2023/11/15 ( 公開日 : 2022/11/17 )

サウナが認知症対策に役立つ? 温度変化が激しい温冷交代浴には注意!

生活習慣
予防 動脈 睡眠
この記事は約5分で読めます
近年ブームのサウナですが、健康にはいいのでしょうか? サウナに入ることで、体にどのような効果があるのかを知りましょう。またサウナに入る際に気をつけたいこと、サウナの入浴がおすすめできない方についても記載しています。ムリをせず、健康にプラスとなるサウナの入浴を行いましょう。
目次

サウナの「整う」とは?

近年はサウナがブームですが、まだサウナに行ったことがない、という方も多いのではないでしょうか。
サウナとはサウナストーブで80〜100℃に保たれた空間で、汗を流す場所のことです。(ちなみに日本でサウナというと、一般的にはフィンランド式のドライサウナのことをいいます)。

サウナで温まってから、水風呂で冷やして、その後休憩する、この一連の行動を「温冷交代浴」といいます。

最近のブームでは、サウナから出てから汗が噴き出ている体を冷たい水風呂に放り込んで、爽快感を得ることを「整う」といっていますが、これは血圧が急上昇しすぎることでのデメリットが大きいともいわれています。

しかも徐々に快感に慣れてしまうため、より温度差の激しい温冷交代浴をするようになってしまいがちで、そうなるとより血圧の急上昇が起こりますので、動脈にはさらに大きな負担がかかります。

サウナは健康にいいの?

急激すぎる温度変化がある温冷交代浴はあまりおすすめできませんが、うまく使えばサウナは健康にプラスの面があります。

効果としては、以下のようなものがあるといわれています。

  • 血液の流れがよくなる、老廃物を洗い流す
  • リラックスできて、疲労や悩みがなくなる
  • 肌荒れなどがなくなり、美容にも効果がある
  • よく眠れるようになる
  • 自律神経が改善される など

順番に詳しく解説いたします。

血液の流れがよくなる、老廃物を洗い流す

現代人にとって体調がすぐれない理由のひとつが、血行がよくないことです。
原因としては運動不足、食生活の乱れ、発汗が少ないことなどがあり、これらによって動脈は硬くこわばった状態になっています。
慢性的にむくみや冷えなどがある方も、血液の流れがよくないことが原因かもしれません。

サウナでは血管が拡張されて血流がよくなるため、体の細胞にとって必要な酸素や栄養が行き届いて細胞が元気になります。
また血液は老廃物を運ぶ役割もしていますので、流れがよくなることで体の老廃物も排出されやすくなるため、体にとってはいい影響があります。

リラックスできて、疲労や悩みがなくなる

緊張すると体にはストレスがかかって筋肉がこわばります。このとき筋肉は血管を圧迫し、血圧は高まり、動悸がします。
動悸が高まっているときに考え事をすると、不安感が強く出て、悩みになるともいわれています。

サウナでは血流がよくなるため、この日常起きている筋肉のこわばりが取れ、動悸もなくなります。
これがリラックスにつながるため、悩みごとも減る効果があるといわれています。

肌荒れなどがなくなり、美容にも効果がある

これも血流がよくなることで、充分に起こりうることです。
体はつねに代謝を行い、体の細胞を入れ替えていますが、血流がよければその新陳代謝が促進されます。

ニキビは毛穴に詰まった老廃物の中でアクネ菌が繁殖し、それが肌の表面に出てきた状態のことなのですが、血流が勢いよく老廃物を流していてくれれば、こうしたものもできにくくなります。
これは美容効果のひとつといえるでしょう。

よく眠れるようになる

これはサウナでなくても、お風呂に入ると寝つきがよくなるのと原理は同じです。
就寝2時間前にお風呂に入ると、体の深部が温められ、眠る時間にはその反対に温度が落ちてきます。
このような状態になると睡眠に入りやすくなるのですが、サウナに入ったあとでも似た現象が起きています。

