脳梗塞・心筋梗塞リスクがわかる血液検査、LOX-indexとは?

2026/04/07
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動脈硬化が進行すると血管が詰まりやすくなります。その結果、脳梗塞や心筋梗塞のリスクが高まるため注意が必要です。本記事では血液検査で脳梗塞や心筋梗塞のリスクが早期にわかる「LOX-index(ロックスインデックス)」についてご説明します。
目次

LOX-index(ロックスインデックス)とは?

LOX-index(ロックスインデックス)は動脈硬化の進行度を数値化したもので、その値が大きいほど将来の脳梗塞や心筋梗塞のリスクが高いとされています。

血液中で酸化した超悪玉コレステロール「酸化変性LDL」(LAB)と、血管壁の中に取り込んで動脈硬化を進行させる「LOX-1」というタンパク質の状態を検査して、動脈硬化による疾患の発症リスクを導き出します。

LOX-indexの特徴は、従来の血液検査や画像検査では捉えきれなかった、初期段階の動脈硬化を捉えられることです。

動脈硬化による疾患の予防や治療が手遅れになってしまう原因の1つは、発症するまでの初期症状がわかりにくいことが挙げられます。

LOX-indexを用いた検査では、初期段階から疾患リスクの傾向を把握できるとされています。

酸化変性LDL(LAB)とは?

酸化変性LDL(LAB)は、一般的なLDLと比べて動脈硬化との関連の高さが指摘されています。

活性酸素はストレスやタバコの影響で発生するといわれており、その影響でLABが増加します。LABが血管壁に溜まると、免疫細胞のマクロファージがLABを異物とみなして処理します。

しかしLABを処理したマクロファージは動けなくなり、血管壁に蓄積されていきます。

その残骸がアテローム(粥状硬化巣)となり、アテローム性動脈硬化症を引き起こすのです。

動脈硬化にはどんな種類がある? アテローム(粥状)、中膜、細動脈硬化について解説!

動脈硬化は、血管が硬くなってしまった状態のことです。正常な血管はしなやかで、流れる血液の量が多いと伸びたり広がったりすることができます。動脈硬化は加齢でも起こりますが、ほかの原因でも起こります。この記事を読むことで、動脈硬化の原因、メカニズム、診断・予防方法などを学べます。

 

つまり動脈硬化の直接の原因はLDLではなく、酸化されて蓄積したLABであるといえます。

LOX-1、sLOX-1とは

LOX-1とは、血管内壁にあるたんぱく質の一種で、sLOX-1はLOX-1の一部が血管の壁から切り離されて血液中に出てきたものです。

sLOX-1の値が高いと、血管内で炎症が進んでいると考えられます。

血管内の炎症は動脈硬化を悪化させる要因の1つです。

つまり血中のsLOX-1の数値を調べて血管内の炎症の度合いがわかれば、動脈硬化の進行度合いを判定するのに役立てることができます。

なぜ血液検査で脳梗塞・心筋梗塞リスクがわかる?

