2023/11/14 ( 公開日 : 2022/10/11 )

ヒートショックによる死亡者数は年間どのくらい? 対策についても紹介

生活習慣
予防 血圧
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毎年11月頃から少しずつ増え始めるのがヒートショックです。ヒートショックは暖かい部屋から寒い場所に行ったり、熱いお湯の中に入ることで、血圧が急激に上下することが原因で起こります。この記事の中では、ヒートショックが起きやすいシチュエーション、引き起こされる疾患、対策方法などについてご紹介いたします。
目次

ヒートショックとは?

寒い季節になると、熱を外へ逃さないように体は自然と血管を収縮させます。
血管が収縮すると足先が冷えたりむくんだりしますが、これは血液の流れが悪くなっているために起こります。

中でもヒートショックと呼ばれる現象は、急激な温度の変化によって体がショックを受けることをいいます。

どんな時に起きる?

寒い季節にはリビングを暖かくしていますから、ふいにお風呂場に行ったときに大きな温度変化に遭遇しがちです。

暖かな空間から急に寒い場所に行くと、体は体温調整のために筋肉を震わせて熱を生み出そうとします。
その際に同時に血管を細くして、流れる血液量を減らすことで、体内の熱を外に逃さないようにするのです。

たとえばゴムホースを足で踏むなどすると、水の通り道が狭くなって水流は強くなりますが、血管も細くなると血圧は急激に高まります。

お風呂場で脱衣しているときには寒さから急激に血圧が上がりますが、暖かいお湯に浸かることで今度は血管がゆるんで血圧が急激に下がります。

この血圧の急上昇と急降下は若くて健康なときなら動脈は耐えられますが、糖尿病、高血圧、高脂血症などを持っている方の傷んでいる動脈の場合には、動脈の一部が裂けてしまったり、プラークが破れて血栓を作って血流を塞いでしまったりします。

引き起こされる疾患、症状

ヒートショックで起こる疾患

脳や心臓はつねに血液を必要としていますので、血液が多く通る箇所で動脈が裂けてしまったり、血栓が血流を塞いでしまうことで、脳や心臓に致命的ダメージを与える疾患が引き起こされます。

具体的には、脳梗塞、心筋梗塞、脳内出血、大動脈解離などが挙げられます。

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こんな症状にも注意!

  • めまい
  • ふらつき
  • 立ちくらみ
  • 動悸 など

血圧が急激に低くなると、めまいなどを起こすこともあります。
もしめまいや動悸が起きた際には、失神の兆候かもしれませんので、すぐにでもお風呂の栓は抜きましょう。

不慮の溺死は交通事故よりも多い

高齢者の家および居住施設の浴槽における死亡者数は、令和元年の調べでは1年に4,900人(*1)以上もいるといわれています。
その数は1年の交通事故の死者数、3,215件(*2)よりも多い数値です。

高齢化社会となり、さらにこうしたケースでの死亡者数が増えることが懸念されています。
浴槽での事故は特に空気が冷え込んでくる11月から増え始め、1月にピークを迎えます。


▼ 家および居住施設の浴槽における死亡者数(令和元年)のグラフ

参考

*1) 厚生労働省 「人口動態調査」(令和元年)
*2) 内閣府 道路交通事故の動向

ヒートショック危険度はどのくらい?

以下の項目にどのくらい当てはまりますか?
当てはまる数が多ければ多いほど、ヒートショックの危険性は高まります。

① 肥満、糖尿病、高血圧を指摘されたことがある
② 65歳以上である
③ 浴室に暖房設備がない
④ 脱衣所に暖房設備がない
⑤ 熱いお風呂に入るのが好き、お湯張りの温度設定を高くしている
⑥ かけ湯や、シャワーで手足を温める行為をしない
⑦ 飲酒後や、食後すぐにお風呂に入る習慣がある
⑧ 入浴前後で水分をあまりとらない
⑨ 入浴時間が長い

※補足

①〜②:動脈硬化が進んでいる可能性がある
③〜⑥:血圧の急上昇、急降下が起きやすい
⑦:食事20分後は消化に血流を使うため食後低血糖になりやすい
⑧〜⑨:発汗により血液が濃くなっている

ヒートショック対策としてできること

ヒートショックへの対策としては、以下のことに留意しましょう。

  • 脱衣所などは暖房器具を使って暖かく保つ
  • 入浴の前にはかならず水を飲む
  • 入浴前のアルコール、食後すぐの入浴は控える
  • お風呂の温度はぬるめにする。長湯はやめる(10分程度を推奨)
  • 浴槽から急に立ち上がらない

お風呂に入るのは毎日の習慣ですので、一度知識を身につけて習慣を変化させれば、ヒートショックのリスクを低くすることができるでしょう。

もしご家族やご親戚のかたで知らない方がいたら、ぜひヒートショック対策について情報を共有してみてはいかがでしょうか?
日頃の生活習慣の見直しが、予期せぬ事故を防ぐことにつながります

記事についてお気づきの点がございましたら、
編集部までご連絡いただけますと幸いです。

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