2022/12/09 ( 公開日 : 2021/08/06 )
歯周病がアルツハイマーと関係あり? 口の健康が認知症に及ぼす影響
歯周病から始まっているメタボリックドミノ
メタボリックドミノ、という言葉をご存知でしょうか?
「メタボリック」という言葉は、メタボリックシンドロームのことを指してします。
内臓脂肪が多く、高血圧・高血糖・脂質異常などが起きている状態で、お腹まわりが膨らんでいるイメージなどとともに想起される方も多いはず。
これとかけ合わさっている「ドミノ」という言葉は、文字通りドミノ倒しのドミノのこと。
メタボリックドミノという言葉は、生活習慣で体に異常が起こり、それがどんどんドミノ倒しのように、次の悪い状態を引き起こして、ついには重篤な病気にまでつながることを表現するものです。
中でも歯周病は、このメタボリックドミノの中でも最も最初の段階にあるもので、30代以降の日本人の80パーセントが歯周病であるとすら言われています。
当然のことながら、病気は進行すればするほど時間もお金も奪います。
ゆえに歯周病のケア、つまり日常から行う口腔のケアこそが、もっとも体の健康にとって良いことであるといえるのはご理解いただけるはず。
血流の中に歯周病菌が入り込む?
「なんでそんなに歯周病は怖いの?」と不思議に思われるかもしれません。
実は、口の中のケアを怠っていると(つまりフロスをしない食後に歯を磨かないなど)次第に口の中に汚れが溜まります。
そうなると歯周ポケットと言って、歯と歯茎の間に溝が生まれてくるのですが、じつはここを入口として歯周病菌が血流の中に入り込んでしまうのです。
そんな歯周病菌の中でも、近年アルツハイマー型の認知症に関係があると言われているものがあります。
それが、ポルフィロモナス・ジンジバリス菌、通称Pg菌と呼ばれるものです。
歯周病とアルツハイマー型認知症の関係性
Pg菌が血管の中に入り込むと、血流の流れに乗ってカラダ全体に広がります。「血管に細菌がいるなんて怖い!」と思われる方もいるかもしれませんが、免疫によって細菌は死滅します。
しかし細菌が死んだから問題ないかというと、もちろんそんなことはありません。
このPg菌を始めとする歯周病菌の死骸は、発熱などの諸々の生体反応を出す内毒素(エンドトキシン)を体内に残すことになるのです。
認知症の6〜7割を占めるアルツハイマー型の認知症では、このような毒素が脳に溜まることによって、アミロイドβ(神経細胞から分泌される物質)が蓄積されます。
このアミロイドβがアルツハイマーを進行させることから、歯周病と認知症には密接な関係があることがわかってきています。
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口の中のデータを全身の観点から解釈することを、日々の臨床から推進しています。歯周医学や口腔内科学の観点から、口腔ドック、専門的な歯周病治療、再発を抑える精密な歯科治療を推奨しています。
病気になる前に治すという『未病』を理念に掲げていきます。循環器内科分野では心臓病だけでなく血管病まで診られる最新の医療機器を備えたバスキュラーラボで、『病気より患者さんを診る』を基本として診療しています。
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