スマホを1日にどのくらいみてる? SNSが体に与えている悪影響とは?
過度にSNSを利用することが、血中タンパク質を上昇させていることが学術誌の論文に掲載されました。私たちの生活に深く関係しているSNSですが、あまりに依存状態になっている場合には使用に注意が必要となります。この記事の中では、依存しないでSNSと付き合うための役立つ情報もまとめています。2023/12/12 ( 公開日 : 2023/01/19 )
心身症って何? ストレスから起こる疾患を防ぐうえで気をつけるべきこと

ストレスって何?
ストレスは外部環境から刺激を受けた際に、体が感じる緊張した状態のことです。
そもそもは物理学の分野で使われていた「ストレス」という用語が、次第に精神的な不調の原因を説明するうえで使われるようになりました。
物体に上から力をかけると、どのような物体かによりますが歪んだりたわんだり、本来と違う形状になります。
この外圧が人に対してかかって生じている反応を、「ストレス反応」といいます。
このストレスをかけるものを、ストレッサー(stressor)といいますが、大きく分類するといくつかの種類に分けることができます。
◇物理的ストレッサー

気候の暑さ、寒さ
騒音、混雑
まぶしさ、明るさ など
◇化学的ストレッサー

アルコールやタバコ
薬物
栄養不足
化学物質の刺激
酸素の欠乏 など
◇心理・社会的ストレッサー

仕事、家庭、友人関係、恋人との関係など、現代社会で「ストレス」という言葉の原因となっているものが、この心理・社会的ストレッサーでしょう。
SNSで不特定多数の人と距離が近い状態も、現代人の心理・社会的ストレスを増やしている原因といえるかもしれません。
心理・社会的ストレスにはどんなものがある?
- 仕事から受けるストレス
- 家族、パートナー、友人から受けるストレス
- SNSから受けるストレス
- 社会の変化から受けるストレス
心理・社会的ストレスはその大半が人と人のあいだの関係で起きています。
仕事から受けるストレス

仕事をするときには、他者との妥協点を見つけて物事を進めていくことが多いと思います。
しかしこうした調整を日々くりかえしていると、ストレスを抱える機会は多くなるでしょう。
また自分があまり得意ではない仕事をしていたり、やりたくない仕事をしていたり、自分で捌ききれない量の仕事をしていたりすると、ストレスは募ります。
仕事をするうえでの時間的制約やプレッシャーが、大きなストレスとなることもあるでしょう。
家族、パートナー、友人から受けるストレス

パートナー、両親、親戚、友人との関係でも、ストレスを感じる方は多いでしょう。
たいていの人間関係のストレスは、「こうでなければならない」という相手への期待から生まれます。
また時間の経過とともに、すべての関係は少しずつ変化しますので、他者につねに完璧をもとめるとハレーションが起きます。
SNSから受けるストレス
SNSは人間関係をより複雑にしました。


こちらの記事では、SNSを過度に利用する人は慢性的な炎症が起きていることを示す血中タンパク質が多いことを紹介しています。
SNSの平均利用時間は、ここ最近は1年で10分増えている(10〜30代)というデータもあります。
ただでさえ人との関係が多くて自分の時間が減っている中で、SNSにもアクセスしつづけていると、さらなるストレスが溜まる悪循環にハマりそうです。
急激な社会変化から受けるストレス
現代は前世代の働き方や価値観から大きな変化が起きています。
そのスピードはさらに速くなるともいわれ、何がいい選択なのか、判断する材料やロールモデルも存在しなくなっているのかもしれません。
また新型コロナウイルスなど、自分ではどうすることもできないこともあります。
メディアが不安を煽るニュースを流し、SNSがそれを何倍にも膨らませることも、さらにストレスを増やすことにつながります。
ストレスは体にどんな影響を与える?
慢性的ストレスがバランスを崩す
ストレスがかかると体の自律神経系、内分泌系、免疫系に異常が起こります。 一時的なストレスなら体はうまくそのストレスを調整できますし、むしろ適度なストレスは必要なものとされています(例えばホラー映画なども緊張しますが楽しく感じられますよね)。
しかしこのストレスが慢性的に強く作用し続けると、体のさまざまな部分で器質的あるいは機能的な障害を引き起こしてしまいます。
心身症って何?
病院や診療施設で各科が対応する体の疾患のうち、ストレスが影響して機能的な障害が出たものを「心身症」といいます。
たび重なる吐き気、腹痛などがずっとつづいていると、それが病名のついた状態まで進行するというイメージです。
▽心身症の具体的な例
頭痛
高血圧
狭心症
消化性潰瘍
過敏性腸症候群
高血糖・糖尿病
気管支喘息
関節リウマチ
甲状腺機能亢進症・バセドウ病
皮膚炎 など
ストレスから心身症そして重大疾患へ

