2022/08/02 ( 公開日 : 2021/07/19 )

20年ぶりに見直された脳・心疾患の労災認定基準は? 新しい基準を確認しましょう! 

検査
健康寿命 未病 脳疾患
この記事は約6分で読めます
脳・心疾患を患ってしまうと、体に大きな影響があり、もう以前のように働けなくなってしまうことがあります。2021年6月には、20年ぶりに労災の基準が緩和されることになりました。この記事の中では、労災が多い業界・職種や、20年ぶりに緩和された労災認定についてご説明いたします。
目次

労災ってなに?

労災とは、正しく表記すると「労働者災害補償保険」のことです。
これは雇用される立場の人が、仕事に関連することで起きた怪我や病気、もっとひどい場合には死亡した時に保険給付を行う制度です。

労災の対象になると療養費用の自己負担が少なくなり、休業時の手当も健康保険の傷病手当金よりも手厚いものになります。
もし過労死などで死亡したと労災で認定されると、給付を受けることが可能です。

脳・心疾患を患う人が多いわけ

日本人にとって脳・心疾患は、特に死因になることが多い疾患です。
労災と脳・心疾患の関わりが深いのは、これらが仕事のストレスなどで引き起こされる場合があるからです。

しかしもちろん、仕事がすべての原因となって脳・心疾患になるわけではありません。
多くの方は生活習慣が乱れている中で、高血圧・高脂血症・糖尿病などを抱えている上に、プラスで業務的過労が追い討ちをかけて体を重篤な状態に追い込む脳・心疾患が起きているといえるでしょう。

脳・心疾患の認定基準は?

脳・心疾患の認定基準

厚生労働省の『脳・心臓疾患の労災認定』では、脳・心疾患を労災認定する上での「基本的な考え方」「対象疾病」「認定要件」は以下のようになっています。

基本的な考え方

脳・心疾患はその発症の基礎となっている動脈硬化、動脈瘤などの血管病変などが、おもに加齢や生活習慣、生活環境などの日常生活による諸要因や遺伝などの個人に内在する要因で形成されます。
それが徐々に進行および増悪することで、あるとき突然に発症します。

しかし、仕事が特に過重であったために血管病変などが著しく増悪して、その結果として脳・心疾患が発症することがあります。
このような場合に、仕事がその発症の有力な原因となったものに対して労災補償は適用されます。

対象疾病

脳・心疾患の認定基準の対象疾病は、以下のとおり。

分類 疾患の名称
脳血管疾患 ・脳内出血(脳出血)
・くも膜下出血
・脳梗塞
・高血圧性脳症
虚血性心疾患 ・心筋梗塞
・狭心症
・心停止(心臓性突然死を含む)
・重篤な心不全
・大動脈解離

認定要件

以下のいずれかの「業務による明らかな過重負荷」を受けたことにより発症した脳・心疾患は、業務上の疾病として取り扱われます。

業務による
明らかな過重負荷
認定要件1
長期間の過重業務
発症前の長期間に渡って、いちじるしい疲労の蓄積をもたらすとくに過重な業務に就労したこと
認定要件2
短期間の過重業務
発症に近接した時期において、とくに過重な業務に就労したこと
認定要件3
異常なできごと
発症直前から前日までのあいだにおいて、発生状態を時間的および場所的に明確にしうる異常なできごとに遭遇したこと

それぞれ詳しくは、厚生労働省の発行していてる「脳・心臓疾患の労災認定」をご覧ください。

記事についてお気づきの点がございましたら、
編集部までご連絡いただけますと幸いです。

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