大脳白質病変ってなに? 病変の仕組みや、種類・グレードについて解説
大脳白質病変は、グレード(症状の進行度)が進むと重大な脳疾患につながると言われています。しかし、白質化は加齢によっても起こる変化なので、症状が出ているからといって、必ずしも怯える必要はありません。この記事を読んでいただくと、大脳白質病変の仕組みや、健康リスク、グレードについて理解することができます。30~40歳代でも白質病変が進行中? 若いうちから脳ドックで脳疾患リスクを管理!
健診で見つかる「白質病変(慢性虚血性変化)」とは?
「白質病変(慢性虚血性変化)」とは、血流不足によって大脳白質に起こる変化です。
発症には高血圧、糖尿病などの生活習慣病や、加齢、喫煙など様々な要素が関連するとされています。
症状は軽度な場合が多く、自覚症状がないこともあります。一方で、進行すると認知機能の低下や歩行障害、視覚障害などの要因になるといわれているため、注意が必要です。
また、白質病変は、MRI(磁気共鳴画像)検査で発見されます。進行を遅らせるためには検査による早期発見、高血圧や糖尿病などの生活習慣病を予防することが大切とされています。生活上の注意点については記事の後半で解説します。
白質病変の詳細については、以下の記事をご覧ください。
<受診者データ概要>
40歳代では約25%、50歳代では半数近くに認知機能の低下と、脳梗塞のリスクにつながる大脳白質病変が確認されています。
将来のクオリティオブライフの向上のために、「脳ドック」が有用とされています。
30歳代では約15%、40歳代では約25%、50歳代では半数近くに「Grade1」以上の大脳白質病変が認められました。
【引用元:https://smartscan.co.jp/news20220111/】
脳の血流が悪くなることで生じる大脳白質病変は、脳梗塞や認知症の危険因子であるといわれています。病変がない「Grade0」から最も重度の「Grade4」までの5段階で評価します。
大脳白質病変は年齢を重ねるにつれてあらわれる可能性が高まる一方で、無治療やコントロール不良の高血圧があると若年でも出現し、増悪しかねません。
大半は無症状のまま進行するため、生活の中では認知しにくく、一度病変が出現すると改善することはないといわれています。
▷大脳白質病変について詳しく知りたい方はこちら
大脳白質病変ってなに? 病変の仕組みや、種類・グレードについて解説
大脳白質病変は、グレード(症状の進行度)が進むと重大な脳疾患につながると言われています。しかし、白質化は加齢によっても起こる変化なので、症状が出ているからといって、必ずしも怯える必要はありません。この記事を読んでいただくと、大脳白質病変の仕組みや、健康リスク、グレードについて理解することができます。
大脳白質病変は、通常の健康診断や脳CT検査では見つけることができず、MRI検査により発見することができます。
そのため、早期発見には「脳ドック」により定期的に脳の状態を確認することが重要です。
▷脳ドックについて詳しく知りたい方はこちら
脳ドックとは何か? 検査の内容から受診をおすすめする方、費用、注意点まで解説
脳疾患は仕事やプライベートに大きな影響を与えます。脳梗塞や脳出血を発症すると、もとの生活には戻れない方も多いです。脳ドックは未病段階の脳の状態を把握することができ、早期発見、早期治療のために有用な検査です。この記事では脳ドックの検査内容や、見つけることができる疾患、特に受診をおすすめする方について説明します。
病態が進行してからの予防は困難です。
病変を早期に発見し、ライフスタイル(運動不足・睡眠不足・肥満など)の改善や、生活習慣病(高血圧症、脂質異常症、糖尿病など)の治療などを通して病変の進行を抑えることが、将来的な脳梗塞や認知機能低下の予防や、生活の質の向上につながるとされています。
「脳ドック」受診者の約半数は30~40歳代

脳ドックの受診者の男女比はほぼ1:1で、大きな差はありません。
年齢別にみると、働き盛りである30歳代(12.56%)と40歳代(31.25%)が多く受診しています。

全体の約7割が脳ドック初受診
全体の約72%は、これまでに脳ドックを受けたことがなく、初めての受診でした。
世代別にみると60歳代の約59%、70歳代の約55%で初受診である一方、働き盛りの年代である30歳代は約87%、40歳代は約77%が初受診と、世代により大きな差がありました。
50歳代の2人に1人に大脳白質病変がみられる
脳ドック受診者のうち、認知機能の低下と脳梗塞のリスクとなる「Grade1」以上の大脳白質病変が見られる割合は、30歳代では約15%、40歳代は約25%、50歳代は約45%でした。

