脳出血とはなにか? 出血しやすい部位や体に起こる症状について解説
脳の中ではときに出血が起きることがありますが、症状は脳梗塞と似ていることが多いです。脳出血はなりやすいいくつかの部位があり、それぞれ特徴が異なります。この記事の中では脳出血の診断方法や治療方法、また予防方法についても解説いたします。脳出血がどのようなものか気になる方は、ぜひ確認してみてください。頭のたんこぶって大丈夫?! 頭痛や吐き気を引き起こす頭部外傷とは?
頭部外傷とは?

頭部外傷とは頭に外側から力が加わることで、皮膚や頭蓋骨、脳組織が損傷することを指します。不慮の事故として発生するケースが多く、交通事故、転倒、転落などが主な原因になります。
頭部に加えられるエネルギーが大きければ大きいほど損傷は強くなり、重症化しやすくなります。
損傷部位と外傷の種類
頭部は外側から頭皮や腱膜下組織などの軟部組織、頭蓋骨、硬膜、くも膜、軟膜の順番で脳を覆っています。
頭部に外側から力を受けたことにより、脳が外界とつながってしまうものを「開放性損傷」といいます。感染すると髄膜炎や脳炎などになる場合があり、重症化により命に関わることがあります。
そのため、早期に適切な治療が必要となります。
外側から力を受けても脳が外界と交通しないものを、「閉鎖性損傷」といいます。
頭部に打撃を受けたり、頭部を物体に打ちつけたり、激しく揺さぶられた場合に脳の組織が損傷を受けるケースが多いです。
その結果、脳挫傷、脳内出血、外傷性くも膜下出血、硬膜外血腫、硬膜下血腫などになることもあります。
頭部外傷の具体例
打った頭の部位によって、衝撃の伝わり方や起こりやすい症状は異なります。
以下は部位ごとの特徴です。
| 部位 | 特徴 |
| おでこ | ・比較的骨が厚く、強い衝撃でも骨折しにくい ・頭皮には血管が多く、出血を起こしやすい |
| 側頭部 | ・骨が薄く、骨折しやすい ・太い血管が直下を通っており、硬膜外血腫などのリスクがある |
| 後頭部 | ・転倒などにより打ちやすい ・脳幹や小脳への衝撃につながる場合がある ・意識消失や吐き気が見られたら早急な受診が必要 |
| 頭頂部 |
・頭皮には血管が多く損傷することで出血しやすい |
なお、「この部位は大丈夫」「この部位は危ない」といった明確な基準はありません。
頭をぶつけること自体が危険なことであるため、「意識がおかしい」「めまいがする」「吐き気がある」など、異常を感じた際はすぐに専門の医療機関を受診することが大切です。
頭部外傷の具体例
頭部外傷にはおもに以下のものがあります。
・頭皮の損傷
・頭蓋骨の骨折
・脳震盪
・脳の打撲(脳挫傷)
・脳組織の裂けた状態(脳裂傷)
・脳内や脳と頭蓋骨の間に血液が溜まった状態(頭蓋内血腫)
・脳全体の神経細胞損傷(びまん性軸索損傷)
・脳を覆う層と層の間への出血(外傷性くも膜下出血) など
頭部外傷の原因

転倒や転落
頭部外傷の原因としては転倒や転落が最も多く、どちらも子どもや高齢者に多く見られます。高齢化とともに、国内では高齢者の転倒が原因で頭部外傷が起きるケースが年々増えています。
特に高齢者の方で抗血栓薬を飲んでいる場合には、軽微な転倒でも入院が必要な頭部外傷になることがあります。これは抗血栓薬が血液を固まりにくくする効果を持つため、出血が起きると血が止まりにくくなることが関係しています。
運転中の事故やスポーツ
自動車事故や、スポーツ競技中の接触(人、モノどちらに対しても)、レクリエーション(バイクやスノーボードなど)をしているときにも、頭部外傷は発生することがあります。
脳が激しく揺さぶられた場合には、外側から直接的な強い衝撃がなくても損傷することがあります。症状によっては、医療機関で診てもらうことが勧められます。
頭部外傷の症状
軽症の場合
頭を強く打ちつけた時に、たんこぶができたことがある方がいるかもしれません。
実は頭皮の表面に近い場所には、非常に多くの血管があるため、大きく膨らむことが多いのです。軽症の場合には、頭痛、ふらつき、吐き気などが生じることもあります。
脳震盪は脳の構造に大きな損傷はないですが、頭痛、めまい、集中力の低下、ふらつき、意識の消失や、怪我前後のことを忘れる(健忘)現象などが起こります。
脳震盪は頭部外傷としては軽症に分類されますが、近年ではくり返して起こすことの危険性が明らかになってきました。
脳震盪などの頭部外傷を受けてから、数日から数週間の間に2回目の頭部外傷を受けると、脳の容積が増大した状態になる(脳腫脹)ことがあり、これをセカンドインパクト症候群とよびます。死亡率も30〜50%といわれ、非常に危険です。
軽い脳震盪だと、自分でも脳震盪になっていることに気づけないこともあります。
以下の記事で脳震盪の知識をつけて、もしものときに備えましょう。
コンタクト系のスポーツをしている方や、そのご家族にもぜひ一読していただきたい内容になっています。
スポーツで起きる脳震盪の危険性について セカンドインパクト症候群とは?
スポーツをしていると、体のコンタクトや何かにぶつかることで脳震盪になる方が一定数いますが、その危険性は軽くみられがちです。脳震盪の中でも一瞬でも意識を失うケースは、全体の10%以下といわれています。そのほかの脳震盪は軽いものとして扱われ、周囲も競技者自身も認識しないこともあります。しかし脳震盪は確実に脳にダメージを与えており、時に重大な症状にもつながります。
重症の場合
重症になる場合は、それぞれケースによって症状が異なります。
一時的に意識を消失するほどの衝撃を頭部に受けると、数時間から数日にわたって目を覚まさないこともあります。
意識が戻ったあとは、脳のどこが損傷を受けたかにより、異なった障害があらわれます。
また、脳が損傷すると出血やむくみ(脳浮腫)が生じることがあります。
脳は血液や腫れでむくみますが、頭蓋骨は外に広がったりはしませんので、必然的に脳に圧力がかかることになります。この際には頭痛がよりひどくなったり、思考力が低下したり、意識レベルが低下したり、嘔吐したりすることもあります。
最悪の場合は命を落とすこともあります。

