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2025/05/14 ( 公開日 : 2022/04/06 )
夜になると咳が止まらなくなるのはどうして? 考えられる原因は?

夜になると咳が出やすくなるのはなぜ?
呼吸や体温、血圧などは「自律神経」により無意識に調節されています。
自律神経には、活動するときに働く「交感神経」と、リラックスさせるような働きをもつ「副交感神経」があります。

昼間は交感神経が優位で、活発なときはより多くの酸素が必要になるため気管支が拡張され、空気の通りがいい状態になっています。
一方、夜は副交感神経が優位になり、気管支は収縮し、狭い状態になります。
その状態で横になると気管支内の分泌物や原因物質が入り込み、気道を刺激することでさらに気管支が狭くなり、咳が出やすくなるのです。
夜だけ咳が出る人の意外な共通点とは?
「夜になると咳が出て眠れない」。そんな悩みを抱える方に多い習慣が、夕食後すぐに横になることです。この行動は、胃酸が食道に逆流しやすくなり、喉や気道を刺激して咳を引き起こす原因となります。特に夜間は横になることで逆流が起こりやすく、咳が悪化する傾向があります。こうした「ちょっとした習慣」が、夜だけ咳が出やすくなる原因となるケースも少なくありません。
習慣だけじゃない? 夜に咳が出やすくなるその他の原因
咳が止まらない場合には、夜に過ごしている環境、体の状態、病気などが原因となっている可能性があります。
ここでは、考えられる原因について解説していきます。
① 部屋の環境
部屋の環境に原因があるとすれば、「日中と夜との温度変化」です。
温度変化により自律神経にも変動があります。先述のメカニズムにより気管支が過敏になると、咳が出やすくなります。
ほかには、部屋が乾燥することで気管粘膜が刺激され、咳が誘発されることも考えられます。
② 睡眠時の体の状態
睡眠時に咳が出やすい条件が揃うと、咳が止まらなくなる可能性があります。
具体的には、以下のようなものが挙げられます。
・夕食に辛い料理を食べたり、酒、たばこなど喉への刺激が強いものを摂取したりした
・口呼吸を行っており、喉が乾燥している
・高血圧の薬や睡眠薬の副作用により喉が乾燥している
・横になることで鼻水や痰が気管にたれて、粘膜を刺激して咳が出る など
特に口呼吸に関して、高齢者は口まわりの筋力が衰えているため、睡眠中に口が開いている場合があり、結果として乾燥しやすいです。
また、小児も口の筋力が発達しておらず、睡眠中に口が開いてしまうことがあり、それにより喉が乾燥し咳が出ることがあります。
③ 何らかの病気
病気が原因で夜に咳が出ることもあります。具体的には風邪、咳喘息、副鼻腔気管支炎症候群、気管支喘息、逆流性食道炎、慢性心不全、百日咳などの病気は、夜に咳が出やすくなる症状があります。
咳を起こすメカニズムとしては、何らかの物質(ウイルスやアレルゲン、胃液など)が気道に入り、粘膜を刺激することで脳にある咳中枢に情報が伝達されて咳を起こします。
例えば、気管支喘息では特定のアレルゲンに敏感となり、咳を引き起こしやすくなっている状態です。
特に秋になると夏に増殖したダニが寒さによって死ぬことでハウスダストとして舞いやすいため、悪化しやすいことがよく知られています。

夜の咳が3週間以上つづく場合は、何らかの病気が原因になっている可能性があります。
ぜひ医療機関を受診することをおすすめします。
夜になると出る咳の予防方法
①部屋を適度な温度に保つ

体温と室温に差ができると咳が出やすくなるため、寒い場合は部屋を暖めましょう。
②適切な温度と湿度を保つ
温度は20~24℃、湿度は50~60%に調節すると良いでしょう。
部屋の温度が前日と比べて、あるいは5時間前と比べて3度以上低下するのは避ける方が良いでしょう。
③刺激の強い飲み物・食べ物を控える
就寝前に香辛料、ビール、タバコ、炭酸など喉に刺激が強いものを摂取しないようにしましょう。
④うがいをする

口の中や喉に付いた病原菌や埃、アレルゲンなどを排出するためにうがいをしましょう。
ただし刺激が強いうがい方法や、痰を無理やり吐き出そうとする痰切りは、喉を傷めて余計咳が出る原因になってしまうため、注意が必要となります。
⑤寝室を清潔に保つ
ベッドやエアコンを掃除して、ダニや埃などアレルゲンをなくすように心がけましょう。
夜に咳が止まらなくなってしまった時の対処方法
- 背中を軽くトントン叩いたりさすったりして咳反射を落ち着かせる
- 水分補給をして喉を潤す。なお飲み物は暖かい方が好ましい
- 部屋が乾燥している場合は加湿する
- マスクを付けて喉の乾燥を防ぐ
- 寝るときは横向きに寝る(仰向けだと舌の落ち込みにより気道を防いでしまい、呼吸がしにくいため)
- すぐに水分補給ができるように、枕もとに飲みものを置いておく
咳止め薬で対処してもいい?

咳止め薬は咳の症状を緩和させることが目的で、完治させることは難しいです。
服用しつづけると、治るまでの期間が長くなったり、悪化したりする恐れもあります。
咳症状がひどい場合は心身の負担が大きくなるため、服用をおすすめしますが、解決策にはなりません。
咳が止まらない場合は医療機関を受診して適切な治療を受けることが大切です。
3週間以上咳が続いているのであれば、何らかの病気である可能性が高いため、早急に対処しましょう。
咳が止まらないときに、受診すべき目安は?
咳が続く場合、以下のポイントを目安に医療機関の受診を検討してください。
咳が3週間以上続く場合
長引く咳は、慢性の疾患が隠れている可能性があり、喘息や慢性閉塞性肺疾患(COPD)、百日咳などが考えられます。
痰に血が混じる、または息苦しさを伴う場合
これらの症状は、肺炎や肺結核、肺がんなどの重篤な疾患のサインである可能性があります。
発熱や体重減少を伴う場合
全身症状を伴う咳は、感染症や悪性疾患の可能性があるため、早めの受診が推奨されます。
医療機関での検査や治療はどう進む?
医療機関を受診した際、以下のような検査や治療が想定されます。
1. 問診と身体診察
咳の持続期間や特徴、併発症状、生活環境などについて詳しく尋ねられます。これにより、咳の原因を特定する手がかりを得ます。
2. 画像検査
胸部X線撮影やCTスキャンを行い、肺や気管支の異常を確認します。
3. 呼吸機能検査
スパイロメトリーなどで肺活量や気流制限の有無を測定し、喘息やCOPDの診断に役立てます。
4. 治療方針の決定
検査結果に基づき、原因に応じた治療が開始されます。例えば、喘息が原因の場合は吸入ステロイド薬、逆流性食道炎の場合は胃酸分泌抑制薬が処方されることがあります。
これらの検査や治療を通じて、咳の原因を明らかにし、適切な対処を行うことが重要です。
まとめ
夜になると咳が止まらない場合は、まず部屋の環境を整え、喉に刺激を与えないようにすることから始めましょう。
しかし、長期的に咳が続く場合は何らかの病気にかかっている可能性もあります。
咳が続くと、肺、喉、肋骨などに負担をかけ、睡眠不足などで体力も損ないます。
日常生活に悪影響を及ぼしかねないため、できるだけ早めに医療機関を受診することをおすすめします。
編集部までご連絡いただけますと幸いです。
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