2022/12/07 ( 公開日 : 2021/07/27 )

内臓脂肪を落とすにはどうする? 超悪玉コレステロールが動脈硬化を起こす仕組みも解説

生活習慣
コレステロール 動脈 肥満
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内臓脂肪が体に溜まっていると動脈硬化につながる要因になりやすく、最悪の場合には大きな脳疾患を引き起こすことも。「自分は太っていないから大丈夫」そんな風に思っている方の中にも、じつは内臓脂肪が多い方がいます。内臓脂肪がどんな風に人体に悪影響を与えるか知ることで、脳疾患リスクについて学びましょう!
目次

内臓脂肪と皮下脂肪について

人間の体の脂肪は、大きく分けると「皮下脂肪」と「内臓脂肪」があります。 以下にそれぞれの特徴をまとめております。

皮下脂肪

お腹の皮膚の下につく脂肪で、腰回りや下半身につきやすいものです。
体温維持などの役割を持つとされていますが、長い期間をかけて少しずつ蓄積され、一度ついてしまうと体からは比較的落としにくいとされる脂肪です。

お尻や太ももなど下半身の肉づきが良くなるその体型から、「洋なし型肥満」とも呼ばれており、女性は授乳期のたくわえとして皮下脂肪がつきやすいため、女性に比較的多くみられます。

蓄積されると膝や腰など整形外科的疾患のリスクが高まり、睡眠時無呼吸症候群・関節痛・月経異常なども合併しやすいとされています。

内臓脂肪

お腹を覆う筋肉の内側、文字通り内臓についている脂肪です。
臓器の正しい位置を保ち、衝撃を和らげて重要な器官を保護する役割があります。

おなかがぽっこりと出やすいことから「りんご型肥満」とも呼ばれており、女性よりも男性に多く見られることが特徴です。
この脂肪が蓄積されていくと血液中の悪玉(LDL)コレステロールや中性脂肪が増え、動脈硬化のきっかけをつくることになります。 他にも糖尿病・脂質異常症・高血圧などにつながる可能性もありますが、運動などで比較的容易に落とすことができるとされています。

動脈硬化はなぜ起こるの?

動脈はもともとはとてもしなやかで、淀みなく血液を流すことができます。しかし生活する中で住居のパイプに汚れが溜まっていくように、体の中でもさまざまな生体的な変化が起こって、だんだんと血液の流れが阻害される現象が起きます。

それがいわゆる「動脈硬化」ですが、この現象はいったいどのように起こるのでしょうか?

コレステロールの基礎知識

動脈硬化のメカニズムについて理解するには、まず善玉と悪玉コレステロールについて知りましょう。

HDLコレステロール:善玉
余分なコレステロールを肝臓に戻す(回収機能)

LDLコレステロール:悪玉
コレステロールを全身に運ぶ(運搬機能)

HDLコレステロールもLDLコレステロールも人体には必要な機能を持つものですが、乱れがちな食習慣の方にとっては、HDLコレステロールがLDLコレステロールよりも減ってしまいがち。
それゆえに、不足しがちなHDLコレステロールを「善玉」、増えがちなLDLコレステロールを「悪玉」と呼びます。

善玉・悪玉の増減

内臓脂肪が増えると、これが分解して生じた物質が肝臓に取り込まれます。
そして肝臓で血液中に脂質を運ぶカプセルである、VLDL(超低比重リポタンパク)がつくられます。
VLDLは、全身に脂質を届けて、LDLになります。

LDLの中身は多くがコレステロールですが、ここから全身にコレステロールをまた配ります。するとLDLはHDLに変わり、一度運搬したコレステロールで余剰なものがあればそれを回収していきます。

古くなったLDLが動脈硬化の原因に

LDLが増えすぎると、全身のコレステロールが過剰な状態になり、HDLに変わることができません。古いLDLは酸化されて小型になり、超悪玉菌(sd LDLコレステロール)へと変わります。

これは血管内皮に潜り込んで、動脈をしなやかな状態から硬くこわばった状態へと変化させてしまうのです。

そして当然ながら、物資を回収する存在であるHDLも減るわけですから、体の中はどんどんコレステロールが増えて、どんどん悪循環が進行。
この状態が続くと、糖尿病、高脂血症などにつながっていき、脳疾患を起こす原因にもなります。

記事についてお気づきの点がございましたら、
編集部までご連絡いただけますと幸いです。

メディカルチェックスタジオでは
動脈硬化や血管詰まりの
起こりやすさを検査できます。

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(超悪玉コレステロール) を予約する
監修医 知久 正明 (ちく・まさあき)
メディカルチェックスタジオ東京銀座クリニック院長・医学博士

病気になる前に治すという『未病』を理念に掲げていきます。循環器内科分野では心臓病だけでなく血管病まで診られる最新の医療機器を備えたバスキュラーラボで、『病気より患者さんを診る』を基本として診療しています。

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