2021/07/27 ( 更新日 : 2021/09/10 )

内臓脂肪が将来の脳疾患リスクに? 知っておきたい動脈硬化の仕組み

生活習慣
この記事は約4分で読めます
内臓脂肪が体に溜まっていると動脈硬化につながる要因になりやすく、最悪の場合には大きな脳疾患を引き起こすことも。「自分は太っていないから大丈夫」そんな風に思っている方の中にも、じつは内臓脂肪が多い方がいます。内臓脂肪がどんな風に人体に悪影響を与えるか知ることで、脳疾患リスクについて学びましょう!
目次

メディカルチェックスタジオ(銀座/新宿)では
動脈硬化や血管詰まりの起こりやすさを検査できます。

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内臓脂肪ってなに?

人間の体の脂肪は、大きく分けると「皮下脂肪」と「内臓脂肪」があります。

皮下脂肪はお腹の皮膚の下につく脂肪で、腰回りや下半身につきやすいもの。
こちらは病気につながりにくい脂肪で、危険が少ない脂肪として知られています。体温維持などの効果を持つ、体からは比較的落としにくいとされる脂肪です。

一方で内臓脂肪は、お腹を覆う筋肉の内側、文字通り内臓についている脂肪です。
この脂肪は糖尿病・脂質異常症・高血圧などに関わるため注意が必要ですが、運動などで比較的容易に落とすことができます。

動脈硬化はなぜ起こるの?

動脈はもともとはとてもしなやかで、淀みなく血液を流すことができます。しかし生活する中で住居のパイプに汚れが溜まっていくように、体の中でもさまざまな生体的な変化が起こって、だんだんと血液の流れが阻害される現象が起きます。

それがいわゆる「動脈硬化」ですが、この現象はいったいどのように起こるのでしょうか?

コレステロールの基礎知識

動脈硬化のメカニズムについて理解するには、まず善玉と悪玉コレステロールについて知りましょう。

HDLコレステロール:善玉
余分なコレステロールを肝臓に戻す(回収機能)

LDLコレステロール:悪玉
コレステロールを全身に運ぶ(運搬機能)

HDLコレステロールもLDLコレステロールも人体には必要な機能を持つものですが、乱れがちな食習慣の方にとっては、HDLコレステロールがLDLコレステロールよりも減ってしまいがち。
それゆえに、不足しがちなHDLコレステロールを「善玉」、増えがちなLDLコレステロールを「悪玉」と呼びます。

善玉・悪玉の増減

内臓脂肪が増えると、これが分解して生じた物質が肝臓に取り込まれます。
そして肝臓で血液中に脂質を運ぶカプセルである、VLDL(超低比重リポタンパク)がつくられます。
VLDLは、全身に脂質を届けて、LDLになります。

LDLの中身は多くがコレステロールですが、ここから全身にコレステロールをまた配ります。するとLDLはHDLに変わり、一度運搬したコレステロールで余剰なものがあればそれを回収していきます。

古くなったLDLが動脈硬化の原因に

LDLが増えすぎると、全身のコレステロールが過剰な状態になり、HDLに変わることができません。古いLDLは酸化されて小型になり、超悪玉菌(sd LDLコレステロール)へと変わります。

これは血管内皮に潜り込んで、動脈をしなやかな状態から硬くこわばった状態へと変化させてしまうのです。

そして当然ながら、物資を回収する存在であるHDLも減るわけですから、体の中はどんどんコレステロールが増えて、どんどん悪循環が進行。
この状態が続くと、糖尿病、高脂血症などにつながっていき、脳疾患を起こす原因にもなります。

内臓脂肪で起こりうる脳疾患

内臓脂肪の多い肥満は、生活習慣病にとって最も悪影響。
生活習慣病は、脳で起こる様々な疾患に関わっています。

  • 脳梗塞
  • 脳出血
  • くも膜下出血

まとめ

内臓脂肪は溜まりすぎると体に悪影響を及ぼします。
しかしこの脂肪は落としやすい脂肪としても知られていますので、生活習慣を改善するだけで、短期間で適正な量まで落とすことが可能。

若いうちは体に大きな異変が起きないため、つい見逃してしまいがちですが、脳の大きな血管が血栓などで詰まると生命の危機に晒されます。

10年20年スパンで、自分の体にずっと負荷がかかり続けているのだとしっかり認識し、すこしずつ生活を見直してみてはいかがでしょう。
寿命が長く伸びる時代においては、自分の健康寿命について自分で考えることが、より大切さを増してきています。

メディカルチェックスタジオ(銀座/新宿)では
動脈硬化や血管詰まりの起こりやすさを検査できます。

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監修医 知久 正明 (ちく・まさあき)

メディカルチェックスタジオ東京銀座クリニック院長・医学博士
病気になる前に治すという『未病』を理念に掲げていきます。循環器内科分野では心臓病だけでなく血管病まで診られる最新の医療機器を備えたバスキュラーラボで、『病気より患者さんを診る』を基本として診療しています。

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