めまいで頭がふらつく、ふわふわする際に注意したいこと

2025/07/24
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めまいは様々な原因により起きますが、中でも耳を原因としたものと、脳を原因としたものが多いといわれています。めまいだけでなく、他の症状も一緒にあらわれている時には、すぐにでも救急車を呼んだ方がいい場合がありますので、めまいに悩んでいる方にはぜひ一読していただければと思います。
目次

めまいが起こる原因は?


めまいが起こる原因は?
めまいとは、自分が動いていないのに周囲が動いているように感じる現象のことですが、身体のどこが原因となっているかによって危険性は異なります。

東海大学医学部付属病院耳鼻咽喉科の調査によると、めまいの原因として最も多いのが耳に関係しているもので61%、次に脳が原因のもので14%。その他心因性や原因不明の方が25%という数値が出ています。

危険なめまいとは?

耳が原因となるめまいと、脳が原因となるめまいとでは、意識の状態や感じ方が異なるといわれています。

耳が原因のめまい

耳の異常により生じるめまいでは、耳の症状が併発することが多いです。
例えば、耳鳴り、難聴、耳閉感が挙げられます。
また運動障害や感覚障害を伴わない場合も、耳が由来である可能性が高いです。
めまいの時間は比較的短いことが多いです。

脳が原因のめまい

脳の異常により生じるめまいの場合は、耳鳴りや難聴、耳閉感は併発しにくいです。
継続時間も耳由来より長期にわたることが多く、数日続くこともあります。
さらに物がダブって見える、片側の手足に痺れや脱力がある場合は脳由来のめまいの可能性が高いので、緊急で専門病院を受診する必要があります。

表.原因ごとのめまいの違い
  意識 めまいの感じ方
耳が原因 はっきり 目が回る
外界が回転しているように感じる
脳が原因 ぼんやり ふらふらする
浮遊感(※)

※脳が原因となるめまいは、どちらか片側の顔に麻痺が生じる、どちらか片側の手足が動かなかったり、動かしにくかったりする、うまくしゃべれない、といった症状も同時に起こることが多いです。

脳が原因のめまいについては、こちらの記事もご覧ください。

隠れ(かくれ)脳梗塞とは? 無症候性の脳梗塞が持つリスクや、日常生活でできる予防をご紹介!

脳梗塞の中には、症状が体に出ない「隠れ脳梗塞」(無症候性脳梗塞)と呼ばれるものがあります。この無症候性の脳梗塞は、果たしてリスクがまったくないものなのでしょうか? この隠れ脳梗塞が持つ、危険性などについて解説いたします。

耳が原因のめまい

耳が原因のめまいとしては、以下の3つの疾患がよく知られています。

  • 良性発作性頭位めまい症
  • メニエール病前庭神経炎
  • 前庭神経炎


それぞれ見ていきましょう。

良性発作性頭位めまい症

本来は三半規管の根元の壁についている「耳石(じせき)」というカルシウムの粒が、三半規管の中に入り込んでしまうことで起こります。
スポーツで頭を強く降る際に耳石が剥がれやすくなることや、カルシウムの代謝に障害が生じることが関係しているといわれています。

メニエール病

ストレスや疲労によりリンパ液が増え過ぎてしまい、三半規管とその中にある蝸牛(かぎゅう)が圧迫されることで起こります。
難聴や耳鳴りなど、音の聞こえ方にも異常が起きます。

前庭神経炎

前庭神経炎(ぜんていしんけいえん)とは、内耳と脳をつないでいる前庭神経に炎症が起こる病気です。
風邪の後で起こりやすいことから、ウイルス感染が原因ではないかといわれていますが、詳しいことはまだわかっていません。

激しいめまいや、ぐるぐるした感覚が数日間断続的に続きますが、炎症がおさまればそれ以後は起こりません。

脳が原因のめまい

脳が原因となるめまいでは、「意識がぼんやりして、ふらふらとした感覚(浮遊感)」になるケースが多いといわれています。

また脳梗塞では、症状を判断するうえで「FAST(ファスト)」という言葉がよく知られています。

F:Face 顔の片側だけがうまく動かせない

A:Arm 両腕を肩の高さまで上げたときに、どちらかが落ちてしまう

S:Speech 呂律がまわらない、思うように話せない

T:Time 上記の症状が見られたらその時刻を覚えておき、すぐに救急車に連絡(のちの処置で必要な情報になります)

