2023/01/18 ( 公開日 : 2021/11/10 )

一次性頭痛/二次性頭痛について解説! 頭痛で病院を受診したときに行う検査って?

検査
脳卒中 頭痛
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頭痛は、わたしたちにとって身近な症状のひとつであり、日本人の3~4人に1人が慢性的な頭痛に悩まされていると報告されています。ただ一言で頭痛と言っても、原因、緊急度や重症度はさまざまで、早急に診断して治療が必要となるものもあります。そこで今回の記事では、頭痛の種類や頭痛を診断する検査について、詳しくご説明いたします。
目次

頭痛の種類

頭痛は、脳の中に器質的(※)な異常を認めない機能的な「一次性頭痛」と、器質的な異常を認める「二次性頭痛」とに分けられます。
一次性頭痛の診断は、病歴や診察で判断できることもありますが、二次性頭痛ではないことを検査によって確認してから診断することもあります。

(※)気質的:ある障害や病変の原因について体の器官のどこなのかが物理的に特定できる状態にあること。

一次性頭痛

一次性頭痛は、脳MRI検査などでは異常を認めませんが、筋肉の緊張や脳血管の拡張や炎症により、脳神経が刺激されることで痛みが生じると考えられてます。

これには脳内の化学物質、頭蓋骨を取り巻く神経や血管、頭や首の筋肉の働きなどが関与している可能性があります。また、頭痛を発症しやすい遺伝子を持っている場合もあります。
一次性頭痛としてよく知られているのは、「片頭痛(偏頭痛)」、「緊張型頭痛」、「群発頭痛」です。

続けてこれらの頭痛について解説します。

片頭痛(偏頭痛)

片頭痛は拍動感を伴う激しい頭痛で、通常は片側に起こりますが、約40%は両側性に認めることがあります。
重症になると吐き気や嘔吐、光や音に極端に敏感になるなどの症状を伴うこともあります。
片頭痛の発作は数時間から数日続くこともあり、痛みが強すぎて日常生活に支障をきたす人もいます。

前兆と呼ばれる警告的な症状が、頭痛の前に起こる人もいます。前兆には、閃光などの視覚障害、顔の片側や腕・脚のしびれなどがあります。

鎮痛薬には、片頭痛を痛みを軽減する効果があります。程度により、発作時に片頭痛を和らげる薬や発作を予防する薬を使うこともあります。

片頭痛(偏頭痛)とは? 痛み止めと頭痛予防薬の違いについても解説!

片頭痛(偏頭痛)に使う薬には、痛み止めと予防薬があるのはご存知ですか? これらの薬を使用するなら使用するタイミングや理由をしっかりと知っておくことが大切です。片頭痛の基本や発生するトリガーとなる事象についても学びながら、ぜひ片頭痛との上手な付き合い方をする参考にしてみてください。

緊張型頭痛

緊張型頭痛は、最も一般的な頭痛で、多くの人が頭が締め付けられるような感覚と表現します。特に後頭部から首にかけて痛みが生じます。

通常は、午後から夕方にかけて痛みが目立つようになります。精神的なストレスがかかることで首や肩の筋緊張が持続し、血流障害が起こること原因だと考えられています。

対処法としては、鎮痛薬を使用するだけでなく、健康的な習慣を実践することも重要です。

群発頭痛

群発頭痛は、最も強い痛みを伴う頭痛のひとつで、一般的に夜中に片側の目の周辺に強い痛みを感じて目が覚めます。

群発とは頻回に発生することを意味しますが、群発頭痛は数週間から数ヶ月も連日痛みを訴えることもあります。また数ヶ月、時には数年にわたって頭痛が起こらないこともあります。

