脳ドックとは何か? 検査の内容から受診をおすすめする方、費用、注意点まで解説
脳疾患は仕事やプライベートに大きな影響を与えます。脳梗塞や脳出血を発症すると、もとの生活には戻れない方も多いです。脳ドックは未病段階の脳の状態を把握することができ、早期発見、早期治療のために有用な検査です。この記事では脳ドックの検査内容や、見つけることができる疾患、特に受診をおすすめする方について説明します。知っておきたい脳ドックの補助金・助成金制度 思っていたよりずっと安く受診できるってほんと?
脳ドックは自由診療
日本国内で診療を受ける場合には、大きく「保険診療」と「自由診療」に分けることができます。
病気になった方が受ける診療は、基本的には健康保険が適用されることが多く、「保険診療」となります。
自由診療になるのは、まだ病気ではない状態で受ける診療の場合です。
人間ドックがいい例ですが、脳ドックは主に症状のない方が任意で受ける検査であり、一般的に「自由診療」として扱われます。
脳ドックと脳梗塞の検査の違い
脳ドックと脳梗塞の検査では、実施する目的が異なります。
脳ドックは、脳や脳血管の状態を総合的にチェックするための検査です。MRIやMRA(磁気共鳴血管撮影)を用いて、脳腫瘍や動脈瘤などの異常の有無や所見を画像で確認し、リスクを把握することを目的としています。
脳梗塞が疑われる場合の検査は、診断に資する情報を得る目的で実施され、治療方針の判断材料となります。脳梗塞は血管が詰まり、脳に十分な血液が届けられないことで発生します。CTやMRIでその兆候やリスクを確認し、医師の判断のもとで状態に応じた治療が選択されます。
まとめると、脳ドックは総合的に脳の健康状態をチェックする検査であり、脳梗塞の検査は脳の血流や血管の状態を調べて診断に用いる検査です。
脳ドックの詳細については以下の記事をご覧ください。
脳ドックの費用はどれくらいかかる?
脳ドックの費用は、医療機関や検査内容によって異なります。
一般的には、2万5,000円から6万円ほどの間であるケースが多く、基本的な検査項目のみを行う場合は3万円程度で済むこともあります。しかし、MRIやMRAなどの画像診断、肺や心臓の検査を含むコースの場合は、10万円以上の費用がかかることもあります。
検査内容と費用を比較し、必要に応じて医療機関に確認してください。なお、脳ドックの費用の詳細については、以下の記事をご覧ください。
脳ドックにかかる費用は? 保険適用できる? 自由診療と保険診療の違いも解説
40歳を越えると脳卒中のリスクが徐々に高くなるため、40代の方でまだ脳ドックを受けたことがない人は注意が必要です。特に高血圧や喫煙習慣、飲酒習慣、生活習慣に心配のある人はリスクがさらに高くなる可能性があるため、一度脳ドックを受けることをオススメします。この記事では、脳ドックの費用の目安はどれくらいか、保険適用されるかどうかについて解説していきます。
なぜ脳ドックに補助金・助成金があるの?

補助金と助成金は、意味合いとしてはほぼ同じです。
どちらも国や地方公共団体、民間団体から支出されるもので、原則として返済する必要がありません。
国でも地方公共団体でも、人が突然の病気によって働けなくなってしまうのは望むところではありません。こうした不慮の重大疾患にならないように、予防として行われる脳ドックには、様々な補助金・助成金が用意されています。
「脳ドックを受けてみようかな。でもちょっと高いかも」と思われた方には、ご自身が対象となっている補助金・助成金がないかを調べてみることをおすすめします。
対象となる補助金・助成金はどうやって確認する?