「高血圧がある」と答えた受診者の方が大脳白質病変のGradeが高い傾向
高血圧の有無(*1)別に大脳白質病変のGradeを見ると、「高血圧がある」と答えた受診者に「Grade3」以上の異常が見られる割合が高くなりました(*1:受診時の問診による自己申告)。

白質病変は治る? 「消える」ことはあるの?
白質病変は、完全に消えることはないとされています。大切なのは、進行を遅らせたり症状を軽減したりするための対策を行うことです。
例えば、規則正しく食事をとったり、適度な運動をしたり、生活習慣を改善して高血圧や糖尿病などを管理すれば、白質病変の進行を遅らせられる可能性があります。
また、脳卒中予防の観点から抗血小板剤、抗凝固剤の使用が検討されることがあります。治療に関しては医師に相談しながら進めましょう。
定期的な健診も重要です。早期発見により、適切な予防策や治療を開始することで、白質病変の進行を遅らせられる可能性が高まります。
進行を食い止める! 今日からできる3つの改善アクション
大脳白質病変の進行を遅らせるためには、日常的な生活習慣の改善が重要です。ここからは、今日から始められる具体的な3つのアクションをご紹介します。

1. 規則正しい食事とバランスの取れた栄養管理
脳の健康を保つためには、バランスの良い食事が大切です。特に、野菜や果物、魚介類などは抗酸化物質が豊富に含まれており、認知症予防の観点からも注目されています。
食事は健康維持の基本です。主食、主菜、副菜を意識しながら、様々な食品を組み合わせて、必要な栄養素をバランス良く摂取しましょう。
食事については以下の記事をご覧ください。
脳の活性化に役立つ食べ物は? 食事に組み込みたい11のブレインフード
人間の体重のうち、脳は全体重のわずか2%程度。しかし私たちが一日に消費するエネルギーのうち、約20%は脳が占めています。そのため脳が疲れてしまうと、忘れっぽくなったり、判断力が鈍ったりします。そこで取り組みたいのが脳の活性化。脳にいい栄養素を食事から摂取することで、脳の健康を維持することができます。
2. 適度な運動
運動は血液循環を良くし、筋肉にエネルギーや酸素を供給するために必要です。
毎日のウォーキングやジョギング、ヨガなど、続けやすい運動を習慣化することが大切です。特に、有酸素運動は脳の血流を促進し、認知機能の維持に役立つとされています。
運動習慣を身につけるコツについては以下の記事をご覧ください。
ランニングが続かない人必見! 走ることで脳が活性化! 運動習慣を身につけよう!
ランニングで脳の前頭前野が広範囲に活性化することが明らかになりました。生活習慣病を予防する意味でも、運動習慣を身につけるのは非常に大切ですが、多くの方が走る習慣を身につけるのを難しいと感じているようです。今回は運動習慣ゼロのところから、どのようにすれば走る習慣を身につけられるかをご紹介いたします!
3. 禁煙とアルコールの節制
喫煙は白質病変の危険因子だと考えられています。また、過度のアルコール摂取は、高血圧や動脈硬化により、脳卒中や心筋梗塞などのリスクを高めるとされています。
禁煙を心がけ、アルコールの摂取量を制限することで、脳の健康を守りましょう。また、定期的に医師の指導を受けることも重要です。
未病対策は早期に始めることが大切
歯の治療などでも、30歳代〜40歳代になると神経を取ったり、インプラントをしたりと多くの費用がかかる方が多いでしょう。
その時に「もっと早くケアを始めておけば、こんなに費用がかからなくて済んだのに」と考える方も多いはず。
脳疾患に対しても同じことがいえます。
まだ十分に若いうちからケアを始めておくことで、将来の脳疾患リスクを低くできる可能性があります。
脳ドックが気になった方は、ぜひ以下の記事も一読してみてはいかがでしょうか。
編集部までご連絡いただけますと幸いです。
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・日本内科学会認定内科医
・日本脳卒中学会専門医
・日本神経学会専門医・指導医
・日本脳神経血管内治療学会専門医
・臨床研修指導医
2012年熊本大学医学部医学科卒業
おもに経皮的血栓回収療法を中心とした脳卒中診療を主軸に、神経救急疾患からパーキンソン病関連疾患や認知症性疾患など幅広く診療を行っています。臨床教育にも興味があり、わかりやすい解説と指導を心がけています。