くこともあります。
さらに物がダブって見える、片側の手足に痺れ・脱力がある場合は脳由来の可能性が高いので、緊急で専門病院を受診する必要があります。

表.原因ごとのめまいの違い
意識 めまいの感じ方
耳が原因 はっきり 目がまわる
外界が回転しているように感じる
脳が原因 ぼんやり ふらふらする
浮遊感(※)

※脳が原因となるめまいは、どちらか片側の顔の麻痺、どちらか片側の手足が動かない・動かしにくい、うまくしゃべることができない、などの症状も一緒に起こることが多いです。

耳が原因のめまい

耳が原因のめまいでは、以下の3つの疾患がよく知られています。

良性発作性頭位めまい症

本来は三半規管の根元の壁についている「耳石(じせき)」というカルシウムの粒が、三半規管の中に入り込んでしまうことで起こります。
スポーツで頭を強く降る際に耳石が剥がれやすくなったりもしますし、カルシウムの代謝障害が関係しているともいわれています。

メニエール症

ストレスや疲労でリンパ液が増え過ぎてしまって、三半規管とその中にある蝸牛(かぎゅう)が圧迫されることで起こります。
難聴、耳鳴りなど、音の聞こえ方の異常も起こります。

前庭神経炎

前庭神経炎(ぜんていしんけいえん)とは、内耳と脳をつないでいる前庭神経に炎症が起こっている病気です。
風邪の後で起こりやすいことから、ウイルス感染が原因ではないかといわれていますが、詳しいことはまだわかっていません。

激しいめまい、ぐるぐるした感覚が数日間断続的につづきますが、炎症が治ればそれ以後は起こりません。

脳が原因のめまい

脳が原因となるめまいでは、「意識がぼんやりして、ふらふらとした感覚(浮遊感)がある」場合が多いといわれています。

また脳梗塞では、症状を判断するうえで「FAST(ファスト)」という言葉がよく知られています。

F:Face 顔の片側だけがうまく動かせない

A:Arm 両腕を肩の高さまで上げたときに、どちらかが落ちてしまう

S:Speech 呂律がまわらない、思うように話せない

T:Time 上記の症状がみられたらその時刻を覚えておき、すぐに救急車に連絡(のちの処置で必要な情報になります)

これらの症状がめまいに伴っている場合はすぐ救急車を呼びましょう。
脳細胞は血液が足りない状態にとても弱いため、発症してすぐに対処できるかどうかがその後に大きく関わります。

脳梗塞

脳の血管が細くなったり、血管に血栓が詰まったりして、脳に酸素や栄養が行き届かずに脳細胞が障害を受ける病気です。
手足のまひ、言語障害などが起こります。

脳梗塞の前兆となる症状とは? 急に起こるからだの異変に注意!

脳梗塞はある日突然発症し、その日から体の自由を奪ってしまう病気です。しかし前兆となる症状も多く報告されていますので、日常に潜む「脳梗塞の前兆」を見落とさずに、しっかりと検査を受ける必要があります。この記事のなかでは、脳梗塞の前兆となる症状や、注視したいポイントについて解説いたします。

脳出血

脳の動脈が破れることで、脳の中に出血した状態です。
出血のため脳細胞が障害され、さらに血液が周囲の脳の神経細胞を圧迫することで、頭痛、吐き気、手足のまひなどが起こります。

脳出血とはなにか? 出血しやすい部位や体に起こる症状について解説

脳の中ではときに出血が起きることがありますが、症状は脳梗塞と似ていることが多いです。脳出血はなりやすいいくつかの部位があり、それぞれ特徴が異なります。この記事の中では脳出血の診断方法や治療方法、また予防方法についても解説いたします。脳出血がどのようなものか気になる方は、ぜひ確認してみてください。

椎骨脳底動脈循環不全について

脳梗塞や脳出血とは異なりますが、脳に関連しためまいで気をつけたいものもあります。
小脳・脳幹をおもに養っている椎骨・脳底動脈が動脈硬化を起こすなどして狭窄をきたすと、脳への血液の流れが悪くなります。
この状態を、椎骨脳底動脈循環不全というのですが、症状としては以下のようなものが起こります。

  • ぐるぐるするめまい
  • ふらふらして、平衡感覚が取りにくい
  • 目のまえが暗くなる
  • 気が遠くなる
  • ものが二重に見える など

症状は一過性ですが、放置しているとくり返し現れるようになります。
最近の調査では、脳梗塞につながる例も少なくないことがわかってきています。

50代・60代以降で高血圧や高脂血症の方は、この椎骨脳底動脈循環不全が原因となってめまいが起きているのかもしれません。

予防策としては、動脈硬化を起こさないように生活習慣の改善が必要となります。

脳ドックで予防意識を高めましょう

めまいの原因としては、血圧が低かったり、ストレスが原因で体に疲れが溜まっていたりする場合も多く、原因がはっきりとしないケースが多いのも事実です。
しかし一方で、脳梗塞のような病気が原因となっていることもあります。

脳の健康状態が気になる方で、まだ一度も脳ドックを受診されたことがない方は、ぜひ一度脳ドックを受けてみてはいかがでしょうか。
脳ドックでは将来的な脳疾患リスクを知ることができます。
予防への意識を高めるうえでも、自分の脳のことを客観的に知っておきましょう。

記事についてお気づきの点がございましたら、
編集部までご連絡いただけますと幸いです。

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監修医 鳴海 治 (なるみ・おさむ)
元メディカルチェックスタジオ医師・医学博士

28年間の脳神経外科の手術と救急の経験から、再生しない脳という臓器の特性、知らないうちに進行し突然発症して障害を残す脳卒中疾患の特性に対しては「発症させない」ことが最も有効な対策だと考えています。 なるべく多くの方が健康なうちに脳ドックを受診し、問題解決できる環境を提供してゆきたいと思います。

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