2023/11/29 ( 公開日 : 2022/06/09 )

カフェイン中毒の症状とは?致死量はどのくらい?錠剤の過剰摂取にも注意!

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この記事は約7分で読めます
私たちの周りにはカフェインを含んだ商品があふれており、簡単に入手することができます。仕事や勉強に集中するために、コーヒーやエナジードリンクを飲んでいることは多いと思いますが、カフェインを含んだ錠剤にも注意が必要です。 カフェインは眠気覚ましなどの覚醒効果の反面、過剰摂取によって命の危険につながる場合もあります。
目次

カフェイン中毒とは

カフェイン中毒とは、食品から医薬品まで幅広く利用されており、一度にカフェインを過剰に摂取すると急性中毒が起こり、摂取することをやめられなくなってしまうことです。

もともとカフェインには中枢神経を覚醒させることによる「集中力の向上」「眠気、倦怠感の抑制」などの効果があります。

これは脳内で眠気を作り出す「アデノシン」という物質をカフェインがブロックしているからです。 これは疲労が回復していくわけではなく、一時的に自分のパフォーマンスをあげている状態で、過剰に摂取してしまうとカフェイン中毒になってしまいます。

カフェイン中毒の症状

短期間に大量にカフェインを摂取すると発症するカフェイン中毒の症状としては、以下などがあります。

精神症状

軽度の場合 : 緊張・知覚過敏・多弁・不安・焦燥感 など
重度の場合 : 精神錯乱・妄想・幻覚・パニック発作・衝動性 など

身体症状

軽度の場合 : 胃痛・胸痛・吐気・心拍数増加・呼吸が早くなる など
重度の場合 : 痙攣・頭痛・過呼吸 など

また、日本中毒学会の調べでは、国内でカフェインを多量に含む眠気防止薬やエナジードリンクなどの急性中毒で、 2011年度から5年間に101人が救急搬送され、7人心停止、うち3人の死亡が報告されています。

1グラム程度の摂取で中毒症状が人によって出はじめ、2グラムの摂取で多くの人に中毒症状が出てきて、
5グラムの摂取で重篤な副作用が発生し、7グラムの摂取で致死量に至るとされています。

初期の中毒症状は、嘔吐や動悸、震え、筋肉痛で、重篤になると不整脈や痙攣(けいれん)による窒息で最悪の場合は死に至る可能性もあります。

カフェイン離脱とは?

普段のカフェイン摂取量にもよりますが、急にカフェイン摂取を止めるか、摂取量を減量するときに現れる離脱症状もあります。
症状としては、頭痛が一般的とされていますが診断基準としては以下のようになります。

普段のカフェイン摂取量によりますが(1日に何回摂取するかも含む)、通常離脱症状はカフェインを摂取した12~24時間後に出始め、2~9日間続くことが多いです。 カフェインを止める時は、突然ではなく徐々に減量するようにしましょう。

カフェイン離脱の診断基準

A. 長期にわたる毎日のカフェイン使用

B. カフェイン使用の突然の中断、または使用していたカフェインの減量後24時間以内に、以下の症状が3つ以上発現する。
(1) 頭痛
(2) 著しい疲労感または眠気
(3) 不快気分、抑うつ気分、怒りやすさ
(4) 集中困難
(5) 感冒様症状(吐き気、嘔吐、または筋肉の痛みや硬直)

C. Bの症状は臨床的な苦痛または社会的、職業的または他の領域の機能障害を引き起こしている

D. 以上は他の疾患や他の物質障害によるものではない

カフェイン濃度について

私たちが、日常的に飲むことがあると思いますが、カフェインを多く含む主な食品は以下のとおり、国内で日常、嗜好品として飲まれる コーヒー及び茶類です。
また、清涼飲料水の「エナジードリンク」や眠気覚まし用のドリンクは、コーヒーや茶類よりも更に多くのカフェインが含まれているものがあります。

市販されているエナジードリンクや眠気覚まし用の清涼飲料水の成分表示の多くは、100 ml当たりの濃度で書かれています。

缶や瓶1本当たりにすると、コーヒー約2杯分に相当するカフェインを含むものもありますので、 1本の内容量に応じてカフェインの量を計算するようにして、1日に何本も飲まないように注意しましょう。


