2022/12/12 ( 公開日 : 2021/08/17 )

脳ドックで認知症って診断できるの? 認知症の基本と診断までの流れ

症状
脳ドック 認知症
この記事は約4分で読めます
認知症は年齢を重ねると誰でもなるリスクがあるものですが、脳ドックでは認知症を診断することができるのでしょうか? 今回の記事では、認知症の基本と、脳ドックで認知症の診断は可能なのか? ということ、また認知症診断までの流れについてなどをご紹介いたします。
目次

認知症は病気とは違うの?

認知症は脳疾患や障害などの原因によって認知機能が低下して、日常生活に支障をきたした状態のことです。

認知症をもの忘れと混同される方が多いですが、記憶の消失だけではなく、理解力・判断力などに大きな影響があるため、認知症になると生活が難しくなることが多いです。

もの忘れの場合は、何かきっかけがあれば思い出すことができますが、認知症では体験したこと自体を思い出せません。忘れたことを自分で自覚することもできないため、自分ではなく周囲の方が異変に気づくケースもよく見られます。

認知症の種類

認知症は大きく3種類に分けられ、これらは3大認知症といわれます。

アルツハイマー型認知症

アルツハイマー型の認知症は、最も割合が多いことで知られます。
原因としては、脳に特殊なタンパク質が溜まることで神経細胞が傷つき、海馬などをはじめとして脳全体が萎縮(脳の神経細胞が死滅)することが知られています。
女性に多いのが特徴。

レビー小体型認知症

レビー小体型認知症は、認知機能が「いいとき」「悪いとき」が波のように変化するため、周囲の方から見ても病気であるとなかなか気づかれにくいです。
原因としては「レビー小体」と呼ばれる特殊なタンパク質が、脳の大脳皮質や、脳幹にたくさん集まることが関係しています。

レビー小体が多く集まっている場所では、神経細胞が破壊されて減少しているために、神経が本来の活動ができずに、認知症の症状となって異変が現れます。

血管性認知症

血管性認知症は、脳梗塞や脳出血などが原因となり、脳の血行が阻害されることで症状になります。阻害された部分で脳の細胞が壊死することが多く、この壊死した脳の部位によって体に起きる症状は異なります。

脳ドックを受けて認知症の診断はできる?

脳ドックでは、脳の状態をMRI・MRA検査を用いて確認します。

特に脳の血液が行き渡っていない部分を確認することや、脳が年齢の平均よりも萎縮している(脳は加齢とともにいくらか萎縮をします)ことなどを確認できます。

脳ドックでは、無症状の脳梗塞や脳出血などの血管性認知症の要因に気づくことができますが、認知症と診断するには他の検査も合わせて行う必要があります。

認知症かどうか判断するには、医師による問診や身体検査、神経心理学的検査が必要なことは知っておきましょう。

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監修医 知久 正明 (ちく・まさあき)
メディカルチェックスタジオ東京銀座クリニック院長・医学博士

病気になる前に治すという『未病』を理念に掲げていきます。循環器内科分野では心臓病だけでなく血管病まで診られる最新の医療機器を備えたバスキュラーラボで、『病気より患者さんを診る』を基本として診療しています。

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