2023/11/28 ( 公開日 : 2022/06/02 )
スマホを1日にどのくらいみてる? SNSが体に与えている悪影響とは?
過度のSNS利用で血中タンパク質が上昇
学術誌である「Cyberpsychology, Behavior, and Social Networking」に、興味深い論文が掲載されました。
今や若者に限らず、中高年でもSNSは利用されていますが、過度なSNS利用によって血中のタンパク質が増えることが明らかになったのです。
この研究結果は、アメリカの18歳から24歳の大学生(251名)を対象にしたもので、SNSを過度に利用する人は慢性的に炎症が起きていることを示す、血中タンパク質が多いことがわかったというものです。
C反応性タンパク(CRP)は、特異性のない器質性疾患(*1)の血液マーカーとなり、がんや心疾患などの病気予測に用いられるものです。
1990年代からインターネットが個人レベルでも使用されるようになり、ネット掲示板やmixiやFacebookなどが続々と現れました。
近年はこれらのサービスを長時間使うことに対して、業界の内外からさまざまな意見が出ています。
今回の調査結果は、SNSが体に影響を与えていることを科学的に明らかにしたものといえるかもしれません。
*1) 器質性疾患とは?
感染、炎症、または血管障害などによって細胞や組織が破壊されて変化を受けた結果として体に現れる疾患のこと。
どのくらいの時間スマホをみている?
Glossom(グロッサム)が実施した「スマホでの情報収集に関する定点調査」では、2021年度は全国の10代〜70代の男女1442名から回答を得て、1日のスマホ・SNS利用情報をまとめています。
その結果、1日の平均利用時間は2020年の「126.6分」から10分ほど増えて「136.3分」となっています。
スマホで利用するサービスを「SNS」「サーチエンジン」「メディア」に分類すると、もっとも多くの時間を使っているのが「SNS」であることが明らかになっています。
こちらも2020年の「67.1分」から2021年には「77.8分」に増えています。
また若い世代(10代〜30代)の男女別のSNS利用時間は、以下の表のようになっています。
10代 | 20代 | 30代 | |
---|---|---|---|
女性 | 117.1分 | 119.1分 | 73.6分 |
男性 | 99.1分 | 74.2分 | 50.1分 |
SNSには高い依存性があることにも注意
体の健康を考える上で、お酒やタバコなど依存性が極めて強い嗜好品は注意すべき対象としてみられてきました。
SNSもまた「高い依存性」という意味では、お酒やタバコ同様に注意を払うべきものとなってきているのかもしれません。
なぜ私たちはSNSに依存するのか?
- 「いいね」で承認欲求が満たせる
- ギャンブル性(不特定多数の人に支持される可能性がある、拡散される可能性がある)
- コミュニティからの阻害恐怖 など
SNSでは「人とのつながりを強める」「知らなかったことを知ることができる」など、ポジティブな感情が生まれることもあります。
しかしながら依存度が高くなると、私たちの健康バランスを崩すものになりかねないという側面があるのも事実です。
編集部までご連絡いただけますと幸いです。
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