2023/02/14 ( 公開日 : 2023/02/14 )

花粉症でなぜ頭痛が起きるの? 副鼻腔炎、脳貧血との関係について

症状
炎症 頭痛
この記事は約3分で読めます
花粉症の時期になると、くしゃみや鼻づまりとともに、なぜか頭痛もするという方もいるのではないでしょうか。この記事の中では、花粉症がなぜ頭痛を引き起こすのかなどについてご説明いたします。
目次

花粉症になると頭痛が起きる?

春になると花粉が気になる方も多いと思います。花粉症は医学用語では「季節性アレルギー性鼻炎」と呼ばれており、症状としてはくしゃみ、鼻水と鼻づまり、目のかゆみなどがあります。

風邪と似た症状であるため、その年に初めて花粉症にかかった方は、風邪がいつまでも治らないと誤解されることも多いです。

そんな花粉症ですが、ひとによっては症状として頭痛が出る方もいます。

花粉症で頭痛が起きる原因は?

花粉症が原因となって頭痛が起きるのは、おもに以下の理由があると考えられています。

  • 副鼻腔炎(蓄膿症)
  • 鼻づまりでの脳貧血(脳の血流低下)
  • マスクの着用

副鼻腔炎(蓄膿症)

花粉症では鼻と結膜に炎症が起こりますが、これが副鼻腔炎(ふくびくうえん)を引き起こします。
副鼻腔炎は鼻水が増えることであったり、副鼻腔(※鼻の周りにある空洞のこと)の出口で鼻粘膜が腫れることによって鼻水の流れが悪くなり、副鼻腔に鼻水が溜まることで膿が発生することが原因で起こります。

この副鼻腔での炎症が、顔の感覚神経(三叉神経)に現れる痛みを引き起こしているのではないかといわれています。

🗒メモ 結膜炎とは?

結膜炎は白目とまぶたの裏側を覆っている半透明な膜(結膜)が、刺激や微生物感染などによって炎症を起こしている状態のことです。

鼻づまりでの脳貧血(脳の一時的な血流低下)

花粉症がひどい場合には、鼻がつまることで呼吸がうまくできず、脳の血流が不十分になり軽い酸欠状態を起こすこともあります。
この結果として脳の血管が拡張して、三叉神経が刺激され、痛みを引き起こしていると考えられています。

🧑‍⚕️こちらの記事もおすすめ🧑‍⚕️

立ち上がったときに頭がぐらっとするのはなぜ? 立ちくらみ、脳貧血とは?

長く椅子に座っていたあとで立ち上がると、ぐらぐらと頭が揺れる感覚になることはないでしょうか。このような立ちくらみはなぜ起こるのでしょう? もし頻繁にこうした立ちくらみがある場合には、病気が隠れている可能性があります。今回の記事の中では、病気の可能性があるのかなど、立ちくらみに隠れる危険について解説します。

マスクの着用

以前は花粉症の季節になれば、マスクを着用する方が増える印象でした。
2020年春以降は、新型コロナウイルスの影響でマスクを着用する方が一気に増え、ほとんど全員がマスクを付けて生活しています。
しかし過度なマスクの着用によって、吸い込む酸素が減っていることが懸念されています。

こちらの記事「マスク頭痛の対処法とは?コロナ禍で増えるマスク頭痛の原因と対策(NHK)」の中では、マスク着用時の酸素は通常の87%に減少しており、二酸化炭素は通常の約30倍に増加というデータも示されています。

また一般に口呼吸より鼻呼吸をする方が、肺の奥まで酸素が届くといわれていますが、
マスク着用で口呼吸が増える傾向にあることも、体に充分な酸素を供給できていない理由と考えられています。

いずれにしても花粉症それ自体ではなく、マスクをつけることでの酸素不足も頭痛を起こす原因となる可能性があります。

花粉症で起きる頭痛の解消法は?

アレルギー反応を抑える

花粉症の原因であるヒスタミンには、血管を拡張させる作用があります。
抗ヒスタミン薬では、この神経伝達物質のヒスタミンの働きを抑えることで、アレルギー反応を抑えることができます。

副鼻腔炎の症状を抑える

副鼻腔炎を悪化させないためには、上記のアレルギー症状を抑える以外にも、鼻づまり症状を改善することや、溜まってしまった膿を出すことが可能です。
副鼻腔炎の治療では、まずは抗菌薬の投薬治療が行われますが、ここで使われる薬は市販で購入できるものはあまりありません。
耳鼻咽喉科などで、医師に相談する必要があります。

投薬治療で効果がなかった場合や効果が充分ではなかった場合には、手術がなされることもあります。
専用の針を用いて鼻内部を洗浄したり、内視鏡を使って病変部位を切除するなどの治療です。

マスクのしすぎに注意

外出時にマスクを着用して花粉を避けることは必要かもしれません。

しかし室内で長時間マスクを着用すると、頭痛のリスクとなるかもしれませんので(※体に酸素が不足しているかどうかには諸説あり、現在も研究が進んでいるところです)できるだけマスクを外せるタイミングをいつも探して、着用する時間を減らすように心がけることが大切です。

厚生労働省は現時点(2023年2月初旬)でもひとと充分に距離が取れるときにはマスクをしないことを推奨しています。

記事についてお気づきの点がございましたら、
編集部までご連絡いただけますと幸いです。

スマート脳ドック

気になる方は、即日予約・受診可能です。
30分での脳ドック検査「スマート脳ドック」

まずは空き枠を確認してみる
監修医 星 明彦 (ほし・あきひこ)
元メディカルチェックスタジオ医師・医学博士

重篤な後遺症をきたす脳疾患を発症前に発見することを最優先に診療を行っています。頭痛、めまい、動悸など、生活するうえで気になる症状がある方も、ぜひお気軽に当院の外来までお越しください。

こちらの記事もおすすめ

🚑さまざまな検査の中身を詳しくまとめています🚑

知っておきたい脳ドックの補助金・助成金制度 思っていたよりずっと安く受診できるってほんと?

脳ドック受けてみた! 各種メディアさま スマート脳ドック | 体験レポート

PET検査とは? CT検査とは何が違うの? 検査後に注意することとは?

📚 知識を増やすことも未病対策のひとつです 📚

こわい/こわくない頭痛とは? 脳梗塞は頭痛を感じないってほんと? 知っておきたい頭痛の分類

ストレスが原因で脳卒中になる? リスクを増やさないためにできること

脳梗塞でよくおきる3つの症状

🥗 食事・運動・睡眠を整えるための情報が満載🥗

話題のオートミールは健康にいいの? 栄養素や種類についても解説!

ドライアイとは? 冬は悪化しやすく頭痛の原因に?! 対策についても解説!

内臓脂肪を落とすにはどうする? 超悪玉コレステロールが動脈硬化を起こす仕組みも解説

🧑‍⚕️ インタビューなど耳寄りな情報を掲載! 🧑‍⚕️

健康面でのリスク管理はできていますか? 知久先生にインタビュー

20代社会人の子どもを持つ親は健康面のリスク管理はできている?

脳の検査に求めることは? 費用(金額)? 検査時間? 受診に至らない理由も掲載

記事を探す