群発頭痛はまれであり、生命を脅かすものではありません。治療によって、群発頭痛の発作の期間を短くすることができますし、薬によって群発の回数を減らすこともできます。

二次性頭痛

二次性頭痛の原因となる疾患、またその重症度は多様です。

二次性頭痛のなかでは、脳卒中として知られる「くも膜下出血」や「脳動脈解離」が頻度も多く重症度も高い原因です。
その他、「脳動静脈奇形」や「脳腫瘍」「髄膜炎」や「急性副鼻腔炎」などの感染症もあります。
また「二日酔い」や「頭部外傷による脳震盪」なども、二次性頭痛の原因となります。

特に生命に関わるものには注意が必要です。

頭痛で病院を受診した際によく行われる検査

頭痛の診断に一番重要な情報は、頭痛の経過や頭痛に伴う症状です。また診察も大切です。

「経験をしたことがないほどの激しい頭痛を突然感じた」という病歴はくも膜下出血を疑いますし、熱があれば髄膜炎を疑います。

また状況に応じて、検査が必要となります。なかでもMRIやCTなどの画像検査はよく行われます。

MRI検査

MRI検査は、X線の代わりに強力な磁力を利用して脳の鮮明な画像を得ることができる検査です。
脳の実質の異常や脳血管の異常などに関する詳細な情報を得ることが可能であり、頭痛の原因が診断できることが多々あります。

なおMRI検査は、CT検査ではわからない情報を得ることができますが、外傷性骨折などの場合は骨の状態が判断できないことや少量の出血を描出できないことがあります。

また、撮像に時間がかかること、狭い空間に入るために閉所恐怖症の人には難しいこと、また金属製の医療機器を体内で使用している人は利用できないなどのデメリットもあります。

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CT検査

CT検査はコンピュータ断層撮影とも呼ばれ、特殊なX線装置と高度なコンピュータ技術を組み合わせた非侵襲的な画像診断法で、体の縦横の断面画像を作成します。

出血や腫瘍があれば、多くの場合CT検査で診断ができますが、炎症や構造の異常はわからないこともあります。

検査そのものは短時間で終わり、すぐに検査ができるところがメリットです。

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血液検査・髄液検査

感染症が原因として考えられる場合、血液検査を行うことがあります。ただ血液検査では感染症の重症度はある程度推測できますが、原因は特定できません。

髄膜炎を疑う時に施行する髄液検査は、腰骨の間に針を通す腰痛穿刺を行って脳脊髄液を集め、その性状を調べる検査です。
髄液検査を行うと、髄膜炎の原因を詳細に判断することができますし、CTでは診断ができないわずかなくも膜下出血を診断できることもあります。
ただし頭蓋内圧が高いときに腰椎穿刺を行うことは危険です。

頻繁に起こる・数日間続く頭痛は病院の受診をおすすめ

頭痛の原因、また頭痛の診断に使用される検査についてご説明しました。

さほど強い頭痛でなくても、いつもとは違う頭痛突然起こった頭痛毎日のように痛くなるなどの症状がある場合は、「頭痛外来」の受診をおすすめします。
診察を受けて適切な検査をしてもらうことで、病気を早く見つけ、早く治療することが可能になります。

普段、頭痛もちのかたが自分の頭の中が気になる時や、脳疾患の家族歴があるかたは脳ドックをおすすめします。状況に合わせて外来診療と脳ドックを使い分け、健康維持を心掛けましょう。

脳ドックとはなにか? 検査の内容、受診をおすすめする方、費用や注意点について解説

脳疾患は仕事やプライベートに大きな影響を与えます。脳梗塞や脳出血を発症すると、もとの生活には戻れない方も多いです。脳ドックは未病段階の状態を把握することができ、早期発見、早期治療のために有用な検査です。この記事では脳ドックの検査内容や、見つけることができる疾患、特に受診をおすすめする方について説明いたします。
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監修医 知久 正明 (ちく・まさあき)
メディカルチェックスタジオ東京銀座クリニック院長・医学博士

病気になる前に治すという『未病』を理念に掲げていきます。循環器内科分野では心臓病だけでなく血管病まで診られる最新の医療機器を備えたバスキュラーラボで、『病気より患者さんを診る』を基本として診療しています。

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