2022/09/16 ( 公開日 : 2021/10/08 )
ストレスで脳が萎縮するって本当? そのメカニズムと幸せホルモン「セロトニン」について解説
ストレスや不安を感じると脳は萎縮する?
ストレスや不安は、脳萎縮の背景因子のひとつです。ストレスを感じると、副腎皮質からコルチゾールというストレスホルモンが分泌されます。
コルチゾールは糖や脂質、たんぱく質などの代謝に関わっているものですが、慢性的なストレスにより過剰に分泌されると脳の神経細胞を破壊してしまうこともあるとされています。
ストレスや不安による「脳疲労」のメカニズム
脳の働きが鈍っている状態を脳疲労といいます。
脳疲労は、大脳新皮質と大脳辺縁系、間脳のバランスが崩れた状態です。
大脳新皮質は知覚や運動、大脳辺縁系は記憶や情動、間脳は自律神経や内分泌に関わっています。
つまり、脳疲労が起こっている状態というのは判断力や記憶力などが低下している状態になっているのです。
強いストレスを受けた際に現れる症状
強いストレスは感情や記憶を司る前頭前野の機能を低下させます。
すると、脳に存在する神経同士の結びつきが弱くなり、少しずつ活動が弱まってしまうことが明らかになっているのです。
強いストレスを受け続けることで、私たちの体は目に見えて影響を受けてしまうでしょう。
突然感情が爆発したり、無気力になったりする
前頭前野は喜怒哀楽といった感情を制御している部分です。
強いストレスにより前頭前野の機能が低下すると、今まで抑えきれていた感情が爆発したり、逆に無気力になったりします。
ストレスホルモンであるコルチゾールの濃度が高くなるにつれて徐々に神経細胞の活動が低下し、感情の制御ができなくなってしまうのです。
仕事に集中できなくなる
コルチゾールは集中力にも大きく関係しています。
前頭前野は集中力を高める働きもしている部位です。強いストレスにより前頭前野の働きが低下することで、仕事をはじめ勉強や日常生活などあらゆる場面で集中力がなくなってしまいます。
仕事でミスをしたり勉強が頭に入らなかったり、育児や家事でちょっとしたミスが続いたりなどさまざまな影響が出るでしょう。
ストレスに効果的な物質「セロトニン」とは?
セロトニンとは、幸せホルモンとも呼ばれる神経伝達物質です。精神を安定させたりやる気を出したり、幸福感を得たりするために必要になります。
ドーパミンやノルアドレナリンなど精神の安定ややる気に関係している神経伝達物質にはほかにもいろいろとありますが、このうちセロトニンが9割を占めていることが特徴です。
セロトニンの量が低下すると感情が不安定になったり攻撃的になったりするため、ストレス対策にはセロトニンの量を増やすことが効果的だと言われています。
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