2022/08/31 ( 公開日 : 2022/05/26 )

前立腺がんとは? 症状、原因、検査方法、見つかった時にどうすればいいかを解説!

症状
がん 前立腺 検診
この記事は約4分で読めます
前立腺がんは尿や精液の通り道である前立腺にできるがんです。進行すると排尿状態に影響を与えたり、リンパ節や他の臓器に転移を起こして生活の質に影響を及ぼし、場合によっては命に関わります。しかし早期発見・早期治療を行うことで根治することもできます。この記事の中では前立腺がんで現れる症状や発見のための検査方法を解説いたします。
目次

前立腺がんについて

前立腺とは

前立腺は男性特有の臓器で、膀胱のすぐ下に存在しています。前立腺は尿道を取り囲んでおり、通常は3〜4センチ程度でクルミほどの大きさです。

前立腺は精液の一部に含まれる前立腺液を作っていますが、この液体は精液成分の約3割程度を占めており、クエン酸を多く含み精子に活性を与える働きをしていると考えられています。

前立腺がんとは

前立腺がんは、前立腺の細胞が異常な増殖をしてしまうことで発生します。多くの場合ゆっくりと進行するため、早期に発見すれば治癒することが可能です。

前立腺がんと新たに診断される人は、1年間で10万人あたり149人程度です。
前立腺がんは高齢者のがんともいわれていて、約90%が60歳以上の方です。
日本国内では年々高齢者が増えていますが、それにともなって罹患者が増えているがんです。

初期には症状がほとんどなし

前立腺がんは初期には自覚症状がほとんどありませんので、発見が遅れてしまいがちです。
進行は速くないため、早期発見・早期治療ができれば、ほかのがんよりも治りやすいことが知られています。

発見が遅くなってがんが進行すると、最終的にはリンパ節、骨、肺、肝臓などの他の臓器に転移し、生活の質や生命予後に関わるものとなります。
リスクを摘み取るためにも早期発見が重要です。


進行した後で現れる、前立腺がんの症状は以下のようなものです。

  • 尿がでにくい
  • 残尿感
  • 排尿時の痛み
  • 尿や精液に血が混じる

さらに進行した場合には、臀部(腰より下で腿より上のあたり)と腰の骨などの部位に転移します。

転移した後で出る症状は以下です。

  • 背中や腰の痛み
  • 足の痺れ
  • 足、陰嚢(睾丸を覆っているふくろ)、下腹部のむくみ など

前立腺がんと気づかずに、腰の痛みなどで整形外科を受診された方が前立腺がんを見つけることもあります。

前立腺がんの原因

前立腺がんの決定的な原因は明らかになっていません。
遺伝、加齢、ホルモン、食生活などが関係するのではないかといわれています。

特に遺伝は関係が深いとされており、父親や兄弟が前立腺がんになっている場合には、リスクが5.6倍になるともいわれているので注意が必要です。

前立腺がん発見のための検査方法

前立腺がんの検査としては、血液検査(腫瘍マーカー)、MRI検査、エコー、直腸指診などをおこないます。
上記の3つの検査では前立腺がんの存在を疑うことはできますが、確定診断のためには病理検査として前立腺生検が必要です。
前立腺の組織を採取して、がん細胞を証明することになります。

血液検査(腫瘍マーカー)

体内にがんが発生すると、通常はほぼみられない、そのがん特有の物質が血液や尿のなかに現れます。この物質を腫瘍マーカーといいます。
前立腺がんでは、PSAを血液検査で測定します。
精度が高く、簡単に行うことができるスクリーニング検査です。

PSAは高い値だとがんの確率も高まりますが、必ずしも前立腺がんとは限りません。
前立腺肥大症や前立腺炎でも高い値となることがあります。
PSAが高い場合には、医師から直腸指診や数か月後の再検査、または精密検査として画像検査をすすめられます。

MRI検査(画像検査)

前立腺がんが疑われる場合、局在診断としてMRIは有用です。
複数種類の画像から、総合的に判断して前立腺内に病変部位があるかの推定を行います。
悪性度の低い前立腺がんでは画像では病変が検出されない場合もあり、異常が認められなくても、年齢やPSAの数値を考慮して病理検査をすすめられる場合もあります。

直腸指診・エコー

直腸指診とは、医師が肛門から指を挿入して、前立腺の状態を確認する検査のことです。
全体の大きさ、硬さ、表面のなめらかさ、触れると痛みがあるかどうか、などの要素で判定されます。

エコーは超音波を発する器具を用い、前立腺の形状やサイズを調べる検査です。
がんがある場合には黒い影が映し出されます。
また「前立腺の被膜がはっきりとしていない」「形が左右非対称である」なども、がんを疑う所見です。

記事についてお気づきの点がございましたら、
編集部までご連絡いただけますと幸いです。

メディカルチェックスタジオでは
生活の質を低下させる
前立腺がんを検査できます。

骨盤内がんドック(前立腺がん)を予約する
監修医 大脇 貴之 (おおわき・たかゆき)
名古屋大学医学部附属病院 泌尿器科 医員
日本泌尿器科学会専門医

目の前の患者さんを救うべく臨床医として働きながら、未来のがん患者さんを救うために基礎研究も行っています。

こちらの記事もおすすめ

🚑さまざまな検査の中身を詳しくまとめています🚑

知っておきたい脳ドックの補助金・助成金制度 思っていたよりずっと安く受診できるってほんと?

脳ドック受けてみた! 各種メディアさま スマート脳ドック | 体験レポート

閉所恐怖症でもMRIは受けられる? 知っておきたい最新の脳ドック事情

📚 知識を増やすことも未病対策のひとつです 📚

こわい/こわくない頭痛とは? 脳梗塞は頭痛を感じないってほんと? 知っておきたい頭痛の分類

慢性硬膜下血腫について知っておきたいこと 治る認知症って何?

痰が絡むのはどうして? 長期的な痰に悩まされる時は病院を受診しましょう

🥗 食事・運動・睡眠を整えるための情報が満載🥗

話題のオートミールは健康にいいの? 栄養素や種類についても解説!

ビタミンB群ってどんな栄養素? 取りすぎは体に悪いってほんと 摂取目安についても解説

高血糖が体に及ぼす影響は? 血糖値が上がりにくい低GI食品を食事に取り入れよう!

🧑‍⚕️ インタビューなど耳寄りな情報を掲載! 🧑‍⚕️

健康面でのリスク管理はできていますか? 知久先生にインタビュー

中小企業の経営者が恐れている病気は? 脳ドックを受けたことがある人はどのくらい?

社員の体調管理の一環として「スマート脳ドック」を導入! CARTA COMMUNICATIONSさま

記事を探す