認知症予防の新常識|食事・運動・生活習慣で脳を守る方法とは?

2026/02/12
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「親が高齢になり、認知症にならないか心配」「認知症の予防って何をすればいいのかわからない」。

このように認知症に漠然とした不安を抱えていても、具体的な予防方法を理解している方は少ないのではないでしょうか。認知症を予防するためには、食事、運動、睡眠などの生活習慣を見直すことが重要だと言われています。本記事では、認知症を予防するための具体的な方法を解説します。認知症のリスクを減らすためのヒントをご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
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目次

なぜ認知症予防が重要なのか


認知機能の低下は、本人だけではなく家族の生活にも影響を与えることがあります。

九州大学が公開した「令和5年度『認知症及び軽度認知障害の有病率調査並びに将来推計に関する研究』」によると、国内で認知症を患っている高齢者は、2022年時点で443万人と推計されています。

物忘れなどの軽度認知機能障害が認められるが、日常生活は自立しているため認知症とは診断されない軽度認知障害を含めると、65歳以上の高齢者のうち、27.8%が「何らかの認知機能低下がある」と推計されているのです。認知症の方は、今後も増えると考えられており、私たちの身近な問題となっています。

認知症予防に効果的な生活習慣とは


認知症予防には、バランスの良い食事や運動、睡眠、社会参加などが重要です。それぞれ、詳しく見ていきましょう。

バランスの取れた食事で脳の健康を支える

バランスの取れた食事は、認知症のリスクを減らすために効果があると言われています。

例えば、青魚に含まれるドコサヘキサエン酸(DHA)は、心血管リスクとの関連が報告されており、認知症リスクの低減につながる可能性が示唆されています。

野菜や果物、大豆製品の摂取も大切です。これらの食品には抗酸化性があるとされる栄養素を含むものもあり、認知機能の維持につながる可能性があるとされています。

なお、塩分、脂質、糖分の摂り過ぎは、高血圧や糖尿病などの生活習慣病の原因となる恐れがあります。結果として、血管性認知症の発症リスクが高まることがあるため注意しましょう。

生活習慣病については、以下の記事をご覧ください。


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ウォーキングや水泳などの有酸素運動を習慣に

有酸素運動は脳血流を改善し、認知機能の低下を抑制する効果があると言われています。
世界保健機関(WHO)が2019年に発行した「認知機能低下および認知症のリスク低減のためのガイドライン」では、「65歳以上の成人は、週あたり150分の中強度有酸素運動、週あたり75分の高強度有酸素運動、または、同等の中等度〜高強度の運動を組み合わせた身体活動を行うこと」が推奨されています。

中強度の運動には「階段の昇降」「軽いジョギング」など、高強度の運動には「なわとび」や「階段を使った重い荷物の運搬」などが該当します。

運動は筋力を保つだけでなく、転倒の予防や身体の動きやすさの向上にもつながります。転倒による入院や活動量の低下は、認知症の進行を早めることがあるため、日常的に運動を続けることが大切です。

運動を継続するためのポイントは、以下の記事で解説しています。


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十分な睡眠と感覚器(視力・聴力)のケアを忘れずに

睡眠不足や睡眠障害は、脳機能の低下や認知症の進行リスクを高めるとされています。快適な睡眠環境や寝る前のリラックス習慣を心がけましょう。

また、難聴や視力低下は社会的孤立につながりやすく、認知機能低下につながる恐れがあると言われています。補聴器の利用や白内障手術などにより、他者との会話や交流の機会を維持することも重要です。

