2023/11/27 ( 公開日 : 2022/04/06 )
夜になると咳が止まらなくなるのはどうして? 考えられる原因は?
夜になると咳が出やすくなるのはなぜ?
呼吸や体温、血圧などは「自律神経」という神経で、無意識に調節されています。
自律神経には、活動するときに働く「交感神経」と、リラックスさせるような働きの「副交感神経」があります。
昼間は交感神経が優位で、活発なときはより多くの酸素が必要になるため、気管支が拡張され空気の通りがいい状態になっています。
一方、夜は副交感神経が優位になり、気管支は狭い状態にあります。
その状態で横になると気管支内の分泌物や原因物質が入り込み、気道を刺激することでさらに気管支が狭くなり、咳が出やすくなっているのです。
夜に咳が止まらない原因
咳が止まらない場合には、夜に過ごしている環境、体の状態、病気などが原因となっている可能性があります。
ここでは、考えられる原因について解説していきます。
① 部屋の環境
部屋の環境に原因があるとすれば、「日中と夜との温度変化」です。
温度変化により自律神経にも変動があり、先述のメカニズムで気管支が過敏になり咳が出やすくなります。
ほかには部屋の乾燥で気管粘膜に刺激を与え、咳が誘発されることも考えられます。
② 睡眠時の体の状態
睡眠時に咳の出やすい状態だと、咳が止まらなくなる可能性があります。
具体的には、
・香辛料が強い料理、飲酒、喫煙など喉への刺激が強いものを摂取した
・口呼吸を行っており、喉が乾燥してしまっている
・高血圧の薬や睡眠薬の副作用による乾燥
・横になることで鼻水や痰が気管にたれて、粘膜を刺激し咳が出る など
とくに口呼吸に関して、高齢者は口まわりの筋力も衰えていくため睡眠中に口が開いている場合があり、結果として乾燥しやすいです。
また、小児も口の筋力が発達しておらず、睡眠中に口が開いてしまうことがあり、それにより喉が乾燥し咳が出ることがあります。
③ なんらかの病気
病気が原因で夜に咳がでることもあります。具体的には風邪、咳喘息、副鼻腔気管支炎症候群、気管支喘息、逆流性食道炎、慢性心不全、百日咳などの病気は、夜に咳が出やすくなる症状があります。
咳を起こすメカニズムとしては、なんらかの物質(ウイルスやアレルゲン、胃液など)が気道に入り、粘膜を刺激することで脳にある咳中枢に情報が伝達されて咳を起こします。
たとえば、気管支喘息では特定のアレルゲンに敏感となり、咳を引き起こしやすくなっている状態です。
とくに秋になると夏に増殖したダニが寒さによって死ぬことでハウスダストとして舞いやすいため、悪化しやすいことがよく知られています。
これまでに解説した原因①、原因②を改善してみても、夜の咳が3週間以上つづく場合は、なんらかの病気が原因になっている可能性があります。
ぜひ病院を受診することをおすすめいたします。
夜になると出る咳の予防方法
①部屋を適度な温度に保つ
体温と室温の差により咳症状が出るため、寒い場合は部屋を暖めましょう。
②適切な温度と湿度を保つ
温度20~24℃、湿度50~60%に調節すると良いでしょう。
③刺激の強い飲み物・食べ物を控える
就寝前に香辛料、ビール、タバコ、炭酸など喉に刺激が強いものを飲食しないようにしましょう。
④うがいをする
口の中やのどに付いた病原菌やホコリ、アレルゲンなどを排出するためです。
ただし刺激が強いうがい方法や、痰を無理やり吐き出そうとする痰切りは、喉を傷めて余計咳が出る原因になるため注意が必要となります。
⑤寝室を清潔に保つ
ベッドやエアコンを掃除して、ダニやホコリなどアレルゲンをなくすように心がけましょう。
編集部までご連絡いただけますと幸いです。
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