2021/12/20 ( 更新日 : 2021/12/20 )

心臓からのSOSを見逃さないで! 心不全ってどんな病気? 症状、検査・診断方法などを解説

症状
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心不全はポンプのように血液を全身に送り出していますが、この働きが低下して全身に必要な血液を送れなくなった状態が心不全です。心不全を起こすと、場合によっては死に至ることもあります。高齢化が進む日本では、近年心臓病を患う方が増えているのが現状です。心不全がどんな病気なのかを知っておくことで今からできる対策を行いましょう。
目次

心不全ってどんな病気?

心不全は正式な病名ではなく、心筋梗塞、心筋弁膜症、心筋炎といった病気によって引き起こされる心臓の機能不全です。心臓の機能がうまく働かないと、血液が全身に行きわたらなくなります。

心不全は「急性心不全」と「慢性心不全」の2つに分けられます

「急性心不全」は、急に起こるもので、血管が完全に詰まる「心筋梗塞」で多くみられます。短時間で激しい呼吸困難になるため、重症の場合はそのまま死に至るリスクが高いです。
「慢性心不全」は、心臓に負担がかかり続けることで徐々に症状が進行するものです。

心不全の原因

心不全の主な原因は「狭心症」や「心筋梗塞」といった心臓の病気です。
狭心症や心筋梗塞は、血管内が詰まり血流が滞る病気ですので、発症すると心臓に血液をうまく送ることができなくなり心不全を起こします。

これらの病気は、高血圧、喫煙、糖尿病が原因となっていることも多く、これらが当てはまる人は若年層であっても、発症リスクが高い傾向があるため注意が必要です。

心不全のステージ

アメリカ心臓病学会(AHA)においては、心不全の病気はステージA、B、C、Dと分類されます。

ステージA

ステージAは高血圧、糖尿病、肥満などを持っており、将来的に心不全を起こす可能性のあるステージ。高血圧や糖尿病、肥満は動脈硬化を引き起こす大きな原因のため、できるだけ早い改善を行い、心不全の予防を行う必要があります。

ステージB

ステージBは心肥大、弁膜症、心筋梗塞といった心臓の構造的な異常がありますが、症状はない状態です。ステージBではすでに心臓の異常が起こっており、気づかないうちに次のステージへ進行する可能性があります。

ステージC

ステージCは心肥大、弁膜症、心筋梗塞といった心臓の異常があり、症状も感じることがたまにある状態です。 息切れやむくみなどの症状が現れるとステージCとみなされ、この段階で早急に適切な治療を開始し、進行を防ぐことが重要です。

ステージD

ステージDは心肥大、弁膜症、心筋梗塞といった心臓の異常があり、適切な薬物治療を行っても安静時に症状を感じる状態です。 ステージDの患者は「末期心不全状態」と呼ばれ、根治ではなく症状緩和を目的に治療を行うことが一般的です。 ステージDまで進行すると、根治は難しいとされています。5年生存率も20%程度となっているため、ステージDまで進行させないことが大切になります。

心不全の主な症状

急性心不全

・短時間で激しい呼吸困難や胸の痛み、動悸、激しい咳き込み。
・顔面や手足が蒼白したり、寒気を感じることもある。
・重症の場合、脳への血流が不足し、上記の症状に加えて意識障害を起こすこともある。

慢性心不全

・日常から呼吸困難や息切れ、咳き込み、疲れやすさ、手足の冷え、動悸、足のむくみなど の軽度の症状があり、少しずつ悪化していく傾向がある。
・風邪やストレスなどをきっかけに慢性心不全が急激に悪化することもある。

心不全の検査・診断方法

心不全の検査として、「胸部X線」「心臓MRI」「心エコー」「BNP濃度測定」「心血流シンチグラフィ」などを行います。

表1 心不全の検査名と診断
検査名 内容
胸部X線/心臓MRI 方法や精度が異なりますが、画像化して心臓の大きさや機能を把握することが可能。
心エコー 超音波を使って心臓を輪切りにした状態で観察可能。心臓の弁の様子や心臓の機能、血液の流れを把握できる。
BNP濃度測定 心臓にかかる負荷に応じて心臓から分泌されるホルモン(BNP)の量を測定する検査す。 血中のBNP濃度を測定することで、心臓にかかっている負荷を知ることができるため、治療効果としても有用な指標になる。
心血流シンチグラフィ 静脈に放射性同位元素駐車して、放出される放射線を撮影。放射線量をコンピュータ処理して画像に起こし、心筋の血流やエネルギー代謝をイメージングする検査。

心不全の治療方法

心不全の治療は薬物治療が一般的で、血管を拡張したり心臓の筋肉を活性化する薬などを使用しますが、心臓のポンプ運動のリズムに障害がある場合はペースメーカーを設置することもあります。
いずれの治療でも改善が見られなかった場合には、心臓移植手術も選択肢の一つに入ります。
しかしステージCまで心不全が進行してしまうと、ステージAやBの状態に戻ることは難しい(*1)とされています。

心不全は生活習慣病と密接な関わりがあるため、生活習慣改善や食事療法なども併せて行われることが多いです。

心不全リスクのセルフチェックをしてみよう

心不全リスクや症状のセルフチェックとして、以下を参考にしてみてください。

・血圧が高い
・血糖値が高い
・腎臓が悪いと言われている、もしくは治療を受けている
・心臓が悪いと言われている、もしくは治療を受けている
・肺が悪いと言われている、もしくは治療を受けている
・階段を上がると息切れする
・夜になると咳が出る
・息苦しくて夜目覚めることがある
・毎日ストレッチをして、筋肉を柔らかくしておく
・横になると息苦しい
・だるさや疲れを感じやすい

中でもむくみと息切れがある場合は、病院の受診をおすすめいたします。

*1:日本循環器学会/日本心不全学会合同ガイドライン「急性・慢性心不全診療ガイドライン(2017年改訂版)

心不全の予防方法

心不全は生活習慣病が起因となる傾向があるため、「バランスの取れた食事」「肥満解消」「適度な運動」の3つを心掛けましょう。
1日あたりの塩分摂取量の目安として、男性が8.0g未満、女性が7.0g未満です。

また、胸部X線、胸部CT、心臓超音波検査を受けることで、心臓の異常を早期発見できます。

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監修医 伊藤 晴紀(いとう・はるき)

メディカルチェックスタジオ新宿クリニック・医学博士
同じ病気でも、患者様ひとりひとり治療方針は違ってきます。それぞれの生活やバックグラウンドに合った医療を提供できるよう心がけております。
患者様が健康で長生きできるよう、診断・治療だけでなく、最新の医療知識を織り交ぜながら診察しております。

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