脳梗塞の症状を判断する「FAST(ファスト)」

これらの症状がめまいに伴っている場合はすぐ救急車を呼びましょう。
脳細胞は血液が足りない状態にとても弱いため、発症してすぐに対処できるかどうかがその後に大きく関わります。

脳梗塞

脳の血管が細くなったり、血管に血栓が詰まったりして、脳に酸素や栄養が行き届かずに脳細胞に障害が生じる病気です。
手足の麻痺、言語障害などが起こります。

脳梗塞の前兆となる症状とは? 急に起こるからだの異変に注意!

脳梗塞はある日突然発症し、その日から体の自由を奪ってしまう病気です。しかし前兆となる症状も多く報告されていますので、日常に潜む「脳梗塞の前兆」を見落とさずに、しっかりと検査を受ける必要があります。この記事のなかでは、脳梗塞の前兆となる症状や、注視したいポイントについて解説いたします。


脳梗塞はある日突然発症し、それ以降、身体の自由を奪ってしまう病気です。しかし前兆となる症状も多く報告されていますので、日常に潜む「脳梗塞の前兆」を見落とさずに、しっかりと検査を受ける必要があります。ここからは、脳梗塞の前兆となる症状や、注視したいポイントについて解説します。

脳出血

脳の動脈が破れることで、脳の中に出血した状態です。
出血のため脳細胞に異常が起き、血液が周囲の脳の神経細胞を圧迫することで、頭痛、吐き気、手足の麻痺などが起こります。

脳出血とはなにか? 出血しやすい部位や体に起こる症状について解説

脳の中ではときに出血が起きることがありますが、症状は脳梗塞と似ていることが多いです。脳出血はなりやすいいくつかの部位があり、それぞれ特徴が異なります。この記事の中では脳出血の診断方法や治療方法、また予防方法についても解説いたします。脳出血がどのようなものか気になる方は、ぜひ確認してみてください。


脳の中では時に出血が起きることがありますが、症状は脳梗塞と似ていることが多いです。脳内には、出血しやすいいくつかの部位があり、その場合の症状もそれぞれ異なります。以下、脳出血の診断方法や治療方法、予防方法について解説します。

椎骨脳底動脈循環不全について

脳梗塞や脳出血とは異なりますが、脳に関連しためまいで気をつけたいものもあります。
小脳や脳幹を主に養っている椎骨および脳底動脈が動脈硬化を起こすなどして狭窄をきたすと、脳への血液の流れが悪くなります。
この状態を、椎骨脳底動脈循環不全というのですが、以下のような症状が起こります。

  • めまいでぐるぐるする
  • ふらふらして、平衡感覚が取りにくくなる
  • 目のまえが暗くなる
  • 気が遠くなる
  • ものが二重に見える など


症状は一過性ですが、放置しているとくり返しあらわれるようになります。
最近の調査では、脳梗塞につながる例も少なくないことがわかってきています。

50代・60代以降で高血圧や高脂血症の方は、この椎骨脳底動脈循環不全が原因となってめまいが起きているのかもしれません。

予防策としては、動脈硬化を起こさないように生活習慣を改善する必要があります。

脳や耳以外が原因のめまい


めまいの多くは耳や脳の異常によって起こるとされていますが、それ以外にも日常生活の中に原因が潜んでいることがあります。

特に、長時間のデスクワークやスマートフォンの使いすぎによる首こり、ストレスや更年期による自律神経の乱れには注意が必要です。

ここからは、脳や耳以外の原因で生じるめまいについて解説します。それぞれ見ていきましょう。

肩こりや首のこりが原因のめまい(頚性めまい)

めまいの原因の1つに「頚性めまい」があります。頚性めまいは、首や肩こりによる血行不良や、自律神経の不調などがきっかけで起こるめまいです。

長時間のデスクワークやスマートフォンの操作、姿勢の悪さなどが関係しており、30〜50代の方に多く見られます。症状はめまいに加えて、頭痛や肩こり、首のだるさなどを伴うのが特徴です。安静にしたり、ストレッチしたり、温めたりすることで症状が軽減することもあります。