なぜ血液検査により心筋梗塞や脳梗塞のリスクを判定できるかというと、動脈硬化の原因である血管内の炎症の状態がわかるからです。

高血圧や糖尿病は脂質異常症を合併しやすく、増えたLDLによって血管が炎症を起こし、動脈硬化が進行します。

そのため血管内のLDLの量を調べると、心筋梗塞や脳梗塞のリスクの傾向を把握できるとされています。

しかしLDLが140mg/dlの基準値以内でも心疾患を発症しているケースもみられ、疫学研究では脳梗塞とLDLとの相関がないとの報告もされています。

動脈硬化はコレステロールや脂質でドロドロになった血液が血管内壁に付着し、そこに炎症が起きてアテロームが形成され、血管が細く硬くなった状態です。

LOX-indexでは血液内にあるLOX-1(sLOX-1)の値を調べることで、動脈硬化との相関が高いといわれる、血管内の炎症を調べることができます。

脳梗塞が起きるメカニズム

脳梗塞は動脈硬化により血流が悪くなることで起こります。

流れが悪い血液は固まりやすく、血栓となって血流の通りを塞いでしまうのです。

また他の部位の血管内でできた血栓が流されて、脳内の血管の通り道を塞ぐこともあります。

血栓ができると脳の血液循環が正常に行われず、脳虚血になります。

その結果として脳細胞に酸素や栄養素が分配されずに、脳細胞が壊死して脳梗塞となるのです。

そのため、動脈硬化の進行をLOX-indexで調べると、脳梗塞のリスクがわかります。

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心筋梗塞が起きるメカニズム

心筋梗塞は心筋に栄養を分配する冠動脈が詰まって発症します。

そして冠動脈が詰まる原因にも、動脈硬化は深く関係しています。

つまり動脈硬化で血管が硬くなった結果、血流が悪くなり、血液の塊である血栓ができます。

その血栓が血管を完全に塞ぐと、冠動脈が詰まってしまいます。それゆえに血管が細くなって起こる狭心症よりも、さらに重篤な症状を引き起こしかねません。

心筋梗塞のリスクを下げるためには、動脈硬化の進行状況を把握して生活習慣を見直すことが大切です。

LOX-indexの検査は動脈硬化の進行度を推測し、心筋梗塞リスクの傾向を把握する参考になります。

心筋梗塞については以下の記事をご覧ください。

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LOX-indexの検査方法と流れ ― 所要時間・費用・結果までの期間

LOX-indexの検査の流れや費用は以下の通りです。

方法 血液検査
所要時間 1週間から3週間
費用 1万円から2万円
結果の通知 オンラインもしくは郵送

検査は血液を用いて行います。

医療機関で採血が行われ、その血液サンプルが専門の検査機関で分析されます。採血自体は数分で実施できるため、忙しい方でも気軽に受けられるでしょう。

検査結果が出るまでには通常1週間から3週間程度かかります。結果は郵送もしくはオンラインで提供されるのが一般的です。

費用は1万円から2万円が相場ですが、具体的な金額は施設や地域によって異なります。

LOX-indexの結果の見方と生活習慣改善への活用法

LOX-indexの結果を受け取ったら、その数値をどのように捉えるかが大切です。

LOX-indexで、脳梗塞や心筋梗塞のリスクが高いと判断された場合は、医師から指導を受けつつ、生活習慣を見直しましょう。

具体的な生活習慣改善のポイントは以下の通りです。

  • 喫煙や過度な飲酒を控える
  • 適度な運動を取り入れて、体重管理や血流改善に努める
  • 食事バランスを意識し、脂肪が多い食品を控えて野菜や果物を多くとる

喫煙や過度な飲酒は、血管に大きな負担がかかります。また、運動不足や肥満は、心筋梗塞や脳梗塞など、様々な病気のリスクを高める可能性があるため注意が必要です。

生活習慣と病気の関係、生活習慣改善のポイントについては、以下の記事で詳しく解説しています。詳細はそちらをご覧ください。

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LOX-indexはこんな方におすすめ

LOX-indexがおすすめなのは、次のような方です。

  • 脳梗塞や心筋梗塞にかかった近親者がいる
  • 動脈硬化になりやすい高血圧・脂質異常症・糖尿病の治療を受けている
  • 高血圧や脂質異常症、糖尿病になる可能性を指摘されている
  • 動脈硬化が心配である
  • 40歳以上である

喫煙や肥満といった動脈硬化のリスクが高い生活習慣を続けている

動脈硬化は自覚しにくい場合があり、検査で初めて進行の可能性が示されることがあります。

該当する方は検査を受けてみてもいいかもしれません。

もしも脳梗塞・心筋梗塞のリスク高と診断されたら

動脈硬化が進行すると、血管内に血栓ができやすくなるため、脳梗塞や心筋梗塞が将来的に発症するリスクが高くなります。

動脈硬化の原因となるLABやLOX-1が増える要因は、次のような生活習慣です。

  • 喫煙
  • 過食による肥満
  • 高脂肪や高糖質食
  • 過度の飲酒
  • 日常のストレス
  • 運動不足

定期検査で動脈硬化が進行していることを指摘されたら、以上のような生活習慣を見直すようにしましょう。

また、生活習慣を見直すのと同時に、動脈瘤や無症状の脳梗塞についての有無を脳ドックで検査するのもおすすめです。

記事についてお気づきの点がございましたら、
編集部までご連絡いただけますと幸いです。
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監修医 神宮 隆臣 (しんぐ・たかおみ)
済生会熊本病院 脳卒中センター 脳神経内科 医長
・日本内科学会認定内科医
・日本脳卒中学会専門医
・日本神経学会専門医・指導医
・日本脳神経血管内治療学会専門医
・臨床研修指導医
2012年熊本大学医学部医学科卒業
おもに経皮的血栓回収療法を中心とした脳卒中診療を主軸に、神経救急疾患からパーキンソン病関連疾患や認知症性疾患など幅広く診療を行っています。臨床教育にも興味があり、わかりやすい解説と指導を心がけています。