2021/07/27 ( 更新日 : 2022/08/10 )

内臓脂肪と皮下脂肪のちがいは? 知っておきたい動脈硬化の仕組み

生活習慣
動脈 肥満 脳疾患
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内臓脂肪が体に溜まっていると動脈硬化につながる要因になりやすく、最悪の場合には大きな脳疾患を引き起こすことも。「自分は太っていないから大丈夫」そんな風に思っている方の中にも、じつは内臓脂肪が多い方がいます。内臓脂肪がどんな風に人体に悪影響を与えるか知ることで、脳疾患リスクについて学びましょう!
目次

内臓脂肪と皮下脂肪について

人間の体の脂肪は、大きく分けると「皮下脂肪」と「内臓脂肪」があります。 以下にそれぞれの特徴をまとめております。

皮下脂肪

お腹の皮膚の下につく脂肪で、腰回りや下半身につきやすいもの。 体温維持などの役割を持つとされていますが、長い期間をかけて少しずつ蓄積され、一度ついてしまうと体からは比較的落としにくいとされる脂肪です。

お尻や太ももなど下半身の肉づきが良くなるその体型から、「洋なし型肥満」とも呼ばれており、女性は授乳期のたくわえとして皮下脂肪がつきやすいため、女性に比較的多くみられます。

蓄積されると膝や腰など整形外科的疾患のリスクが高まり、睡眠時無呼吸症候群・関節痛・月経異常なども合併しやすいとされています。



内臓脂肪

お腹を覆う筋肉の内側、文字通り内臓についている脂肪です。
臓器の正しい位置を保ち、衝撃を和らげて重要な器官を保護する役割があります。

おなかがぽっこりと出やすいことから「りんご型肥満」とも呼ばれており、女性よりも男性に多く見られることが特徴です。
この脂肪が蓄積されていくと血液中の悪玉(LDL)コレステロールや中性脂肪が増え、動脈硬化のきっかけをつくることになります。 他にも糖尿病・脂質異常症・高血圧などにつながる可能性もありますが、運動などで比較的容易に落とすことができるとされています。

動脈硬化はなぜ起こるの?

動脈はもともとはとてもしなやかで、淀みなく血液を流すことができます。しかし生活する中で住居のパイプに汚れが溜まっていくように、体の中でもさまざまな生体的な変化が起こって、だんだんと血液の流れが阻害される現象が起きます。

それがいわゆる「動脈硬化」ですが、この現象はいったいどのように起こるのでしょうか?

コレステロールの基礎知識

動脈硬化のメカニズムについて理解するには、まず善玉と悪玉コレステロールについて知りましょう。

HDLコレステロール:善玉
余分なコレステロールを肝臓に戻す(回収機能)

LDLコレステロール:悪玉
コレステロールを全身に運ぶ(運搬機能)

HDLコレステロールもLDLコレステロールも人体には必要な機能を持つものですが、乱れがちな食習慣の方にとっては、HDLコレステロールがLDLコレステロールよりも減ってしまいがち。
それゆえに、不足しがちなHDLコレステロールを「善玉」、増えがちなLDLコレステロールを「悪玉」と呼びます。

善玉・悪玉の増減

内臓脂肪が増えると、これが分解して生じた物質が肝臓に取り込まれます。
そして肝臓で血液中に脂質を運ぶカプセルである、VLDL(超低比重リポタンパク)がつくられます。
VLDLは、全身に脂質を届けて、LDLになります。

LDLの中身は多くがコレステロールですが、ここから全身にコレステロールをまた配ります。するとLDLはHDLに変わり、一度運搬したコレステロールで余剰なものがあればそれを回収していきます。

古くなったLDLが動脈硬化の原因に

LDLが増えすぎると、全身のコレステロールが過剰な状態になり、HDLに変わることができません。古いLDLは酸化されて小型になり、超悪玉菌(sd LDLコレステロール)へと変わります。

これは血管内皮に潜り込んで、動脈をしなやかな状態から硬くこわばった状態へと変化させてしまうのです。

そして当然ながら、物資を回収する存在であるHDLも減るわけですから、体の中はどんどんコレステロールが増えて、どんどん悪循環が進行。
この状態が続くと、糖尿病、高脂血症などにつながっていき、脳疾患を起こす原因にもなります。