頚性めまいを予防するには、長時間のパソコン作業を控えたり、スマートフォンを操作する時間を減らしたりするなど、無理な姿勢を続けないことが大切です。慢性的に続く場合は整形外科や耳鼻科で相談してみましょう。

頚性めまいを予防する方法

自律神経の乱れ(ストレス・更年期)によるめまい

ストレスが溜まっている方や、更年期を迎える年代の方は自律神経の乱れが原因でめまいが起こりやすいので注意が必要です。

自律神経は、心拍数や血圧、消化機能など、身体のバランスを保つ重要な神経です。仕事や家庭のことでストレスが続いたり、夜眠れなかったりすると、自律神経が乱れて身体の調子が崩れることがあります。

また、更年期にはホルモンバランスが変化しやすくなります。結果として、自律神経の乱れにつながり、ふわふわした感じやクラクラするようなめまいが起こるのです。

こうしためまいを改善するには、ストレスをコントロールすることが大切です。深呼吸や軽い運動、アロマ、音楽など、自分に合ったリラックス方法を見つけましょう。

更年期が関係している場合には、生活習慣の見直しが重要です。ホルモンバランスを整えるため、サプリメントを使用するのも良いでしょう。気になる症状がある場合は、自己判断せず早めに医師の診察を受けることが大切です。

自律神経の乱れによるめまいを予防する方法

なお、めまいが起きた時の対処方法や、セルフケアの方法は以下の記事で解説しています。詳細はこちらをご覧ください。

そのめまいは放置して大丈夫? 原因や対処法、受診の目安を解説

ふいに感じた「めまい」に、不安を覚えたことのある方も多いのではないでしょうか。

めまいは繰り返すと日常生活に支障をきたすこともあります。この記事では、めまいの原因や種類、予防法や対処法をわかりやすく解説します。自分のめまいのタイプや受診の目安がわかり、適切な対処や予防ができるようになるので、ぜひ最後までご覧ください。

めまいは何科を受診するべきか? 迷った時の受診の目安

 

めまいの原因の多くは耳にあるといわれています。そのため、まずは耳鼻咽喉科の受診を検討しましょう。特に、「頭を動かすとふらつく」「耳鳴りや聞こえにくさを伴う」といった症状があれば、耳の病気が疑われます。

一方、「呂律が回らない」「手足がしびれる」「激しい頭痛がある」といった症状を伴う場合は、脳の病気の可能性があります。その場合は、脳神経内科や脳神経外科の受診が必要です。迷ったままにせず、症状の特徴に応じた専門科へ早めに相談しましょう。

なお、脳の病気の症状については、以下の記事で詳しく解説しています。

脳梗塞でよくおきる3つの症状

脳梗塞は、発症前の前兆が少ないケースが多いことで知られています。 発症時におこりやすい症状を知り、近しい違和感を感じたらすぐに医療機関でチェックすることをおすすめします。

脳ドックで予防意識を高めましょう


脳ドックで予防意識を高めましょう
めまいの原因としては、血圧が低かったり、ストレスが原因で身体に疲れが溜まっていたりする場合も多く、原因がはっきりとしないケースが多いのも事実です。
しかし一方で、脳梗塞のような病気が原因となっていることもあります。

脳の健康状態が気になる方で、脳ドックを受診されたことがない方は、ぜひ一度脳ドックを受けてみてはいかがでしょうか。
脳ドックでは将来的な脳疾患リスクを調べることができます。
予防への意識を高めるうえでも、自分の脳のことを客観的に知っておきましょう。

また、体調に変化がなくても、検査を通じて現状を知っておきたいという方もいるでしょう。

スマート脳ドックは、MRIを活用して脳の状態を画像で確認できる検査です。

予約から検査までの流れを効率化することで、忙しい方でも受診しやすい体制を整えています。

検査内容や費用など、詳しくはこちらのページもご覧ください。

記事についてお気づきの点がございましたら、
編集部までご連絡いただけますと幸いです。
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監修医 伊藤 晴紀 (いとう・はるき)
クリニックファーストエイド 院長
科目 内科・皮膚科・アレルギー科

2023年に千代田区神田で「スキマ時間に通える」をコンセプトとして忙しい方のために空いたスキマ時間、昼休みや仕事終わり、休みの日にも通える内科・皮膚科・アレルギー科のクリニック「クリニックファーストエイド」を開設。

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