食品のカフェイン濃度
食品 カフェイン濃度 備考
コーヒー 60 mg/100 ml 浸出方法:コーヒー粉末 10 g/熱湯 150 ml
インスタントコーヒー (顆粒製品) 57 mg/100 ml 浸出方法:インスタントコーヒー2g/熱湯 140 ml
玉露 160 mg/100 ml 浸出方法:茶葉 10 g/60 ℃の湯 60 ml、2.5 分
紅茶 30 mg/100 ml 浸出方法:茶 5 g/熱湯 360 ml、1.5~4 分
せん茶 20 mg/100 ml 浸出方法:茶 10 g/90 ℃430 ml、1 分
ウーロン茶 20 mg/100 ml 浸出方法:茶 15 g/90 ℃の湯 650 ml、0.5 分
エナジードリンク又は 眠気覚まし用飲料 (清涼飲料水) 32~300 mg/100 ml(製品 1 本当たりでは、36~150 mg) 製品によって、カフェイン濃度及び内容量が異なる

※入れ方や製品によってカフェインの量は異なります。
出典 : 食品安全委員会

カフェインの摂取目安量

カフェインを一生涯摂取し続けたとしても、健康に悪影響が生じないと推定される1日当たりの摂取許容量については、 個人差が大きいことなどから、日本においても、国際的にも定められていません。

ですが、食品からのカフェインの摂取に関しては、国際機関などにおいて注意喚起等がなされています。 健康な成人がカフェインを摂取する際に、最大量の目安として示されているのは「1日あたり400mg」と提言しています。 他にも各機関から以下の対象について定められています。
日頃からコーヒーやエナジードリンクなどを飲んでいる方は参考にしてください。

健康に悪影響のないカフェイン摂取量の目安例(海外)
対象 一日当たりの健康に悪影響のない最大摂取量 機関名
健康な成人 400mg(1回当たり 3mg/kg 体重※1) 欧州食品安全機関(EFSA)
400mg カナダ保健省
健康な子ども及び青少年 3mg/kg 体重 欧州食品安全機関(EFSA)
2.5mg/kg 体重 カナダ保健省
子ども(4~6 歳):45mg
子ども(7~9 歳):62.5mg
子ども(10~12 歳):85mg
13 歳以上の青少年:2.5mg/kg 体重
妊婦 300mg 世界保健機関(WHO)
200mg 欧州食品安全機関(EFSA)
300mg カナダ保健省
200mg※2 欧州食品安全機関(EFSA)

※注1 1回当たり摂取量約 3 mg/kg 体重以下(例:体重 70 kg の成人で約 200 mg 以下)であれば急性毒性の懸念は生じない。
※注2 乳児に健康リスクは生じない。
出典 : 食品安全委員会

致死量はどのくらい?

致死量については、個人差が非常に大きく一概には言えないが、一般的には5000mg〜10000mg(5g〜10g)と言われています。

例として、通常1杯のコーヒーに含まれるカフェインは、60ミリグラム。エナジードリンクには1本80ミリグラム、眠気覚まし用飲料1本120ミリグラムのカフェインが含まれていた場合、 重篤な副作用が出る5グラムを摂取するためには、1日あたりコーヒーは80杯、エナジードリンクは60本、眠気覚ましドリンク剤は40本飲まなくてはならない計算になります。

現実的に考えると、一度に摂取することはないと思いますが、なぜ中毒症状が出て死に至るまでのケースが発生しているのでしょうか。
それはカフェインを含んだ錠剤です。



いつでも手軽に飲めてカフェインを摂取することができ、エナジードリンクなどの飲料水と違って一気に大量服用しやすいのが特徴です。
眠気覚ましとして服用し相応の効果が出る量が入っていますが、服用する際は気をつけなければいけません。
中身はカフェイン、医薬品なので記載されている用法・用量をしっかり守らないとすぐにカフェイン中毒になってしまう可能性があります。

また、致死例の多くは市販薬のカフェイン錠を多量内服していることがわかっているので、 こうした錠剤と合わせて、コーヒーなどのカフェインを一度に摂取することも危険ですので注意しましょう。

カフェインとのつき合い方

カフェインを摂ることによって元気が出て、仕事や勉強の能率が上がったように感じることがあると思います。

しかし、これは元気の前借りをしており、カフェインが代謝されて体から抜けると元気や気分は摂取前よりも低下してしまい虚脱感を覚えてしまいます。
この虚脱感に対応しようとカフェインを何度も摂取してしまうと体調を崩し、健康生活に支障がでてしまうことを覚えておいてください。

そうならないためにも、ご自身の適切なカフェインの量を把握する必要があるのです。
また、コーヒー好きな人でカフェイン中毒が怖いと思っている方も、 カフェイン含有量が少ないカフェインレスや本来カフェインを含んでいる飲料や食物からカフェインを取り除きカフェインを含まない状態にしたデカフェなども有効活用していき、 健康に生活が送れるようにしていきましょう。

記事についてお気づきの点がございましたら、
編集部までご連絡いただけますと幸いです。

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