動脈硬化にはどんな種類がある? アテローム(粥状)、中膜、細動脈硬化について解説!
動脈硬化は、血管が硬くなってしまった状態のことです。正常な血管はしなやかで、流れる血液の量が多いと伸びたり広がったりすることができます。動脈硬化は加齢でも起こりますが、ほかの原因でも起こります。この記事を読むことで、動脈硬化の原因、メカニズム、診断・予防方法などを学べます。2023/01/31 ( 公開日 : 2023/01/31 )
脳梗塞・心筋梗塞リスクがわかる血液検査、LOX-indexとは?
LOX-index(ロックスインデックス)とは?
LOX-index(ロックスインデックス)は動脈硬化の進行度を数値化したもので、その値が大きいほど将来の脳梗塞や心筋梗塞のリスクが高いことになります。
血液中で酸化した超悪玉コレステロール「酸化変性LDL」(LAB)と、血管壁の中に取り込んで動脈硬化を進行させる「LOX-1」というタンパク質の状態を検査して、動脈硬化による疾患の発症リスクを導き出します。
LOX-indexの特徴は、従来の血液検査や画像検診では捉えきれなかった動脈硬化の初期段階を捉えられることです。
動脈硬化による疾患の予防や治療が手遅れになるのは、発症するまでの初期症状がわかりにくいことが原因のひとつです。
LOX-indexを用いた検査を受けると、初期段階から重症疾患のリスクがわかり、早期に予防ができます。
酸化変性LDL(LAB)とは?
酸化変性LDL(LAB)とは、活性酸素で酸化されたLDLのことで、一般的な悪玉コレステロール(LDL)の中でもさらに動脈硬化を進める物質です。
活性酸素はストレスやタバコの影響で発生するといわれており、その影響でLABが増加します。LABが血管壁に溜まると、免疫細胞のマクロファージがLABを異物とみなして処理します。
しかしLABを処理したマクロファージは動けなくなり、血管壁に蓄積していきます。
その残骸がアテローム(粥状硬化巣)となり、アテローム性動脈硬化症を引き起こすのです。
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つまり動脈硬化の直接の原因はLDLではなく、酸化されて蓄積したLABであるといえます。
LOX-1、sLOX-1とは
LOX-1とは、血管内壁にあるたんぱく質の一種で、sLOX-1はLOX-1の一部が血管の壁から切り離されて血液中に出てきたものです。
sLOX-1の値が高いと、血管内で炎症が進んでいると考えられます。
さらに血管内の炎症は動脈効果を悪化させる要因です。
つまり血中のsLOX-1の数値を調べて血管内の炎症の度合いがわかれば、動脈硬化の進行の判定が可能となります。
なぜ血液検査で脳梗塞・心筋梗塞リスクがわかる?
血液検査で心筋梗塞や脳梗塞のリスクを判定できるのは、動脈硬化の原因である血管内の炎症の状態がわかるからです。
高血圧や糖尿病は脂質異常症を合併しやすく、増えた血管内のLDLによって血管が炎症を起こし動脈硬化が進行します。
そのため血管内のLDLの量を調べると、心筋梗塞や脳梗塞のリスクがわかります。
しかしLDLが140mg/dlの基準値以内でも、心疾患を発症しているケースがあったり、疫学研究では脳梗塞とLDLとの相関がないとの報告もされたりしています。
動脈硬化はコレステロールや脂質でドロドロになった血液が、血管内壁に付着し、そこに炎症が起きてアテロームが形成し、血管が細く硬くなった状態です。
Lox-indexでは血液内にあるLOX-1(sLOX-1)の値を調べることで、動脈硬化との相関が高いといわれる、血管内の炎症を調べることができます。
脳梗塞が起きるメカニズム
脳梗塞は動脈硬化により血流が悪くなることで起こります。
流れが悪い血液は固まりやすく、血栓となって血流の通りを塞いでしまうのです。
また他の部位の血管内でできた血栓が流されて、脳内の血管の通り道を塞ぐこともあります。
血栓ができると脳の血液循環が正常に行われず、脳虚血になります。
その結果として脳細胞に酸素や栄養素が分配されずに、脳細胞が壊死して脳梗塞となるのです。
そのため動脈硬化の進行をLOX-indexで調べると、脳梗塞のリスクがわかります。
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心筋梗塞は心筋に栄養を分配する冠動脈が詰まって発症します。
そして冠動脈が詰まる原因にも、動脈硬化は深く関係しています。
つまり動脈硬化で血管が硬くなった結果、血流が悪くなり、血液の塊である血栓ができます。
その血栓が血管を完全に塞いで冠動脈が詰まってしまいます。それゆえに血管が細くなって起こる狭心症よりも、さらに重篤な症状を引き起こします。
心筋梗塞を未然に防ぐためには動脈硬化の進行をチェックして、血栓ができるリスクを下げることが重要です。
LOX-indexで検査を受けると動脈硬化の進行を判定して、心筋梗塞リスクを把握できます。
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