内臓脂肪と皮下脂肪を落とす方法

主に「食生活の乱れ」と「運動不足」などが原因とされています。
普段から車やエスカレーターを使ったり、デスクワークが中心だったりの生活のなかで体を動かす機会がない場合は脂肪が蓄積されやすくなります。

日常的な運動の習慣がある人でも、食事が外食やファストフード、コンビニ弁当などで慢性的なカロリーオーバーの暴飲暴食によって、消費されずに脂肪となって蓄積されていきます。
また、アルコール摂取による過剰なエネルギーは肝臓に蓄積しやすく、内臓脂肪の増加に悪影響があるとも言われています。

ですので、効率よく落とす方法としては、食生活と運動習慣をはじめとする生活習慣の改善が大切になります。

食事習慣

栄養のバランスが整った食事を心がけて脂質や糖質量をコントロールしましょう。
特にコンビニ弁当や総菜などは、脂質や糖質が多く、エネルギー過多となりやすいため、糖質が多く含まれる食品には注意してください。
糖質の量を制限していき、摂取エネルギーよりも消費エネルギー量がやや多い状態を目指すようにしましょう。

野菜や豆腐などの低カロリーの食品中心の食事がおすすめです。揚げ物などの脂質が多い食品はなるべく控えるようにしましょう。

とはいえ、極端に食生活を変えると健康に悪影響を及ぼす可能性もありますので、体調を崩す原因となりかねないためNGです。

運動習慣

運動の種類としては、有酸素運動と筋トレを取り入れることが効果的です。
筋トレを取り入れる理由としては、筋肉が多いほど消費カロリーが増え、痩せやすい体になるからです。

皮下脂肪は内臓脂肪と比較すると燃えにくいと言われているため、一回あたりの運動に時間をかける必要があるとされています。

最初に筋トレを30分~60分行い、次に有酸素運動を30~60分行うのがおすすめです。
運動時間としては1回に30~60分、週に3回を目安に行っていきましょう。

長時間のんびりと行えて毎日継続することが、脂肪の減少に効果的です。 長年運動習慣がなかった方が、いきなり激しい運動をすると怪我につながってしまうこともありますので、注意しながら運動習慣の改善を始めましょう。

内臓脂肪と皮下脂肪では落ちやすさも異なります。
脂肪を落とそうとダイエットや筋トレを始めると、まず先に落ちるのは内臓脂肪です。 次に、皮下脂肪が落ちます。

内臓脂肪は内臓に近いため血中に溶け出しやすく、エネルギーに変換されて燃焼されやすいのですが、 皮下脂肪は体温を維持したり外の衝撃から体を守る役割を持っているため、落ちにくいとされています。

なので、ダイエットをしていても皮下脂肪が落ちるまでに時間がかかる場合があります。

内臓脂肪で起こりうる脳疾患

内臓脂肪の多い肥満は、生活習慣病にとって最も悪影響。
生活習慣病は、脳で起こる様々な疾患に関わっています。

  • 脳梗塞
  • 脳出血
  • くも膜下出血

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まとめ

内臓脂肪と皮下脂肪を落とすには、健康的な運動と食事を心がけて、毎日の体重測定などを習慣化するようにして、 日ごろから効果を確認をしていき、コツコツと減らしていきましょう。

また、若いうちは体に大きな異変が起きないため、つい見逃してしまいがちですが、脳の大きな血管が血栓などで詰まると生命の危機に晒されます。

10年20年スパンで、自分の体にずっと負荷がかかり続けているのだとしっかり認識し、すこしずつ生活を見直してみてはいかがでしょう。
寿命が長く伸びる時代においては、自分の健康寿命について自分で考えることが、より大切さを増してきています。

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2021/07/27 (更新日:2022/08/10)

内臓脂肪と皮下脂肪のちがいは? 知っておきたい動脈硬化の仕組み

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監修医 知久 正明 (ちく・まさあき)

メディカルチェックスタジオ東京銀座クリニック院長・医学博士
病気になる前に治すという『未病』を理念に掲げていきます。循環器内科分野では心臓病だけでなく血管病まで診られる最新の医療機器を備えたバスキュラーラボで、『病気より患者さんを診る』を基本として診療しています。

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