また上記で述べたような、体のこわばりが減って不要な心配をしなくなることも、睡眠しやすくなることとは関係しているでしょう。

自律神経のバランスがよくなる

自律神経は血管や内臓組織の働きと密接に関わっています。
もし乱れた生活をしていると、体のバランサーである自律神経は次第に狂ってしまいます。
例えば不眠、食欲不振、めまい、下痢や便秘などは、体の中でバランスが崩れて起きていることが多いでしょう。

習慣的にサウナに入っていると、次第に自律神経のバランスが整ってくるため、体の不調が少しずつ減ってくる方もいます。

サウナで気をつけたいことは?

毎年のことですが、お風呂の入浴で血圧が急激に上下して、ヒートショックを起こし、多くの方がお風呂場で溺死しています。

ヒートショックによる死亡者数は年間どのくらい? 対策についても紹介

毎年11月頃から少しずつ増え始めるのがヒートショックです。ヒートショックは暖かい部屋から寒い場所に行ったり、熱いお湯の中に入ることで、血圧が急激に上下することが原因で起こります。この記事の中では、ヒートショックが起きやすいシチュエーション、引き起こされる疾患、対策方法などについてご紹介いたします。

サウナでも温度が急に変わる体験をしますので、予期せぬ事故が起こる可能性はあります。

持病がある、薬を飲んでいる方は要注意!

サウナでは血管が拡張して低血圧になりますので、降圧剤(※血圧を下げる薬)を飲んでいる方は注意が必要です。
心臓ですでに梗塞を起こしたことがある方も、心臓を栄養する冠動脈が狭くなっていることがあるため、高温のサウナなどは危険な場合があります。

基礎疾患として高血圧症、呼吸器疾患、貧血などを持つ方は、かかりつけの医師などに相談してからサウナの利用を検討してみてください。

※補足

心不全を改善する「低温サウナ」は効果を上げているようです。
詳しくはこちらの記事(「心不全を改善!低温サウナ治療とは?」NHK)でも紹介されています。

脱水に注意!

サウナに入ると汗を大量にかくため、水分補給は非常に大切です。
もし水分が充分ではないと血液の流れはむしろ悪くなり、血栓ができると脳梗塞や心筋梗塞のリスクすら出てきます。
休憩時間には、かならず水分摂取を忘れないようにしましょう。

急性心不全と慢性心不全の違いとは? それぞれの症状や予防方法についても解説!

心臓はポンプのように血液を全身に送り出していますが、この働きが低下して全身に必要な血液を送れなくなった状態が心不全です。心不全を起こすと、場合によっては死に至ることもあります。高齢化が進む日本では、近年心臓病を患う方が増えているのが現状です。心不全がどんな病気なのかを知っておくことで今からできる対策を行いましょう。

温度変化の激しい温冷交代浴も注意!

上述していますが、整う体験をしたいからといって、温度変化の激しい温冷交代浴を行うのは考えものです。
若くて基礎疾患がない方であっても、急に血圧が上がってめまいを起こし、倒れるケースもなくはありません。

サウナのあとにはシャワーで温い水を浴びてから水風呂に入るなど、体をびっくりさせない工夫が必要です。
初めてサウナに行くときには、詳しい方と一緒に行くのもいいでしょう。

サウナで認知症対策?

多くの方が日常的にサウナに入ることでフィンランドは有名です。
2017年に発表された論文では、サウナに週1回しか入らないひとよりも、週4〜7回入るひとでは認知症を発症するリスクが66%も低い(*1)という結果が示されています。

注意すべきことをしっかりと心に留めた上で、生活の中にサウナを取り入れてみてはいかがでしょうか。

(*1) Laukkanen, Tanjaniina, et al. “Sauna bathing is inversely associated with dementia and Alzheimer’s disease in middle-aged Finnish men.” Age and Ageing 46.2 (2017): 245-249.

記事についてお気づきの点がございましたら、
編集部までご連絡いただけますと幸いです。

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