2022/06/08 ( 更新日 : 2022/06/22 )

脂肪肝はどうやって治せばいいの? 血液検査だと発見できない場合もあるってほんと!?

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アルコールによる肝機能障害はよく知られていますが、お酒をあまり飲んでいない方でも、脂肪肝になる方が増えています。脂肪肝は自覚症状がほぼないため、健康診断で指摘されても気にしないことが多いです。しかし脂肪肝は放置しておくと脂肪肝炎になってしまい、その後は肝硬変や肝がんになってしまう方もいます。
目次

脂肪肝とは?

脂肪肝とは、肝臓に脂肪がたまった状態のことです。肝臓の細胞のうち、約3割以上に脂肪がたまると脂肪肝と診断されます。
脂肪肝が存在する方は脂質異常症やメタボリックシンドロームを合併する頻度が高くなります。

脂質異常症やメタボリックシンドロームを放置していると、動脈硬化が進行し、心筋梗塞や脳梗塞などにつながる危険性も増えます。

脂肪肝の原因

脂肪肝と聞くと、一般に過剰な飲酒が原因であると想像する方も多いのではないでしょうか? 最近の傾向としてはアルコールの過剰摂取以外にも過食や運動不足による脂肪肝が増えています。

食事で摂取した脂質や糖質は小腸で吸収されて、肝臓に運ばれて中性脂肪がつくられます。
この中性脂肪は有酸素運動などで消費されますが、過食などで1日に必要な量以上のエネルギーがたまり続けると、使いきれずに内臓脂肪や皮下脂肪として保存されます。
肝臓に余った脂肪がたまりすぎると脂肪肝になってしまいます。

脂肪肝の症状

脂肪肝にはほとんど自覚症状はありません。
ただし脂肪肝が進行して脂肪肝炎や肝硬変になると、肝機能障害による全身倦怠感や腹部膨満感などの症状が出ることがあります。

脂肪肝の種類

脂肪肝は飲酒によって引き起こされたもの(アルコール性脂肪肝:AFL)と、そうではないもの(非アルコール性脂肪肝:NAFL)に大きく分けることができます。

アルコール性脂肪肝

お酒の飲み過ぎによって、肝臓に中性脂肪が溜まった状態です。
アルコールが原因で肝臓に炎症が起こった状態は、アルコール性脂肪性肝炎といい、肝硬変の前段階になります。

非アルコール性脂肪肝

お酒をあまり飲まない人でもみられる脂肪肝です。肥満、糖尿病、脂質異常症などでインスリンが低下、肝臓に脂肪がたまった状態です。
進行した場合には非アルコール性脂肪肝炎(NASH)になり、のちに肝硬変や肝がんにつながります。

脂肪肝の検査

脂肪肝は血液検査や、腹部CT検査、腹部超音波検査、エラストグラフィー検査などの結果を照らし合わせて診断します。

血液検査

AST(GOT)、ALT(GPT)

肝臓にダメージが与えられると細胞が破壊され、血液中には肝細胞でつくられる酵素であるAST、ALTが増加します。このことからASTとALTが高い数値を示していると、肝臓が破壊されているとわかります。
アルコール性脂肪肝はASTが高くなりやすく、非アルコール性脂肪肝はALTが高くなりやすいとも言われています。

▽詳しくはこちら

AST・ALT・γ-GTPなどの数値は大丈夫? 肝機能検査で重要な数値について解説!

肝臓は「沈黙の臓器」という異名を持ちます。肝臓で異常が起こっても、軽度の場合には症状がないことも多く、気づいたときには重症化しているケースもあります。

最近ではAIによる脂肪肝の予測や、肝臓の線維化の指標としてFIB4-indexも用いられます。

腹部CT検査

X線を使用して体を輪切りにしたような断面図を撮影できる検査です。
脂肪肝になるとCT値が低くなり、肝臓が他の臓器と比較して黒く描出されます。

腹部超音波検査

CTと違い、腹部超音波検査では脂肪肝は高輝度に(白く)描出されます。
特に腎臓と比較して肝腎コントラスト(肝臓が高輝度/腎臓が低輝度)があると脂肪肝と診断されます。
さらに進行すると深部減衰が起こり、深い部分の肝臓が描出されにくくなります。

