胸部CT検査(肺がん・肺CT)ではなにがわかる? 検査方法、受診費用などについて
日本人の死因の中でももっとも多いのが「がん」による死です。2019年の統計では、その中でも肺がんがもっとも割合が多いとされています。肺がんは「この症状がかならず出る」というものはなく、無症状のうちに進行している場合があります。この記事では胸部CT(肺がん・肺CT)検査からわかること、また検査をおすすめする人などをご紹介いたします。2023/01/23 ( 公開日 : 2022/10/04 )
CT検査(CTスキャン)とは? 検査の仕組み、方法、造影剤について解説

検査の仕組み

CTとはコンピュータ断層撮影(Computed Tomography)のことです。
CTを知るためには、まずはX線撮影について知りましょう。
健康診断や人間ドックなどで行われるX線撮影(レントゲン)検査では、物体を透過する性質を持っているX線を放射して、体の臓器や筋肉などの組織によって起こるX線減弱の差を捉えます。
このX線撮影は特定の方向から撮った一枚の写真であるため、臓器によって隠れている箇所が発生します。
CTスキャンでは、X線を出す箇所と検出器が人体に沿って回転して、360度あらゆる方向からのX線透過像をデジタルデータとして得ることができます。
X線撮影は二次元情報で、CT撮影は三次元情報であると考えるとわかりやすいでしょう。
検査の方法
CTスキャンはベッドに仰向けになって、筒状になっている装置の中を通ります。
検査ではベッドが動いて撮影を行うため、受診者の負担はとくにありません。
撮影部位によっては息を止めたり、吐いたりすることがあります。
放射線技師の指示に従いましょう。
造影剤について

造影剤とは、画像にコントラスト(白黒の差)をつけたり、特定の臓器を詳しくみるために投薬されるものです。
CTスキャンではおもにヨード造影剤が使われます。
造影剤は安全性が確立されていますが、ごくまれに副作用が起こることがあります。
症状としては、吐き気、頭痛、くしゃみ、発疹などがあげられます。
もし仮にこうした症状が出たとしても、自然に回復することが大半です。ただ症状の程度によっては、別途薬による治療を行うことがあります。
体内に注入された造影剤はそのほとんどが尿排泄されるため、腎機能が著しく悪い方は造影剤を使った検査が行えない場合があります。
検査の時間
検査にかかる時間は5〜10分程度です。
(※造影剤を使用する場合には、さらに5分から10分程度かかります。)
検査でわかるがん
CTスキャンでは、ほぼすべてのがんを検査することができます。
ただし、がんを特定するためには造影剤を使用した検査を行います。
被ばくとの関係

被ばくを気にされる方もいるかもしれませんが、CTスキャンでもちいるX線は現代の機器では5mSv以下程度で、体に影響がないレベルといわれています。
X線によって健康に悪影響があるのは、一般に年間100mSv以上からといわれています。
▽こちらの記事もおすすめ


CTとMRIの違いとは? それぞれの特徴と発見できる疾患についても解説
画像検査には多くの方になじみが深いレントゲン検査があります。レントゲンの他にも体内の状態をみることができる画像検査では、超音波検査、CT、MRI、核医学検査などがあり、それぞれ特性が異なります。この記事の中ではCT検査とMRI検査に焦点をあてて、それぞれの特徴をみていきます。編集部までご連絡いただけますと幸いです。
ご意見はこちら
気になる方は、即日予約・受診可能です。
所要時間10分、検査は3分の
「胸部CT肺ドック」

24年間の病院勤務ののち、スマート脳ドック立ち上げのためにスマートスキャンに参画。医療データ読影部兼、メディカルチェックスタジオ新宿・銀座にて技師として勤務中。
「受診者さま目線を大切にして、日々の業務に努めて参ります。」
こちらの記事もおすすめ

知っておきたい脳ドックの補助金・助成金制度 思っていたよりずっと安く受診できるってほんと?

脳ドック受けてみた! 各種メディアさま スマート脳ドック | 体験レポート

脳梗塞・心筋梗塞リスクがわかる血液検査、LOX-indexとは?

こわい/こわくない頭痛とは? 脳梗塞は頭痛を感じないってほんと? 知っておきたい頭痛の分類

未破裂脳動脈瘤とは? くも膜下出血を起こす危険がどのくらいあるかを知りましょう!

日本における脳卒中の死亡者数・死亡率は? 40~64歳で介護が必要となる方の半数は脳卒中が原因

話題のオートミールは健康にいいの? 栄養素や種類についても解説!

隠れ肥満(サルコペニア肥満)とは何か? 一見、普通体型の人こそ危険!

タバコを吸うことで発症する可能性がある病気とは? 依存度チェックも収録!

健康面でのリスク管理はできていますか? 知久先生にインタビュー

病気予防をするために押さえておくべきこと(編集後記)

脳ドックを受けにくるのはどんな人? 放射線技師大畑さんにインタビュー