2021/08/17 ( 更新日 : 2022/07/20 )

脳ドックで認知症って診断できるの? 認知症の基本と診断までの流れ

症状
脳ドック 認知症
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認知症は年齢を重ねると誰でもなるリスクがあるものですが、脳ドックでは認知症を診断することができるのでしょうか? 今回の記事では、認知症の基本と、脳ドックで認知症の診断は可能なのか? ということ、また認知症診断までの流れについてなどをご紹介いたします。
目次

認知症は病気とは違うの?

認知症は脳疾患や障害などの原因によって認知機能が低下して、日常生活に支障をきたした状態のことです。
認知症をもの忘れと混同される方が多いですが、記憶の消失だけではなく、理解力・判断力などに大きな影響があるため、認知症になると生活が難しくなることが多いです。

もの忘れの場合は、何かきっかけがあれば思い出すことができますが、認知症では体験したこと自体を思い出せません。忘れたことを自分で自覚することもできないため、自分ではなく周囲の方が異変に気づくケースもよく見られます。

認知症の種類

認知症は大きく3種類に分けられ、これらは3大認知症といわれます。

アルツハイマー型認知症

アルツハイマー型の認知症は、最も割合が多いことで知られます。
原因としては、脳に特殊なタンパク質が溜まることで神経細胞が傷つき、海馬などをはじめとして脳全体が萎縮(脳の神経細胞が死滅)することが知られています。
女性に多いのが特徴。

レビー小体型認知症

レビー小体型認知症は、認知機能が「いいとき」「悪いとき」が波のように変化するため、周囲の方から見ても病気であるとなかなか気づかれにくいです。
原因としては「レビー小体」と呼ばれる特殊なタンパク質が、脳の大脳皮質や、脳幹にたくさん集まることが関係しています。

レビー小体が多く集まっている場所では、神経細胞が破壊されて減少しているために、神経が本来の活動ができずに、認知症の症状となって異変が現れます。

血管性認知症

血管性認知症は、脳梗塞や脳出血などが原因となり、脳の血行が阻害されることで症状になります。阻害された部分で脳の細胞が壊死することが多く、この壊死した脳の部位によって体に起きる症状は異なります。

脳ドックを受けて認知症の診断はできる?

脳ドックでは、脳の状態をMRI・MRA検査を用いて確認します。

特に脳の血液が行き渡っていない部分を確認することや、脳が年齢の平均よりも萎縮している(脳は加齢とともにいくらか萎縮をします)ことなどを確認できます。

脳ドックでは、無症状の脳梗塞や脳出血などの血管性認知症の要因に気づくことができますが、認知症と診断するには他の検査も合わせて行う必要があります。

認知症かどうか判断するには、医師による認知症自己診断テストが必要なことは知っておきましょう。

認知症を診断する際の流れ

認知症を診断する流れは以下の通りです。

1.問診

医師と直接話すことで、記憶力やちゃんと話を理解できるかどうかなど、認知的な能力を探っていく。ご家族の方にも、いつ頃から気になる症状が出ているか、などが質問されることもある。

2.身体検査

認知症を発生させる病気になっていないかを調べる目的で、尿検査、血液検査、内分泌検査、心電図検査などを行う。

3.画像検査

脳の形や内部の状態を見ることで、脳疾患が進行していないか確認する目的で行われる。
脳ドックはMRI・MRA検査を行うが、それ以外にも脳の働きを調べるSPECT検査(脳の血流を調べる検査)、PET検査(脳の糖代謝を調べる検査)なども合わせて行われることがある。

表1 検査名と内容
検査名 内容
SPECT検査 微量の放射性物質を含んだ薬を飲んでもらい、臓器の状態を調べる。
PET検査 体内に放射性薬剤を投入して、放出される放射線の動きから脳の働きを画像にする。

脳ドックについて知りたい方はこちら

脳ドックとはなにか? 検査の内容、受診をおすすめする方、費用や注意点について解説

脳の病気は、仕事やプライベートに大きな影響を与えます。脳梗塞や脳出血を発症してしまうと、もとの生活には戻れない方も多いです。しかし日本では、まだまだ定期的な脳ドックをしている方が少ないのが現状。脳ドックは未病段階(病気になる前)の状態を把握することができ、早期発見、早期治療のために有用な検査です。この記事では、脳ドックの検査内容や見つかる疾患、受診をおすすめする人についてご紹介いたします。

4.神経心理学的検査

最後に行われるのが、知的機能、認知機能、記憶、実行機能が正常か判断するためのテスト。臨床心理士と対面で行われる。

検査内容の多くは口頭での質問や、文字・図形・絵などを書いてもらうものが多く、時間的には1時間程度で実施される。

まとめ

認知症かどうかを診断するのは、脳ドックだけ行えばわかるというものではありません。
「問診」「身体検査」「画像検査」「神経心理学的検査」。
この大きく分けて4つの検査で、総合的に認知症かどうかを判定します。

認知症は、現在は根本的に治療することのできる病気ではありません。
認知症にならないためには、脳疾患を予防するための取り組みが必要。
脳ドックや、定期的な健康診断、日頃の生活習慣改善によって、認知症になる前からケアを行うことが重要になります。

また、認知症でも早期発見ができれば、運動や食事の改善などで、症状の進行を遅らせることが可能です。

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2021/08/17 (更新日:2022/07/20)

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監修医 知久 正明 (ちく・まさあき)

メディカルチェックスタジオ東京銀座クリニック院長・医学博士
病気になる前に治すという『未病』を理念に掲げていきます。循環器内科分野では心臓病だけでなく血管病まで診られる最新の医療機器を備えたバスキュラーラボで、『病気より患者さんを診る』を基本として診療しています。

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