2023/12/20 ( 公開日 : 2022/11/07 )

急性虫垂炎(盲腸)とは? 痛みをがまんしないで夜間や休日でも病院へ行きましょう

症状
消化器 炎症
この記事は約3分で読めます
大腸の入り口には虫垂(ちゅうすい)という5-10cm程度の突起物があり、この虫垂が炎症を起こすと急性虫垂炎という病気になります。「盲腸」という呼び名で広く知られている病気です。頻度の高い病気ですが、治療が遅れると命にも関わります。今回の記事では急性虫垂炎について、基本的な内容を解説いたします。
目次

急性虫垂炎(盲腸)とは?

急性虫垂炎とは、腸の中でも盲腸という部分から垂れ下がっている、虫垂と呼ばれる部分が炎症を起こすことで起こります。
幼児や高齢者を含め男女問わずどの世代にもみられますが、一般的には若い世代である10〜20代の方の発症が多いといわれています。

原因

急性虫垂炎の原因はすべてが解明されているわけではありませんが、虫垂の中に便(糞石)や植物の種などの異物が入り込むことによって細菌感染を引き起こし、発症するといわれています。
便秘・みだれた食生活・ストレス・過労といった日常生活の不摂生によっても誘発されると考えられています。

症状

当初はみぞおちあたりの痛み、むかつきを感じる程度ですが、次第に(おおよそ24時間以内)右下腹部に痛みを感じるようになります。
この状況ですでに炎症が起きていますが、ここで放っておくとさらに炎症が進んでしまい、高熱が出たり、お腹が突っ張ったような感じで歩行が困難となったり、下腹部の痛みに耐えられない状態になります。

さらに症状が進行して虫垂が破れてしまった場合には、膿がお腹に広がって腹部全体に強い痛みがあらわれます。
この状態になると命に関わることもあるため、急性虫垂炎を放置するのは危険なのです。

検査方法

急性虫垂炎は放置してはいけません。場合によっては命にも関わります。
症状の出始め、とくに痛みが右下腹部に移動するような感覚があった場合には、できるだけ早期に病院を受診する必要があります。

夜にこのような状態になった場合には、眠ってしまうのではなく、夜間救急を利用したり、救急車を呼ぶことが必要です。

検査方法としては、

  • 問診、触診
  • 血液検査
  • 腹部CT検査
  • 腹部超音波検査

などを行います。

治療方法

急性虫垂炎の治療はなるべく早い方が、体への負担も軽減できます。
以前は外科的治療(切除)が基本でしたが、近年は抗菌薬や画像診断の進歩に伴い、外科的切除後の術後合併症を回避する目的で、内科的治療(抗菌薬投与)を行うことも多くなっています。

内科的治療を行うか、外科的治療を行うかはケースごとに選ばれるようになってきています。
多くのケースでは(8割以上)内科的治療で症状が改善しますが、実際に治療を行う担当医から、それぞれの治療法の説明を十分に受けた上で治療法を選択するようにしてください。

内科的治療

炎症が軽い場合には、入院で安静を保ちながら抗菌薬点滴を行います。
炎症が軽くなって、痛みが軽減されれば内科的治療を継続します。

内科的治療開始から2日経っても、症状や炎症の改善が認められない場合は、手術を検討することが望ましいと報告されています。
内科的治療を選択された場合、5年以内に再手術となったケースが30-40%あると報告されており、治療後も注意が必要です。(*1)

外科的治療

虫垂の周囲に膿が溜まっているとき、または虫垂が破れてしまっているときには、基本的には緊急で手術が行われます。
またそこまでの状態には至っていなくても、炎症の所見が強くみられるときには、外科手術が行われることが多いです。

外科的治療には、開腹手術と腹腔鏡手術があります。

急性虫垂炎(盲腸)は早期受診が大切!

時間経過とともに、体に大きな負担がかかってくる急性虫垂炎は、早期受診がとても大切です。
痛みがかならずしも強くなく、病院に行っても腹痛の原因が明確ではないというケースも多々あります。
しかし症状が治らない、悪くなっていく一方であれば、休日や夜間でもなるべくすぐにもう一度病院に行くように心がけましょう

痛みを放置しないように、日頃から気をつけることをおすすめいたします。

(*1)David A. Talan, M.D:Treatment of Acute Uncomplicated Appendicitis:N Engl J Med 2021; 385:1116-1123

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監修医 緒方 文大 (おがた・ふみひろ)
愛和クリニック院長・内科学会認定医

京都府立医科大学卒業後、虎の門病院入職。内科全般を学び、その後がんや慢性疾患を多く扱う消化器内科医に。『健康防衛・健康増進』の重要性を痛感。『患者様の健康増進のために本気で取り組みたい』という強い想いで、愛和クリニック開業。

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