睡眠による影響については、以下の記事をご覧ください。


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社会とのつながりと知的活動が脳を刺激する

会話や趣味、地域活動への参加は脳を活性化させる働きがあると言われています。積極的に友人や家族とコミュニケーションをとって認知機能の維持に努めましょう。

孤立やうつ傾向が高まると、認知症のリスクが増加する可能性があるため注意が必要です。ボランティアや、趣味サークルなどの社会参加は、新たな刺激につながります。

年齢別の認知症予防策


認知症予防のためには、年齢に合わせて生活習慣や意識を変えることが大切です。

20〜30代|生活習慣を整え「脳貯金」を増やす

若いうちに身につけた生活習慣は、中年期以降の認知症リスクの低減につながると言われています。

20代から30代は、仕事や勉強に没頭しやすい年代ですが、情報過多による脳の疲労も考慮し、セルフケアを意識しながら生活しましょう。

例えば、夜更かしや偏った食事を避け、バランスの良い食生活や適度な運動、趣味や友人との交流を楽しむことが大切です。

20代の健康管理については、以下の記事をご覧ください。


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40〜50代|生活習慣病と脳の関係を意識する

40代以降は高血圧や糖尿病、脂質異常症といった生活習慣病のリスクが高まります。

これらの疾患は脳血管や認知症の発症に大きく関係しているため、健康診断でリスク因子を定期的にチェックすることが重要です。

食生活や運動習慣を見直し、生活習慣を整えることが認知症予防のポイントになります。家庭や仕事で忙しくても、日々の健康管理を意識しましょう。

40代の方のリスクについては、以下の記事をご覧ください。


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60代以降|早期発見と生活の質維持を両立

認知症の方の割合は、加齢とともに増えていくと言われています。軽度認知障害の兆候として、物忘れや注意力の低下があらわれることがあるため注意が必要です。

気になる症状があれば早めに専門の医療機関を受診しましょう。認知症の早期発見と進行の抑制につながります。定期的な受診や検査については、医療機関で相談のうえ、必要に応じて脳ドックなどの健診を検討するのがよいでしょう。

無理のない運動や趣味の継続は、社会との関係を保つことにも役立ちます。生活の質を落とさないためにも、小さな習慣から意識しましょう。

50代、60代の健康については、以下の記事をご覧ください。


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家族や介護者ができる認知症予防サポート


認知症予防には、家族や介護者のサポートが大切です。受診のタイミングと、介護者ができる生活支援について見ていきましょう。

家族が意識すべき「初期症状」と受診のタイミング

認知症の初期には、物忘れが増えたり、怒りっぽくなったり、会話のつじつまが合わなくなったりするといった変化が起こることがあります。

認知症の早期発見のためには、これらを「年齢のせい」と決めつけず、早い段階で医療機関を受診することが重要です。

受診先はかかりつけ医や物忘れ外来など、専門的な診断ができる施設を選びましょう。周囲の方が初期症状に気づくことで、本人の安心した生活につながります。

介護者ができる「孤立予防」と「生活支援」

介護者は、本人が孤立しないように支援することが大切です。会話を増やしたり、本人に役割を持ってもらったりしながら「必要とされている」という実感が持てるように接しましょう。

社会参加を促すために、地域包括支援センターやデイサービスなどの社会資源を活用するのも良いでしょう。環境を整えて、本人と介護者の双方の生活の質を高めることが重要です。

まとめ|認知症予防は「いまできる小さな習慣」から


認知症の予防にあたっては、食生活や運動、社会活動、睡眠など日々の生活習慣が重要です。

認知症の問題は他人事ではありません。年齢に応じた対策やサポートを意識しながら、リスクの軽減に努めましょう。

不安を感じたら専門の医療機関へ相談するのも良いでしょう。定期的に健康チェックすることで安心した生活につながります。

記事についてお気づきの点がございましたら、
編集部までご連絡いただけますと幸いです。
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監修医 大竹 誠 (おおたけ・まこと)
横浜市立大学 脳神経外科 医局長、救急科 助教
・日本救急医学会専門医
・日本脳神経外科学会専門医・指導医
・日本脳神経外傷学会専門医・指導医
・日本脳卒中学会専門医・指導医
・日本認知症学会専門医・指導医
・日本脳ドック学会認定医
・日本がん治療認定医機構がん治療認定医
・日本医師会認定産業医
・臨床研修指導医
2007年 東北大学医学部医学科卒業
横浜市立大学大学院医学研究科で博士号取得
救急医療、脳神経外傷、認知症を専門とし、脳卒中・頭部外傷の急性期治療から慢性期の認知機能評価まで幅広く対応しています。ドイツ(チュービンゲン大学 統合神経科学センター)・米国(サウスカロライナ医科大学)での研究経験を活かし、臨床・教育・研究のバランスを重視した医療の実践に努めています。

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