ストレスで脳が萎縮するって本当? そのメカニズムと幸せホルモン「セロトニン」について解説
ストレスは心だけでなく体にもさまざまな影響をもたらします。ストレスで胃やお腹が痛くなってしまうことはよく知られていますが、実は脳が萎縮することもわかっているのです。では、脳が萎縮すると具体的にどのような影響があるのでしょうか。今回はストレスが脳に与える影響や幸せホルモンと呼ばれるセロトニンを増やす方法などを紹介します。2023/11/15 ( 公開日 : 2022/11/25 )
秋から冬に注意! 日照時間の変化が季節性うつ病を引き起こす?!

季節性うつ病(季節性感情障害)とは?
秋から冬にかけてうつ症状が現れ、春には症状が改善するパターンを繰り返すことです。病気の発生時期としては、季節性があるのが特徴です。
精神的に季節の変化についていけなくなってきている状態で、日常生活に大きな支障が生じている場合は冬のうつ病の可能性が高いとされています。 気分がその日の天気(光の時間と量)に左右されるのが、季節性うつ病の本質になります。
冬に多いのはなぜ?
日照時間の短さが冬季うつ病の原因であると考えられています。 みなさんは冬になると、朝は布団から出られず、つい長く寝てしまったり、炭水化物や甘いものが食べたくなることもあると思います。
これらは寒さのせいと思われがちですが、実は日照時間の減少が関係していると考えられています。
人間は、朝起きて明るい太陽の光を浴びると目から脳に信号が伝わり、脳内で働く神経伝達物質の一つ「セロトニン」とういう物質が作られます。 すると、「メラトニン」という睡眠に関係するホルモンの分泌が抑制され、体内時計が調整されます。
ところが、太陽の光を浴びる時間が減少すると、「セロトニン」の合成が促されず脳の活動が低下し、「メラトニン」が正常に分泌されなくなり、体内時計が狂ってしまいます。
こうして、睡眠リズムが乱れ、疲れやすい、食欲が抑えられない、気力が落ち込む、といった症状が現れやすくなるという仕組みです。
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代表的な症状
季節性のうつ病は過眠や過食の傾向が、非季節性のうつ病よりも強く現れると言われています。
季節に関係なく心身の不調を感じているなら、季節性うつ病ではなく、通常のうつ病の可能性があります。
無気力

疲労感や倦怠感が強く感じる。
過眠

日中も常に眠気がある、眠くて朝起きられない、睡眠時間の増加で布団から出られない。
過食(食欲が著しく増加)

冬は脳のセロトニンが減ってしまい、健康状態に戻そうと無意識に炭水化物や甘いものを食べてしまう。
かかりやすい人の特徴
冬季うつ病は季節性のもので、冬以外の季節は健康な状態である人が多いです。
高緯度地域で日照時間が短い北国や若年者(20〜30代)に多く現れる傾向があり、男性よりも女性の方が多いとされ、性格や気質はあまり関係ないとも言われております。
また、一般的なうつ病は、まじめな人や熱心な人、責任感が強い人などがかかりやすいとされており、 うつ病を患っている人は、同時に冬季うつ病にもかかる可能性が高く体調を崩しやすくなってしまいます。
過去にうつ病にかかったことがある人やかかりやすい気質と自覚している人は、対処法など早めの行動をしていくことが大切です。
予防方法
太陽の光を浴びる
・・・光の時間だけでなく量も大切です。日があるうちに家の周りを一周する散歩、曇り空でも日光は体に取り込まれています。
バランスのいい食事
・・・トリプトファンを多く含む、バナナ、青魚、大豆など。
セロトニンの増加
・・・規則正しい生活をしたり、光を浴びたり、ジョギングなどの運動で増加すると言われています。また最近では、涙を流すことでセロトニンが増えるとも言われています。
周りの環境を整える
・・・自分ひとりで抱え込んでしまうと、症状は悪化するいっぽうです。 周りに何でも話せる友人や家族とコミュニケーションをとって、辛い気持ちを抱えこまないようにすることが大切です。
治療法
日頃から意識的に太陽光を浴びることは有効と考えられています。
しかし実際、冬になかなか太陽光を浴びることが難しいので、人工的な光(ライト)を浴びる治療として高照度光療法や薬物療法という治療が行われています。
高照度光療法
人工的な光(ライト)を浴びる治療で、病院またはご自宅で、毎日1〜2時間程度、2500〜10000ルクスの光を浴びるという方法で行われます。
薬物療法
症状が重い場合は、セロトニンの働きを強める効果が期待されるSSRI(副作用の少ない)という種類の抗うつ薬が主に使われています。 季節性うつ病の場合、秋に抗うつ薬を飲み始め、春になったらやめるのが一般的です。
周りの人の協力が重要

季節性うつ病は、秋から冬に起こりやすいですが、暑い時期の夏にも発症しやすく、どの季節にも注意が必要です。 また、自分でうつ症状が季節性かどうか判断するのは難しいです。
今回ご紹介した症状が当てはまる場合は、専門の医療機関に相談することをおすすめします。
ご自身のお友達や職場の方で、もしかしたらうつ病かもと感じることがあったら、優しく声をかけてあげて、とにかく話を聞き共感をすることが大切です。
病気だと決めつけるような発言や責めたりするような言い方は決してしないようにしましょう。
編集部までご連絡いただけますと幸いです。
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