脳出血とはなにか? 出血しやすい部位や体に起こる症状について解説

2026/04/07
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脳の中ではときに出血が起きることがありますが、症状は脳梗塞と似ていることが多いです。脳出血はなりやすいいくつかの部位があり、それぞれ特徴が異なります。この記事の中では脳出血の診断方法や治療方法、また予防方法についても解説いたします。脳出血がどのようなものか気になる方は、ぜひ確認してみてください。
目次

脳出血(脳内出血)とは

脳出血とは脳の動脈が破れ、脳の中に出血した状態を指します。

脳の血管から流れ出た血液は脳の神経細胞を圧迫することがあり、これにより障害が起き、頭痛、手足の麻痺、吐き気などの症状を起こします。

症状は脳内のどこで血管が破れたか、また流れ出た血液の量によっても異なります。

脳出血・脳内出血・脳溢血の違い

「脳溢血」や「脳内出血」は、脳の血管が破れて出血する病気のことで、これらを総称して「脳出血」と呼びます。

脳出血、脳内出血とは、脳の中の血管が破れ、周囲に出血が生じている状態です。

出血は脳実質(神経細胞が多い領域)で起こり、血液が脳を圧迫することで、意識障害や手足の麻痺などの症状を引き起こすことがあります。


脳溢血は、脳血管が破れて血液が「溢(あふ)れ出す」という意味で使われていた用語です。現在では同じ状況を、脳出血として表現するのが一般的です。

脳出血の主な原因

脳出血の主な原因としては、高血圧が挙げられます。

高血圧は動脈に負担をかけるため、長い間高血圧が続くと血管が次第に脆くなってしまい、ついには破れてしまうのです。

また高齢者の場合には、脳血管に異常なタンパク質が沈着する病気である脳アミロイド血管症により、血管が脆くなって破れてしまうことがあります。

その他にも、脳動静脈奇形やもやもや病などが原因となり、脳出血が生じることがあります。

脳出血が起こりやすい年齢・性別・生活習慣はある?

脳出血の発症リスクには、生活習慣、年齢、性別などが関係しているとされています。生活習慣では、以下の要因により発症リスクが高まると考えられているため、注意が必要です。

  • 肥満
  • 喫煙
  • 高血圧
  • 糖尿病

特に高血圧は脳出血の重要な原因の1つとされており、血圧を適切に管理することで、発症リスクの低減が期待できます。

なお、厚生労働省の「国民健康・栄養調査結果の概要」によると、男性は女性に比べて血圧が高い傾向にあります。

また、脳血管疾患の患者数は男性の方が多く、男女ともに加齢とともに罹患者が多くなっています(出典:厚生労働省「脳血管疾患患者数の状況」)。

性別、年齢は変えようがありませんが、生活習慣は見直しが可能です。具体的な生活習慣の改善方法については、以下の記事をご覧ください。

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脳出血の種類

脳出血は脳の部位によって特徴的な症状や原因があり、おおよそ5種類に分けることができます。

出血する部位とその特徴

出血する部位 起こる症状や特徴
被殻(ひかく) 高血圧性の脳出血の中ではもっとも頻度が多いです。
頭痛や嘔吐が先行して起こり、手足が動かなくなる方が多いです。
死亡率はそれほど高くありませんが、意識状態や出血量によっては手術を検討する必要があります。
視床(ししょう) 脳出血の3割程度にみられます。症状はしびれ、麻痺、感覚障害などです。
後遺症が残ってしまうケースが多く、合併症として「急性水頭症」が起こることがあります。
小脳 頭痛、嘔吐、めまいが起こります。
出血が始まった当初に意識障害がみられなくても、出血が進むにつれて徐々に意識障害が起こることがあります。
血腫の大きさによっては、手術を検討する必要があります。
橋(脳幹) 脳出血の1割程度にみられます。
意識障害、呼吸障害、両手足の麻痺、眼球運動障害などがみられることが多いです。
急速に症状が進行する場合があり、重篤化する可能性があり、ます。
皮質下 脳葉出血ともいわれ、前頭葉や頭頂葉など大脳の表面に近い場所で起こる出血です。
痙攣や、軽めの意識障害などの症状がみられます。
ほかの部位からの出血よりも症状が比較的軽い場合が多く、予後が良好なことが多いとされます。

脳出血の初期症状

脳出血の初期症状は、出血を起こした場所や出血の量によって異なりますが、以下のような症状がよくみられます。

  • 片側の手足の麻痺、しびれ、しゃべりにくさ、歩きにくさ(運動の症状)
  • 頭痛、めまい、吐き気、嘔吐(感覚の症状)

症状だけでは鑑別が難しい場合があり、画像検査などの評価が必要とされています。

出血量が多かったり、生命維持に重要な部分で出血が起きたりしたときには意識障害を起こし、その後死亡するケースもあります。

脳出血の診断方法

脳出血の診断にはCT検査が用いられ、多くの場合で確定診断に有用とされています。同時に出血した部位や出血の量を調べることもできます。

さらに出血の原因を調べるために、追加でMRI検査や造影剤を用いたCT検査を行うこともあります。

場合によっては、カテーテルを用いた「血管造影検査」が行われることもあります。

頭痛やめまいといった脳出血にみられる症状があるものの、別の疾患も疑われる場合には他の検査を行うケースもあります。

脳出血の治療方法

脳出血の原因は高血圧によるものが多いため、血圧を下げる薬が投与されます。

また、出血を止めるための薬や、脳が出血塊によって圧迫されることで生じる浮腫(むくみ)を取るための薬なども投与されます。

出血量が多い場合は命に関わる可能性があるため、出血の部位や量などを踏まえ、開頭して血腫を除去する手術が検討されることがあります。

また、急性水頭症が生じた場合には、髄液を体外に排出させる処置(脳室ドレナージ術)を行うこともあります。

ただし、出血した場所や出血の状態によっては手術ができないこともありますので、医師とよく相談することが重要です。

脳出血の予防方法

脳出血のリスクを低減させるには、主要な原因である高血圧の予防が求められ、生活習慣を少しでも改善することが大切です。

生活習慣の改善

高血圧をはじめとする生活習慣病は脳卒中のリスク要因となります。

血圧がすでに高い方は食事の塩分や脂質をとりすぎず、飲酒量に注意することも必要です。

また、食事に気を付けることとあわせて、運動の習慣化によって体重コントロールをすることも大切です。

肥満状態が続くと、高血圧のみならず、糖尿病や脂質異常症などの危険性も上がります。

規則正しい生活と運動の継続が推奨されています。

また、喫煙は血管を収縮させてしまうため、脳卒中の大きなリスクとして知られています。

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脳の健診に当たる脳ドックを受診することで、脳卒中のリスクの有無を確認し、予防する手がかりになります。

様々な脳疾患を発症させないためには、ご自身の脳の状態を理解して少しずつ生活習慣を変えていくことが重要です。

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編集部までご連絡いただけますと幸いです。
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監修医 伊藤 たえ (いとう・たえ)
菅原クリニック東京脳ドック院長
2004年浜松医科大学医学部卒業
脳神経外科学会専門医
脳卒中学会専門医
脳ドック学会認定医