脳ドックの受診に際して補助金や助成金を出してくれる対象は、大きく2種類に分けることができます。
「健康保険組合」と「地方自治体」です。
では、それぞれ内容をみていきましょう。
健康保険組合から受けられる補助金
健康保険は大きく3種類に分けられます。
①会社員・公務員が加入する健康保険
②自営業者などが加入する国民健康保険
③後期高齢者医療制度
この中で、健康保険組合から脳ドックの補助金や助成金を受け取れるのは、①のタイプの健康保険に入っている方です。
所属している健康保険ごとに補助金・助成金の内容が異なるため、詳しくは職場の担当者に問い合わせていただく必要があります。
以下に、助成制度が確認されている健康保険組合の具体例を記載します。
| 保険組合名 | 補助条件 | 補助金額 | ||
|---|---|---|---|---|
| 年齢 | 対象者 | 期間 | ||
| 関東信用組合連合健康保険組合 | 40歳以上 | 被保険者 被扶養者 |
2年に1回 | 10,000円引き |
| 東京実業健康保険組合 | 40歳以上 | 被保険者 被扶養者 |
– | 10,000円引き |
| 印刷製本包装機械健康保険組合 | 40歳になる年 以降は45歳以上 |
被保険者 被扶養者 |
2年に1回 | 15,000円引き |
(※2023年度2月時点での制度内容です。)
補助金額は、それぞれの健康保険組合によって異なります。
年齢、対象者(被扶養者も含むか否か)、期間などに制約はありますが、実質の負担額を減らせます。
◯補足
多くの健康保険組合は「東京都総合組合保健施設振興協会」(以下、東振協)に一部業務を委託しています。
健康保険組合によっては、東振協と契約している施設にのみ補助金が交付される場合があります。詳しくは所属する健康保険組合に確認しましょう。
地方自治体から受けられる補助金
自営業者(フリーランス)や高齢者の方は、国民健康保険に入っていたり、後期高齢者医療制度の対象になっていたりする方が多いと思います。
こうした方にも、お住まいの地方自治体から補助金や助成金が出る場合があります。
こちらも市区町村によって「国民健康保険に入っている方」だったり、「国民健康保険加入者、後期高齢者医療制度加入者の両方」だったり、対象が異なりますので、お住まいの市区町村の担当者に問い合わせてみましょう。
| 市区町村 | 補助条件 | 補助金額 | ||
|---|---|---|---|---|
| 年齢 | 対象者 | 期間 | ||
| 東京都荒川区 | 40歳以上 | 国保・後期高齢者医療制度加入者 | – | 検査費用の1/2補助(上限2万円) |
| 千葉県浦安市 | 40歳以上 | 国保 | 2年に1回 | 15,000円引き |
| 千葉県船橋市 | 40歳以上 かつ 5歳刻み年齢 |
国保・後期高齢者医療制度加入者 | 同一年度内に1回 | 10,000円引き |
(※2023年度2月時点での制度内容です。)
会社が出してくれる補助金でさらにお得に受診できる?
会社によっては、脳ドックを推奨するキャンペーンなどを実施することがあり、これを組み合わせればさらに自己負担額を抑えて脳ドックを受診できます。
もし脳ドックが19,250円の場合には、健康保険組合から10,000円の補助金、さらに会社が5,000円を負担してくれるとしたら、実質的な負担額は4,250円です。
脳ドックを受診される前に、会社が独自に出している補助やキャンペーンがないかも調べてみましょう。
費用を抑えるコツ|助成金以外にもできる工夫とは?
脳ドックの費用を助成金以外の方法で抑えるためには、いくつかのポイントがあります。
|
ポイント |
内容 |
|
複数の医療機関を比較する |
同じ検査内容でも、医療機関によって料金設定が異なります。 |
|
健康保険組合や共済会などの助成制度を確認する |
加入している保険によっては人間ドックの補助が受けられる場合があります。 |
|
時期ごとのキャンペーンを利用する |
医療施設によっては、時期や検査項目ごとに割引を行っているケースがあります。 |
|
家族や友人の紹介で利用する |
紹介により、割引や特典が受けられるケースがあります。 |
定期的に健康状態をチェックすることで、早期に異常を把握できる可能性が高まり、結果として受診行動の検討に役立つ場合があります。
これらの工夫を参考にして、無理なく脳ドックを利用し、病気の早期発見や予防を心がけましょう。
まとめ|補助金を使って賢く未病対策

長らく医療は「病気になった方に対して行われるもの」とされてきました。
しかしながら、現代では機器の発達や研究データが増えることによって、まだ病気になる前から、すでに対策を進めることが可能になっています。
補助金や助成金は、個人の負担額を保険が適用された時と同じくらいの額にまで軽減してくれる制度です。
ぜひ活用して、自己負担額を抑えて脳ドックを受診してみてはいかがでしょう。
脳ドックとは何か? 検査の内容から受診をおすすめする方、費用、注意点まで解説
脳疾患は仕事やプライベートに大きな影響を与えます。脳梗塞や脳出血を発症すると、もとの生活には戻れない方も多いです。脳ドックは未病段階の脳の状態を把握することができ、早期発見、早期治療のために有用な検査です。この記事では脳ドックの検査内容や、見つけることができる疾患、特に受診をおすすめする方について説明します。
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