心身症の中でも高血圧や高血糖などは、自覚症状こそありませんが体の中で血管が痛み始めています。
血管はダメージを受けてもその度に修復しますが、長い期間ずっとストレスを受けつづけて、痛みが蓄積していくと、人体の中でも大切な血管で問題が起きたりします。
これがときに脳梗塞や心筋梗塞などの重大疾患につながります。
現代的なストレスを減らすには?
前述した心理・社会的ストレスを減らすうえでは、具体的にはどんなアクションがあるのでしょうか?
ご自身の環境でできることは異なると思いますが、ちょっとしたアクションがストレスを軽減することにもつながりますので、以下で記載していることをぜひ参考にされてみてはいかがでしょう。
仕事から受けるストレスの場合
- 自分の疲労度に意識的になる
自分が疲れていると、普段はスルーできることもスルーできません。イライラするとき、「単に自分が疲れているだけ」というケースも多いです。
自分の疲労度は自分自身では中々見えにくいものです。
「いつもならこんなことでイライラしないのにな」という瞬間に意識的になることで、仕事の人間関係でのトラブルも避けられるかもしれません。
適切に(あるいは充分に)休むのも、仕事のうちです。
家族、パートナー、友人から受けるストレスの場合
- 適切な距離感を考える
- 関係を更新する
一緒の空間に入ればいるほど、長い時間を過ごせば過ごすほど、相手との関係は難しくなることもあります。
家族、パートナー、近しい友人は、とくにその傾向が強いです。
おたがいが居心地がいい状態になるように、適切な距離感を取ることが大切でしょう。
また慢性的にイライラが溜まっている状態を改善するには、きっちりと話し合って別れたり、グループから離れたりという一時的な痛みを受けるアクションも必要かもしれません。
SNSから受けるストレスの場合
- スマートフォンからSNSを消す
こちらのダイアモンドオンラインさんの記事「【グーグル元社員が考案】一瞬で「スマホ依存」をやめられる方法」にもありますが、GoogleやYoutubeなどで働き、消費者になるべくスマートフォンを使ってもらう時間を長くするような仕事をしていた人ほど、会社を離れるとSNSをやめることを推奨するケースをよく見かけます。
過度な他人との比較をやめるためにも、一度SNSを徐々に減らしていく実験をしてみてはいかがでしょうか。
社会の変化から受けるストレス
- 自分が影響力を持てることだけ考える
パンデミック、戦争などについて、メディアは不安を煽る部分だけを切り取って恐怖を増幅する傾向にあります。
自分の影響力が届く範囲は限りがありますので、なるべく自分の影響力が及ぶ部分のみを考える習慣をつけるのがおすすめです。
ニュースをみすぎている方、ニュース疲れを感じている方は、ぜひこちらの記事を読んでみましょう。

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情報が増えすぎることや、四六時中オンラインになることで、さまざまなストレスが体には溜まって行きます。
吐き気や腹痛がずっとつづいている、もしくは定期的につづくような状態が何年も継続すると、本当の病気になってしまいます。
メンタル的な問題が体には大きく関わっていますので、ぜひ自分にとって快適な環境を作るアクションをしましょう!
編集部までご連絡いただけますと幸いです。
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