「たんこぶ」の医療用語は?―皮下血腫の仕組みと見分け方
たんこぶは医療的には「皮下血腫(ひかけっしゅ)」と呼ばれます。
皮下血腫とは、打撲により皮下の血管が傷ついて血液が皮膚の下にたまり、腫れて盛り上がった状態です。
打撲後すぐに痛みや腫れがあらわれるのが特徴で、皮膚が膨らんで硬くなっている場合、皮下血腫の可能性があります。
なお、軽い打撲後に頭痛、吐き気、めまいがある場合は、脳への影響が疑われます。異常を感じた場合は専門の医療機関の受診が勧められます。
頭部外傷の検査と診断
頭部外傷を評価するにあたっては、まず問診で受傷状況を詳しく確認します。
また受傷後の症状を経過とともに確認して、身体診察を実施します。
診察の内容をもとに検査の実施を判断しますが、異常な症状が認められる場合には、脳内出血、外傷性くも膜下出血、頭蓋骨の骨折、脳挫傷を評価するためにCT検査を行います。
症状が重くなく、頭蓋内の異常を疑う症状がない場合には、検査せずに経過観察する場合も多いです。CT検査で出血が認められなくても、微小な出血が疑われる場合はMRI検査を追加で検査する場合もあります。
なお、頭部外傷については、こちらの記事もご覧ください。
慢性硬膜下血腫について知っておきたいこと 治る認知症って何?
慢性硬膜下血腫とは、硬膜とくも膜のあいだで起こる血腫です。転倒などで頭をぶつけてから、1ヶ月ほどして次第に出血してくる病気です。この記事の中では慢性硬膜下血腫の原因、症状、検査と診断方法、治療方法などについて解説いたします。
たんこぶの治し方
たんこぶができた際は、状態を悪化させないために正しい処置を行いましょう。
対応は以下の通りです。
・冷やす
・安静にする
・異常を感じたら医療機関を受診する
たんこぶができた場合、まず冷やすことが大切です。頭をぶつけた直後は、氷をタオルで包んで患部に軽く当てて冷やしましょう。
また、過度な運動をすることや頭を激しく動かすことは控え、安静にすることも重要です。血流が増え、腫れや痛みが強くなるのを防ぐためです。
また、頭をぶつけた際には、軽い脳震盪(のうしんとう)を起こしていることもあり、無理に動くとめまいや吐き気、ふらつきなどの症状が悪化する可能性があります。
痛みが強かったり、長期間続いたりする場合は、痛み止めや湿布だけで対応せず、医師に相談しましょう。
また、意識障害や吐き気、めまいなどがある場合は、脳への影響も考えられます。できるだけ早く専門の医療機関を受診しましょう。
頭部を強打したら医療機関へ

頭部外傷は明らかに病院に行った方がいいものもありますが、ときには外から見ただけではわからないものもあります。
頭部を強く打ちつけた後に違和感が数日以上続く場合は、念のため医療機関を受診することが勧められます。
編集部までご連絡いただけますと幸いです。
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28年間の脳神経外科の手術と救急の経験から、再生しない脳という臓器の特性、知らないうちに進行し突然発症して障害を残す脳卒中疾患の特性に対しては「発症させない」ことが最も有効な対策だと考えています。 なるべく多くの方が健康なうちに脳ドックを受診し、問題解決できる環境を提供してゆきたいと思います。