2021/09/22 ( 更新日 : 2021/09/28 )

CTとMRIの違いとは? それぞれの特徴と発見できる疾患についても解説

検査
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画像検査には多くの方になじみが深いレントゲン検査があります。体内の状態をみることができる画像検査では、レントゲンの他にも超音波検査、CT、MRI、核医学検査などがあり、それぞれ特性が異なります。この記事の中では、CT検査とMRI検査に焦点をあてて、それぞれの特徴をみていきたいと思います。
目次

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CTとMRIは何が違うの?

CT検査とMRI検査は、どちらも体の内部を画像として確認する検査です。
異なる部分としてはまず「検査方法」「発見できる疾患の種類」「得られる情報量」の3つを挙げることができます。

どちらも体内を撮影する検査だということは同じです。
この両者はどう違うのでしょうか。
どうして疾患の種類や撮影する部位によって向き不向きがあるのでしょうか。

こうした部分に注目して、CT検査とMRI検査の違いについて説明をしていきます。

・検査方法

CT検査は撮影の仕組みとして放射線を使用します。
それに対して、MRI検査は磁力と電波を使用して撮影を行います。

体の断面を撮影した複数枚の写真をコンピュータで処理して、希望の部位の画像を出力したものがCT検査です。
体の細胞に含まれる水素原子を、磁力と電波によって影響を与えて画像化したものがMRI検査です。

・発見できる疾患の種類

CT検査 MRI検査
発見できる疾患 脳出血、くも膜下出血、脳梗塞、脳腫瘍など 脳梗塞(ラクナ梗塞)、脳動脈瘤、脳動脈奇形などの異常

・得られる情報量

CT検査は0.5mm以下のような小さな病変を見つけたり、広範囲の確認をすることが得意といえます。
MRI検査では色の濃淡(コントラスト)がCT検査よりもわかりやすいので、病変がより明確に見られることがあります。

またCT検査では血管の状態などを確認するために、造影剤という薬剤を使用することがあります。
それに対してMRI検査では、血管の状態などの確認でも通常のMRI検査と同じ方法で検査ができる違いもあります。

どちらの検査にも良い部分があるので、より得意な撮影部位や病気の種類によって使い分けや併用がされるのです。

表 CT検査とMRI検査の比較
CT検査 MRI検査
仕組み X線 磁力と電波
体への負担 0とは言えない ほとんどない
検査時間 比較的短時間(5~15分) 時間がかかる(15~60分)
検査可能な施設 多い 多いとはいえない
細かい描写 非常に得意 得意
色の濃淡 普通 非常に鮮明
出血の状態 得意 非常に得意
血管の状態 造影剤が必要 得意
空気と骨の区別 できる できない

CT検査の特徴

健康診断などでレントゲン検査を受けたことのある方は多いかと思います。
CT検査はX線を体に当てて、体で吸収される量の違いを出力。

場所や組織によってX線の吸収される量が違うため、その違いを白黒の濃淡として表示する画像となります。

胸の正面から撮影する胸部レントゲン検査が1枚の写真を得られるのに対して、CT検査では機器が回転しながら多くの写真を撮影していきます。
写真をコンピュータで処理することで、希望の部位を写真として出力できます。

コンピュータで処理をして画像化するので computed tomography = CT と呼ばれます。

・検査時間が短い

CT検査は写真を撮影する仕組みなので、写真撮影とは仕組みの異なるMRI検査よりも短時間で検査が終わります。

ただし1枚の写真撮影であれば数秒で撮影ができますが、CT検査では5~15分の検査時間がかかります。
これはCT検査が何枚もの写真撮影を連続で行っているためです。

コンピュータによる画像処理は全ての撮影が終わった後に行いますので、画像の角度を変えたり場所を変えるたびに撮影をし直す必要はありません。

・X線を使う

CT検査では撮影の仕組みにX線を使用します。
安全性を高める技術開発が進み、現在では放射線被ばくによる影響は非常に小さくなってきましたが、被ばくによるリスクは0とはいえません。

これは非常に小さな可能性ですが、被ばくでがんが発生してしまう人もいるということです。
しかしCT検査で発生したがんで起こる健康被害と、CT検査でがんを発見、治療によって得られる健康とを両方とも見る必要があります。

両方を比較した場合には圧倒的にCT検査によって得られる健康の方が大きく、これはデータとしても出ています。
こうした理由から、CT検査は有意義な検査といえるのです。