超音波エラストグラフィー

肝臓の線維化を診断するためには、肝臓に針を指して組織を採取する肝生検がゴールドスタンダードな検査です。しかし体に針を刺すため、ごくまれに合併症が起こることもあります。
最近では侵襲性が低い、超音波を使ったエラストグラフィー検査が取り入れられるようになっています。

▽エラストグラフィーの原理

肝臓は炎症を起こすと修復するときに「繊維化」を起こしますが、超音波エラストグラフィーでは、超音波のつたわる時間から組織の硬さを簡単に知ることができます。

肝臓が柔らかくて健康な状態であれば、振動はゆっくりと伝わりますが、肝臓で線維化が進んで硬くなっていると振動は早く伝わります。

エラストグラフィーの数値が高くなると線維化のステージが上がります。
数値は脂肪肝→脂肪肝炎→肝硬変へと進行度合いの指標になります。

脂肪肝の治療方法

脂肪肝の初期治療としては食事療法、運動療法が中心となります。
肥満の方は適正な体重に減量し、定期的に健診を受けることが重要です。やせ型でも内臓脂肪が多い、かくれ肥満の方は腹囲を参考にすることをおすすめします。

食事療法

  • 飲酒量を減らす、もしくは禁酒
  • 脂質や糖質を減らしてバランスの良い食事を心がける
  • 野菜、海藻、魚(EPA/DHA)を多めにとる
  • 野菜→タンパク質→炭水化物の順で摂取
  • 間食を控える

運動療法

  • 1日20~30分程度の有酸素運動
  • 週2回程度の筋力トレーニング

脂肪肝は人間ドックで見つかりにくい!?

肝臓は「沈黙の臓器」といわれるほど自覚症状が現れにくいことが知られています。
とくにアルコール性ではない脂肪肝は、血液検査では半数以上が見過ごされてしまいます

血液検査では脂肪肝を見ているわけではなく、細胞がダメージを受けた際に血液に現れる数値の変化を見ています。
アルコールを原因とする場合にはその毒性から細胞のダメージが大きくなり、血液検査で見ている数値でも現れやすいです。
しかし近年増えている食べすぎや運動不足が原因の脂肪肝では、細胞の破壊は少ないために数値に出ないことがあります。

こうして血液検査だけでは非アルコール性の脂肪肝に気づくことができずに、症状が出た際には重症化しているというケースが多いです。
国内でもこうした隠れた脂肪肝の方は1000万人近くいるのではないかといわれています。

まとめ|肝硬変に進行させないことが重要です!

脂肪肝は早期であれば、もとの健康な状態に戻すことができます。
しかし健康診断や人間ドックで脂肪肝であることを指摘されても、症状が現れていないために生活習慣をそのままにしてしまう方が多くおられ、脂肪肝炎や肝硬変に進行される方もおられます。

肝硬変になると肝がんの発症リスクが高まりますし、症状が出ていない状態でも日中に倦怠感が現れたりして、QOL(生活の質)を阻害します。

まだ脂肪肝のうちにしっかりと生活習慣を見直して、重大な病気を避けるように注意することが必要となります。

メディカルチェックスタジオにて、CT体脂肪検査 は受診可能です。(※この検査は「CT肺・心血管ドック」とセットでの受診が必要となります)

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2022/06/08 (更新日:2022/06/22)

脂肪肝はどうやって治せばいいの? 血液検査だと発見できない場合もあるってほんと!?

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監修医 知久 正明 (ちく・まさあき)

メディカルチェックスタジオ東京銀座クリニック院長・医学博士
病気になる前に治すという『未病』を理念に掲げていきます。循環器内科分野では心臓病だけでなく血管病まで診られる最新の医療機器を備えたバスキュラーラボで、『病気より患者さんを診る』を基本として診療しています。

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