このように患者さんへのリスク(危険性)とベネフィット(利益)のどちらも説明することは、インフォームドコンセントの大切な考え方となります。

・造影剤を使用することがある

CT検査の特徴として、MRI検査に比べて色の濃淡(コントラスト)が若干弱く、血管の状態を確認することがあまり得意とはいえません。
そのため検査の目的や対象によっては、造影剤という薬を血管から入れて撮影することがあります。

造影CT検査と呼ばれる検査で、血管やいろいろな臓器をより見えやすくします。
しかし、薬に対して過敏な方やアレルギーのある方は使用ができません。

対してMRI検査では磁力を使うために、体の中にMRI検査に適さない金属部品などが入っている場合にはCT検査が用いられる場合もあります。

薬や医療機器に対して不安のある方は医師に相談をして、もっとも適した検査が受けられるようにしましょう。

MRIの特徴

私たち人間の体はたくさんの細胞や水分から構成されています。
さらに細かく見ると、無数の水素原子が存在しています。
その水素原子は自由に動き回っているのですが、そこに強力な磁力をかけると規則正しく並ぶ性質があります。

回っているコマを指で傾けると、徐々に元の角度へ戻っていくと思います。
規則正しい回転をしている水素原子に電波で影響を与えると、やはり徐々に元の動きへと戻っていきます。

ところが元に戻ろうとする速度には細胞によって違いがあるので、その違いを捉えて画像化したものがMRIという検査です。

・検査時間が長い

CT検査が5~15分の検査時間に対して、MRI検査は15~60分ほど掛かります。
検査中は狭いところで静止しているため、閉所が苦手な方にとっては大変な検査ともいえます。
また磁力を使う仕組み上、検査中には大きな音が出続けます。

検査時間がCT検査に比べると長いので、緊急を要する脳卒中などの検査ではCT検査をすることが一般的です。

・磁力を用いる

MRI検査は磁力と電波を用いた検査なので、X線による被ばくの影響はありません。
また体に対してMRI検査の磁力や電波で悪影響が出る可能性は限りなく低いといわれています。

今後の調査で何かしらの影響が確認される可能性は否定できませんが、非常に安全性の高い検査と考えて良いでしょう。
磁石に砂鉄が付くように、磁力は金属を引き寄せる性質があります。

このためMRI検査ではアクセサリーやメガネ、使い捨てカイロなどは必ず外して検査を受ける必要があります。
同じく化粧品や顔料には金属成分が含まれているものもあり、MRI検査でヤケドをする可能性もあります。

以前はペースメーカーや人工関節などの医療機器を埋め込んでいる方はMRI検査での注意が必要でした。
現在では技術開発が進み、体内に医療機器を埋め込んでいる方でも受けられるMRI検査が主流となりました。
(注:撮影するには施設基準をみたした施設しか出来ない現状があります。)

しかし昔の医療機器や特殊な金属を埋め込んでいる場合には引き続き注意が必要です。
安全にMRI検査を受けられるか心配な場合には、医師にしっかり確認と相談をしましょう。

・色の濃淡(コントラスト)が鮮明

MRI検査には、画像の濃淡が非常に鮮明に写し出されるという特徴があります。
また造影剤を使用しなくても細かい血管の状態を確認することができます。

さまざまな部位や角度から確認ができることはCT検査と同じですが、濃淡がくっきりしているためCT検査ではわかりにくかった小さな腫瘍などを発見できる可能性もあります。

また血管が破れる前の段階の、小さな血管が詰まってしまった状態などを確認することもできます。
初期の脳梗塞がMRI検査で確認できれば、重大な病状に至る前に治療を進められる可能性があります。
そのため脳ドッグではMRI検査を用いて脳の状態を確認しています。

CTとMRIは医師の判断で使い分けることが一般的

CT検査にもMRI検査にも優れた点があり、検査の目的や部位によって使い分けや併用をします。
さらに別の画像診断検査を併用して行うこともありますが、医師が患者さんにもっとも適している検査を判断しています。

同じく安全性や病気を発見できる可能性など、患者さんの健康を最優先に考えて選択しているといって良いでしょう。
体質や体の状態によっては検査を受けられないこともありますので、わからないことは全て医師に聞きましょう。


患者さんが不安に思う気持ちを持つことは当然のことです。
それがどのような不安であっても、その気持ちをはっきりと医師に伝えて説明を受けることも大切です。

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監修医 知久 正明 (ちく・まさあき)

メディカルチェックスタジオ東京銀座クリニック院長・医学博士
病気になる前に治すという『未病』を理念に掲げていきます。循環器内科分野では心臓病だけでなく血管病まで診られる最新の医療機器を備えたバスキュラーラボで、『病気より患者さんを診る』を基本として診療しています。

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